もうすぐ新年度 2018-03-24 14:46:47 | 雑記 毎年楽しませてくれる近隣の桜です。まだ咲き始めなので、来週末あたりが一番の見頃かな? もうすぐ4月。評価作業やら新入社員の受入準備やらでわさわさしていますが、大学院の授業も始まりますので、シッカリやっていきたいところです。
物名(もののな) 2018-03-11 09:27:20 | 和歌 妙に暖かい日があるかと思えば、また真冬なみの寒さに逆戻り。そのこと自体が、春本番が近い証とも言えますが、桜の咲き誇る光景が待ち遠しいですね。 さて、引き続き古今和歌集からの話題ですが、巻第十の表題は「物名」。「ぶつめい」とも読むようですが、やはりここは「もののな」と読んでおきたい。コトバンクで「物名歌」を検索しますと、「ブリタニカ国際大百科事典」の記載として、『和歌の分類の一つ。「もののな」の歌,隠題 (かくしだい) の歌ともいう。事物の名を歌の意味とは無関係に詠み込んだ遊戯的な和歌。』と出てきます。「歌の意味とは無関係に」というところがおミソで、読み込まれたものが何であるかがわかりにくいものほど良い、とする評価基準もあるようです。 古今集巻第十の巻頭にあるのは、藤原敏行朝臣のこの歌。 心から 花のしづくに そほちつつ 憂く干ずとのみ 鳥のなくらむ 「憂く干(ひ)ず」の部分に、「うぐいす」が詠み込まれています。 続いて、同じ歌人による二首目。 来べきほど 時すぎぬれや まちわびて 鳴くなる声の 人をとよむる 一句目から二句目にかけて、「来べきほど 時すぎぬれや」と、「ほととぎす」が詠み込まれています。このように、句と句にまたがって詠み込まれることの方が、むしろ多いようです。 古今集からは離れますが、3番目の勅撰和歌集である「拾遺和歌集」の物名の巻には、 茎も葉も みな緑なる 深芹は 洗ふ根のみや 白く見ゆらむ と、「洗ふ根のみや 白く」のところに「あらふねのみやしろ(荒船の御社)」という九字が詠み込まれたものもあります。 言葉遊びの類で、正当な(?)名歌鑑賞といったこととは趣が異なるかもしれませんが、面白いですね。こんなことができるのも、日本語の柔軟性、奥深さの一つの現れと捉えたいと思います。