画鬼と呼ばれた河鍋暁斎の娘とよ(河鍋暁翠)を主人公に
鬼才画家の後を生きる苦しみを描いた作品。
そもそも家族ましては異母兄弟、それぞれの思いなんて分かり合えるはずがない
誰も自分のことで精いっぱいだから。
そうとわかっていても、日々、人の言葉に悩まされる。
「そうじゃない、わかってほしい」と願ってしまう。「なんでこんなに辛いんだ」と嘆いてしまう。
気持ちが通じないと急にその人が遠のいた気がして恨みたくなったりする。
澤田さんの物語の中には、そんな日々をするすると描いてくれている。
結局、ジタバタしながら生きていくんだなあ。