漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

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菊の節句と漢方薬

2013-10-09 | 漢方的話題
旧暦の九月九日は菊の節句で。新暦なら今頃。
ちょうど菊が咲き始めるころ。

このころの晴れ渡る空を「菊晴れ」というそうだ。
また「菊枕」と言って摘んだ菊の花びらを乾かして枕に入れて寝ると恋する人が夢に現れるとか。

漢方で「菊花」(杭菊花)は、
甘苦・寒で芳香があり、頭目の風熱をさまし、頭痛やめまい、目の充血などを
改善する作用があるので、枕に菊の花びらを入れて眠れば、頭がすっきりして
さぞかし良い夢を見られることでしょう。

・疏散風熱(熱をさます):桑菊飲
・明目(目の充血疼痛を改善する):杞菊地黄丸
・平肝陽(めまいふらつき、頭痛頭張を改善する):釣藤散
など有名な処方に菊花が含まれています。


写真の杞菊地黄丸は、蝋皮丸という形状で、生薬の粉を蜂蜜で練り固めた
大きなキャラメルみたいなものを蝋皮で密封保存した形。(写真は蝋皮を割ってあけたところ)
ちょうどサイコロキャラメルみたいな小箱に一丸入っています。


『杞菊地黄丸』は、肝腎陰虚証で潤い不足で眼精疲労が顕著になる人によく用いられます。『釣藤散』は、肝陽上亢証で潤い不足により火照りやすく、その結果頭痛やめまいが出現するときに用います。
また、婦人科での応用では、杞菊地黄丸は生理不順や不妊、釣藤散は生理前の頭痛やほてりイライラといった症状に用いたりします。


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