星降るようにサンシュユの花が咲いていました。
この実は生薬「山茱萸」。食べてもおいしい。
補肝腎、収渋作用を持ち、腎虚の基本処方六味丸の構成成分の一つです。
六味丸がベースの漢方薬には、八味地黄丸、杞菊地黄丸、麦味地黄丸、知柏地黄丸などがあり、体質によって使い分けます。
このところの陽気でコブシやモクレンもどんどん咲き始めました。
コブシ、ハクモクレン、シモクレン、タムシバの花蕾は生薬「辛夷(しんい)」
花類は概ね解表作用を持っているようです。辛夷は通鼻作用もあるので「鼻淵丸」に配合されています。
ヒレンジャクを見つけました。曇天の暗い日だったのでピンボケですが。
ここで注目すべきは、お尻からだらりと排泄されているのもの。ヤドリギの種です。
ヒレンジャクは好んでヤドリギの実を食べるのですが、この実はベトベトしていて、鳥の体から種が排泄されるときも粘って長々とぶら下がり、ヒレンジャクが止まったその枝にくっついて株を増やすのです。動植物の知恵はすごいですね。
で、人間も負けてはいません。ヤドリギの葉や茎は生薬「桑寄生(そうきせい)」
足腰の弱って痛む症状に用いる「独活寄生湯」に配合されています。
桑寄生には、去風湿、養血、強筋骨、補肝腎、安胎作用があります。
漢方とは、いつの間にか摩訶不思議なものというイメージになってしまいましたが、こうして身近な自然を利用した知恵の集積。日々の体調を身近なもので整える知恵。そんな毎日を積み重ねれば元気な体ができる。誰もが知っておきべき知恵だと思います。
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