「漢検 漢字辞典」の第二版で、初版からいくつかの改訂がなされているのをこのブログでも何度かご報告していますが、改訂事項の一つに、意味による音読みの読み分けの記載が大幅に増えている点があります。きょうはそんな漢字の一つ、 【繆】 のご紹介です。
【繆】
<初版> P.1289
音読み ビュウ、リョウ、ボク
訓読み (なし)
<第二版> P.1302
音読み ビュウ、リョウ、ボク、キュウ
訓読み あやま・る、たが・う、もと・る、いつわ・る、まつ・わる
上記の通り、第二版では音読み「キュウ」と、5つの訓読みが追加されています(いずれも、「要覧」にはもともとあって、「辞典」初版には記載のない読みでした)。またそれに加えて、4つの音読みの意味の違いが明確に記載されています。
ビュウ
まとう。からみつく。 ⇒ 【綢繆(ちゅうびゅう)】
誤る。まちがえる。 ⇒ 【繆説(びゅうせつ)】 こちらは「謬」と類義ですね。
たがう。もとる。
いつわる。いつわり。
リョウ
まつわる。めぐらす。 ⇒ 【繆繞(りょうじょう)】 こちらは「繚」と類義。 【繚繞】 も辞典にあります。(初版 P.1566/第二版 P.1582)
ボク
やわらぐ。おだやか。 ⇒ 「穆」と類義。「辞典」に用例はなく、「大漢和」でも人名がほとんどですが、 【繆繆(ぼくぼく)】 (やわらいで美しい意) というのがありました。
キュウ
まじわる。
ひもを巻きつけて絞める。
⇒ これも「辞典」には用例なし。「大漢和」には 【繆纏(きゅうてん)】 (まつわりつく意) とあります。
辞書が改訂されて解説が詳しくなるのはもちろん良いことですが、音読みが4つもあってそれぞれ意味も違うとなると、しっかり区別して覚えるのは難儀ですね。実際の漢検という点では 「ビュウ」 と 「リョウ」 だけ押さえておけば良いかな?
【繆】
<初版> P.1289
音読み ビュウ、リョウ、ボク
訓読み (なし)
<第二版> P.1302
音読み ビュウ、リョウ、ボク、キュウ
訓読み あやま・る、たが・う、もと・る、いつわ・る、まつ・わる
上記の通り、第二版では音読み「キュウ」と、5つの訓読みが追加されています(いずれも、「要覧」にはもともとあって、「辞典」初版には記載のない読みでした)。またそれに加えて、4つの音読みの意味の違いが明確に記載されています。
ビュウ
まとう。からみつく。 ⇒ 【綢繆(ちゅうびゅう)】
誤る。まちがえる。 ⇒ 【繆説(びゅうせつ)】 こちらは「謬」と類義ですね。
たがう。もとる。
いつわる。いつわり。
リョウ
まつわる。めぐらす。 ⇒ 【繆繞(りょうじょう)】 こちらは「繚」と類義。 【繚繞】 も辞典にあります。(初版 P.1566/第二版 P.1582)
ボク
やわらぐ。おだやか。 ⇒ 「穆」と類義。「辞典」に用例はなく、「大漢和」でも人名がほとんどですが、 【繆繆(ぼくぼく)】 (やわらいで美しい意) というのがありました。
キュウ
まじわる。
ひもを巻きつけて絞める。
⇒ これも「辞典」には用例なし。「大漢和」には 【繆纏(きゅうてん)】 (まつわりつく意) とあります。
辞書が改訂されて解説が詳しくなるのはもちろん良いことですが、音読みが4つもあってそれぞれ意味も違うとなると、しっかり区別して覚えるのは難儀ですね。実際の漢検という点では 「ビュウ」 と 「リョウ」 だけ押さえておけば良いかな?