来店されるなり、控えめな声で、
「私、できたの」
「婦人科にいったら、ちっちゃな胎芽が見えて・・・。でも、心配で心配で・・・生理、きちゃうんじゃないかと・・・」「よし!これからも漢方対策で、胎児にがっちり栄養を送らなくちゃ。絶対、育てようね。心配してたら赤ちゃんも心配しちゃうよ。」
もっとも不安定な妊娠初期。
いつも、これからの数週間が、実は私もドキドキします。
無事に母子手帳を手にするまで、漢方対策も行いますが、もうひたすら祈る気分です。
どうか、無事に育ちますように。
生理周期が短くなってしまうタイプでした。
これまで、のんびりペースで漢方薬を飲んでいただいていた方でしたが、ある日、「やっぱり、そろそろ妊娠したほうがいいかな・・・30代だし」
とかなり控えめに訴えられました。「それならもっとがっちり飲まなきゃね。」
それから、3、4種類の漢方薬を生理周期にあわせて服用する対策をはじめ、対策4ヶ月過ぎるころから目に見えて卵胞期が安定し、基礎体温もメリハリがでてきました。
(漢方養生って、積極的に食事改善を行っているようなもので、本当に体にいいと実感しています。特に、生理に関する効果は、かなりなものだと自分でも驚くくらいです)
「もう一息だね」
「ときどき飲むの忘れちゃうから、もっときちんと飲んだらいいのかな」
気合、入ってるな、と感じた矢先のうれしい知らせでした。
3,4日前、夕方に「ひぐらし」の声を聞きました。
よく時代劇などで、夕暮れ時の雰囲気を出すのに、効果音で使われる蝉の声です。
(カナカナカナカナ・・・)
ちょっと涼しげ・・・
えっ
夏の名物「あぶらぜみ」はどこへいった?
そう、「ひぐらし」は、夏の終わりの象徴のはず。
長梅雨の間に、夏はもう過ぎてしまったの?
土の中のあぶらぜみは元気なんだろうか?
暑い盛りは夜になってもジージーと鳴いているはずなのに。
昼間も夜もすごく静かです。