漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

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重陽(ちょうよう)の節句とサンシュユ

2007-09-03 | 老化・血流
9月9日は『重陽(ちょうよう)の節句』なんだそう。

中国では、奇数が陽、偶数が陰、
したがって9はもっとも大きな陽で、これがふたつ重なるので『重陽』

重陽の節供は元は、自分や家族の長寿と一家の繁栄を祈る行事。

そして、旧暦なので今で言えばたぶん10月の天気の良いこの日には、グミに似た山茱萸(サンシュユ)の赤い実の枝を髪に飾り小高い丘に皆で出かけて自然を満喫したそう。

(写真はWikipediaサンシュユより)

山茱萸(サンシュユ)は、漢方処方の材料として用いられる植物。
『補益肝腎』作用がある。
つまり肝と腎という体にとってそれこそ肝腎なところを元気にしてくれる作用があって、補腎剤のベースになる「六味丸」に含まれている。

この「六味丸」、
山茱萸のほか、山薬、熟地黄、茯苓、沢瀉、牡丹皮の六つの生薬から構成されていて、補う作用と解毒する作用のバランスが絶妙。
これをベースにして「杞菊地黄丸」や「八仙長寿丸(麦味地黄丸)」、「瀉火補腎丸(知柏地黄丸)」などが作られている。

これらの漢方薬は、中国では昔から長寿の処方として、都会に働く青年が故郷に帰るとき、父母の健康を祈ってお土産に買って帰ったりするそうです。

ちなみに日本では、
長崎くんち、唐津くんちは重陽の節句の9日を呼んで付いた名前だそうです。
菊の節句、栗の節句などとも呼ばれるらしいのですが、日本ではかなり廃れていますね。


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