漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

【侏離】 【侏儒】

2017-04-30 15:25:34 | 雑記
【侏離】  
 外国語の意味がわからないさま。

【侏儒】
1. 身長がきわめて低い人。
2. 見識のない人をあざける語。
3. 役者


 【侏】 に「みじかい。背が低い。」という意味がありますから 【侏儒】 の1や2は良いとして、【侏離】 や、「役者」の意味での 【侏儒】 のように、個々の字から熟語としての意味がわかりづらい語はやっぱり覚えづらいですね。ちなみに、【侏儒】 に「役者」の意味があるのは、「王侯貴族の家では背丈の低い者が、芸人や俳優として召しかかえられた。」からだそうです。(「全訳 漢語林」より)

28-3 合格率は14.5%

2017-04-27 22:48:42 | 本試験
 協会のHPに、28-3 の合格率が掲出されていました。

 1級は受検者数 1,083 人中合格者 157 人で、合格率は 14.5%。やはりかなり易しかったという結果ですね。

 それにしても、合格率よりずっと気になるのは、次回は1,000人を割り込んでしまうのではないかということさえ危惧される受検者数。協会HPにデータが出ている 19-1 以降では最低の数字で、最も多かった 20-3 の 1,691 人からすれば、3割以上も減っています。以前にも書きましたが、単に今回少なかったということではなく、永い期間にわたってほぼ一貫して減り続けています。他の級は必ずしもそうした傾向ではありませんので、1級に特有の流れと言っても良いかもしれません。極端な言い方をあえてすれば、ほとんどリピーターのためだけの試験になりつつあるようにも思います。

 先行きが心配だなぁ・・・

年齢の異称

2017-04-22 09:05:44 | 雑記
 このところ余り更新ができず、ご来訪いただいている皆さんには申し訳なく思っています。プライベートでかなりバタバタしていたためでもあったのですが、ようやく落ち着いて来ましたので、またぼちぼち記事も書いていきたいと思っています。

 さて、そのバタバタの中で、人の年齢というものに思いを馳せることが多くありました。見方によれば単に生まれてからの年数の数字というだけでもありますが、古来、節目節目の年齢に特別な呼称を付して呼ぶのは明らかに大陸渡来の文化でしょう。これに相当するような英単語などは、私が知らないだけかもしれませんが思い浮かびません。極めて東洋的な所作とでも言うべきでしょうか。

 あげだすときりがないですが、いくつかご紹介します。


【笄年】 【志学】
 どちらも15歳のこと。【笄年】 はかんざしを挿す年齢ということですから女性だけに使うのでしょう。【志学】 は逆にもともとは男性だけだったのかな? 言わずと知れた論語からの熟語ですが、孔子の時代、「学問をする」と言えば、男性だけが念頭にあったことでしょうから。


【破瓜】
 「瓜」を分解すると「八」が二つ。合わせて16ということで、女性の16歳を指すのですが、これを男性に使うとなぜか足し算が掛け算に変わって64歳のこと。どちらも今の時代、あまり使われているのを聞いたことはありませんが、面白いですね。


【弱冠】
 歳が若いこと一般に使われますが、本来は20歳のことです。


【壮室】 【而立】
 こちらは30歳。【而立】 は 【志学】 と同じく論語から。【不惑(40歳)】、【知命(50歳】、【耳順(60歳)】、【從心(70歳)】 と続き、すべて論語の中の一つの説話での言葉です。この説話、中学2年のときに学校で習いましたが、遠い遠い昔ですねぇ・・(笑)


【桑年】
 48歳。理由は 「桑」 の俗字である

の字体(「十」が四つに「八」が一つ)からですが、この手のものもたくさんあります。【喜寿(77歳)】、【傘寿(80歳)】、【漆寿(81歳)】、【卒寿(90歳)】などなど。


【杖家】
 50歳。家の中で杖を使うことが許される年齢とのこと。「許される」ったってねぇ・・・と思いますが、この先も 【杖郷(じょうきょう/60歳)】、【杖國(じょうこく/70歳)】、【杖朝(じょうちょう/80歳)】 と続きます。【杖朝】 は、宮中でも杖をついて良いということだそうです。いずれも 「禮記」 から。


【盤寿】(ばんじゅ/81歳)  【星寿】(せいじゅ/90歳)
 前者は将棋盤、後者は碁盤からの呼び名。



 まだまだたくさんありますが、ホントにきりがないのでこの辺で。



 は、島根県立大学e漢字  の漢字フォントを使用しました。

地元の桜

2017-04-13 16:46:14 | 雑記
 少し遅いかなと思いながら足を向けてみましたが、まだまだ十分楽しめました。 ^^




 自宅近くの橋のたもとから。



 郷土芸能とでもいうのでしょうか。地元の夏祭りの名物「ばか面おどり」の像。こんなところにこんな像があることに、きょう初めて気が付きました。



 きょうは少し風があって、体をつつむように舞う桜吹雪が見事でしたが、スマホのカメラではやっぱり映らないですね。 ^^;




 地元で一番の桜の名所です。



 鳩も桜を愛でているのかな?





たまには・・・

2017-04-09 06:24:14 | 演習問題
 今日も天気が今一つですが、来週だと散ってしまいそうなので、きょうは自宅近くの桜並木を愛でに行く予定です。

 などと書いているうちに、最近まったく「漢検ブログ」になってないなぁと思い立ったので、いつもながら少しですが、書き取り演習です。どうぞ。



1. 胸の く思い。
2. キツガイ の書を置く。
3. 法隆寺の大 ガラン
4. 災難に ホウチャク する。
5. オーストラリア北東岸の大 ホショウ


1.  【空】   (「漢検 漢字辞典」初版 P.372/第二版 P.374)
 「いざ聞かれると・・・」という感じで、できないとかなり悔しそうですね。(笑)
2.  【乞骸】  (291/518)
 辞表を出すことです。
3.  【伽藍】   (139/141)
 寺社巡りが大好きなのに、なぜかこの熟語は定着しません・・・
4.  【逢着】   (1393/1407)
5.  【堡礁】   (1393/1407)
 【礁】 の石へんがすぐ出て来なくなります。


6. ラマ 教。
7. ガンジガラ め。
8. バッカン 帽をかぶる。
9. ゴウトウ な気性。
10. ホノボノ としたふれあい。


6. 【喇嘛】   (1533/1549)
 チベット仏教のことですね。
7. 【雁字搦】   (253/256)
 初めて漢字を知ったときは、結構意外感がありました。
8. 【麦稈】   (1231/1244)
 「むぎわらぼうし」なら書けそうですが、「バッカン」と聞かれると想起できるか怪しいです。
9. 【豪宕】   (-/522)
 第二版で新たに見出しになった語。どちらかと言うと読み問題ですかね。
10. 【仄仄】   (948/956)
 個人的に定着しない語です。


11. ケンデン を耕す。
12. カチドキ をあげる。
13. 自家 ドウチャク
14. 考え アグ む。
15. ゲツベツ 雲泥、天地の相違。


11. 【硯田】   (425/429)
 執筆を業とすること。筆で書く作家さん、もし今いらっしゃったら相当な希少価値ですね。
12. 【勝鬨・凱】   (746・189/753・191)
 「凱旋門」とセットで覚えましたが、今は何となく 【勝鬨】 の方を解答したい気分。
13. 【撞着】   (1143/1152)
14. 【倦】   (418/422)
 準1級のときから、どうも定着しません。
15. 【月鼈】   (412/416)
 泉鏡花「高野聖」からの引用。直接「ゲツベツ」という熟語を知らなくても、「雲泥」からの類推もききそうですから、結構良い問題?



 29-1 まであと2カ月。さすがにそろそろどうするか決めなきゃなぁ・・・