このところ余り更新ができず、ご来訪いただいている皆さんには申し訳なく思っています。プライベートでかなりバタバタしていたためでもあったのですが、ようやく落ち着いて来ましたので、またぼちぼち記事も書いていきたいと思っています。
さて、そのバタバタの中で、人の年齢というものに思いを馳せることが多くありました。見方によれば単に生まれてからの年数の数字というだけでもありますが、古来、節目節目の年齢に特別な呼称を付して呼ぶのは明らかに大陸渡来の文化でしょう。これに相当するような英単語などは、私が知らないだけかもしれませんが思い浮かびません。極めて東洋的な所作とでも言うべきでしょうか。
あげだすときりがないですが、いくつかご紹介します。
【笄年】 【志学】
どちらも15歳のこと。【笄年】 はかんざしを挿す年齢ということですから女性だけに使うのでしょう。【志学】 は逆にもともとは男性だけだったのかな? 言わずと知れた論語からの熟語ですが、孔子の時代、「学問をする」と言えば、男性だけが念頭にあったことでしょうから。
【破瓜】
「瓜」を分解すると「八」が二つ。合わせて16ということで、女性の16歳を指すのですが、これを男性に使うとなぜか足し算が掛け算に変わって64歳のこと。どちらも今の時代、あまり使われているのを聞いたことはありませんが、面白いですね。
【弱冠】
歳が若いこと一般に使われますが、本来は20歳のことです。
【壮室】 【而立】
こちらは30歳。【而立】 は 【志学】 と同じく論語から。【不惑(40歳)】、【知命(50歳】、【耳順(60歳)】、【從心(70歳)】 と続き、すべて論語の中の一つの説話での言葉です。この説話、中学2年のときに学校で習いましたが、遠い遠い昔ですねぇ・・(笑)
【桑年】
48歳。理由は 「桑」 の俗字である
の字体(「十」が四つに「八」が一つ)からですが、この手のものもたくさんあります。【喜寿(77歳)】、【傘寿(80歳)】、【漆寿(81歳)】、【卒寿(90歳)】などなど。
【杖家】
50歳。家の中で杖を使うことが許される年齢とのこと。「許される」ったってねぇ・・・と思いますが、この先も 【杖郷(じょうきょう/60歳)】、【杖國(じょうこく/70歳)】、【杖朝(じょうちょう/80歳)】 と続きます。【杖朝】 は、宮中でも杖をついて良いということだそうです。いずれも 「禮記」 から。
【盤寿】(ばんじゅ/81歳)
【星寿】(せいじゅ/90歳)
前者は将棋盤、後者は碁盤からの呼び名。
まだまだたくさんありますが、ホントにきりがないのでこの辺で。
は、島根県立大学e漢字
の漢字フォントを使用しました。