漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

26-1 を分析してみました

2014-06-29 16:55:03 | 本試験
 26-1 の問題を、 「初めての合格のために」 の記事でご紹介した方法で分類してみました。

 繰り返しになりますが、具体的には 26-1 の全問題を次のA~Eに分類します。


分類A   「平成21年度以降の過去問」 「漢検1級 完全征服」 「漢検1級 分野別精選演習」 にある問題。

分類B   Aとまったく同一ではないが、Aを勉強していれば正解できる問題。

分類C   A・Bには含まれないが、1級配当の四字熟語(「●●之●」形のものを含む)の知識で正解できる問題。

分類D   A~Cには含まれないが、平成15~20年度の過去問にある問題。

分類E   A~Dのいずれにも含まれない問題。


 「完全征服」「分野別」にあるかどうかは目視で確認しているので多少見落としはあるかもしれませんが、結果は次のようになりました。数字は左から順に、A~Eそれぞれに分類された問題の配点です。


(一) 14  3  1  0 12  / 30
(二) 18  0  0  2 10  / 30
(三) 10  0  0  0  0  / 10
(四)  0  0  0  0 10  / 10
(五) 16  0 12  0  2  / 30
(六)  8  0  0  0  2  / 10
(七)  5  3  0  0  2  / 10
(八)  8  0  0  0 12  / 20
(九)  8  2  0  0 10  / 20
(十) 10  2  2  0  6  / 30

合計  97 10 15  2 76  / 200


 上記の通り、今回は分類A~C、つまり過去問と1級配当四字熟語の知識だけで取れるのは122点(97+10+15)だったということです。この数字は、25-3 では143点、25-2 では146点 でしたので、今回は相当に難易度が高かったということが、ここからもわかります。仮にA~Cを9割正解したとしてもそれで110点、残り78点分で50点(得点率64%)取らないと合格に達しませんから、相当に厳しかったと言うべきでしょう。勝手な想像ですが、合格率は一桁になるのではないでしょうか。


 この傾向が今後も続くのかどうかはわかりませんが、私は今回の結果を受けて、1級合格のためには次のことが必要だという思いをますます強くしました。

★ 分類A(H21年度以降の過去問・分野別・完全征服)は完璧に自分のものにすべき。
 一通りこなした上で、さらに読み問題を書けるようにし、問われていない箇所も習得するなどすれば、「E」に分類されている問題で正解できるものも出てきます。(今回で言えば「比周」「奕葉」など。) 分類Aの対策は、深くまでやっていけば出題数の多い「分類A」での失点を防げるだけでなく、「分類E」対策にもなるということですね。

★ 逆に過去問はこれで十分で、古い過去問は分野別と完全征服で十分にカバーできる。
 上記の通り、古い過去問で分野別にも完全征服にも出ていないもの(分類D)は2点分しか出題されていません。(いやいや2点は大きい、という考えももちろんあり得ます。) 

★ 1級配当四字熟語は、「●●之●」形のものも含め、読み・書き・意味を網羅しておくべき。
 「コウショ」の書き取り(苟且)、「汨羅」の読み(べきら)など、今回も四字熟語の知識で正解できる問題が出ています。


 これらの対策では直接的には正解できない「分類E」を正解するには、基本的には地道に個々の漢字の音訓・意味を習得し、語彙を増やし、故事・諺の知識を増やすといったことしかありません。そこに「特効薬」はないのですから、今回のように分類Eの出題が多い回に合格を勝ち取るには、逆に分類A~Cを絶対に落とさないことが必要でしょう。9割と言わず、9割5分~全問正解を狙いたいところです。


 私自身の取り組みはというと、分類A~Cは一応のベースはできていると思うのでここを一定期間毎に復習していくことと、分類E対策としては、やはりまだまだ「辞典」の読み込みが甘い(「甘い」と言うより、そもそも一通り通読したことがまだない)ので、そこを地道にやっていこうと思います。

 「辞典」の通読、何年かかるのかなぁ・・・^^;



26-1 振り返り その2

2014-06-28 20:38:52 | 本試験
 続いて裏面です。


(六) 熟字訓・当て字  10点/10点

 私にとっては得点源の箇所。無事、満点でした。【山小菜 ほたるぶくろ】 【梭尾螺 ほらがい】 が初出でしょうか。



(七) 熟語の読み・一字訓読み  9点/10点

3.螫齧  せきげつ
 「螫」の音読みが思い出せず。
 (七)は昨年度は3回とも満点だったのですが、今回はダメでした。残念。



(八) 対義語・類義語  16点/20点

1.裨益 ⇔ とがい  蠹害
 「荼害」と少し迷いましたが、無事正解。「辞典」にはない熟語ですが、「荼害」でも正解かもしれませんね。

6.累世 ≒ えきよう  奕葉
 何を書いたか忘れてしまいましたが、「よう 葉」が思いつかず。

7.簡牘 ≒ しょそ  書疏
 これも私の癖というか、とかく起こりがちなことなのですが、「疏」が出てこなくて、違うと分かっていながら「粗」とか「租」とか書くハメになります。今回もそうでした。試験会場からの帰り道で思い出したので、今回一番悔しい誤答でした。

9.家訓 ≒ ていきん  庭訓
 正解しましたが、これはある意味ひっかけですね。正解と同じ漢字が問題に含まれているという出題はこれまであったでしょうか? 【庭訓】 という熟語は知っていたので大丈夫とは思いましたが、少し不安でした。

 自己採点通りなら、(八)は3回続けて 16点です。まずまずと言えばまずまずですが、なかなか抜け出せません。未練がましいですが、【書疏】 が思い出せてればなぁ・・・



(九) 故事・諺  16点/20点

3.山の神にオコゼ  鰧(「勝」の「力」を「魚」に変える)/虎魚
 今回、一文字で送り仮名のない訓読みを少し集中して勉強していたのですが、その際にリストアップしていた漢字でした。書き問題としての出題は意識していなかったのですが、何度も読みの復習をしているうちに、字体も頭に入っていたようです。安全のために、より確実な「虎魚」の方を書こうかと思ったのですが、せっかく字体が浮かんだので、若干の不安はありながら一文字の方を書きました。これはもう、「こっちが書けるんだぞ」という「見栄」ですね。(笑)

5.釣りして網せず、ヨクして宿を射ず  弋
 数えきれないほど何回も「干戈」「遊弋」「揺曳」を復習してきた甲斐あって正解。今回間違えていたら、本当にトラウマになるところでした。

6.ラッキョウ食うて口を拭う  薤/辣韮
 「ラッキョウ」と読む草かんむりの漢字があったのは覚えていて、必死に思い出そうとしましたが、出てきたのは「薑」だけでした。あとで考えたら、ラッキョウなんだから、しょうがじゃなくてにらですよね。字画・字体にばかり意識が行って、意味から考える方に頭が回りませんでした。試験本番中の思考として、個人的には良くあること。
 「字体でわからなかったら意味を考える。その逆も。」
胆に銘じたいところです。

7.酒にベッチョウあり  別腸
 何人かのリピーターの方が書いてますが、「別腹」から類推可能ですね。しかしながら自分はというとまったく思いつかず。いつもながら、頭の固さが禍いしたようです。何かは書いたはずですが、忘れてしまいました。

10.セキレキに翫(な)れて玉淵を窺わず  磧礫
 1.の「文章は経国の大業にして不朽のセイジなり  盛事」とともに、25-3 以降に新たに学習した故事成語の一つでした。新しく覚えたものが2問も出題されたのはラッキーでしたが、それを無事に正解できて良かったです。^^

 (九)は昨年度3回続けて14点で、自分としてはそれがこれまでの最高点でしたので、今回自己採点通りならようやくそれを超えられました。次回以降もこれを維持向上したいです。



(十) 文章題  27点/30点

8.・・・小人ヒシュウし公議行われず   比周
 文脈から意味はほぼ正しく類推できましたが、如何せん【比周】という言葉を知らず。漢字は易しいですが、難しい言葉ですね。

ア 葡萄茶  えびちゃ
 久々に熟字訓の読みが文章題で出題されましたね。21-2 の 【以為らく  おもえ・らく】 以来でしょうか。熟字訓が得点源と公言するだけあって(笑)正解。

オ 漫ろ  そぞ・ろ
 「おもむ・ろ」と書いてしまって×。「違うなぁ、多分」とは思ったのですが、正解は出て来ず。間違いなく学習したことはあるのですが、思い出せませんでした。

キ 簷馬  ふうりん/えんば
 「ふうりん」は「辞典」にはありませんが、原典にそうルビが振られていますね。さすがに「ふうりん」とは読めませんでしたが、「えんば」と書いて正解。

 ということで、(十)は 27点と、私としては上出来。25-1 の28点に次ぐ結果でした。



 一通り振り返りましたが、先に書いた通り、当日の感触に比べると得点はかなり上でした。多少は力がついてきたということでしょうか。

 今回、かなり難しかったですが、次回はこのレベルが続くのか、或いは例年通り1回目が特に難しいということになるのか、いずれにしても受検を継続していきたいと思います。

 どうやら合格にこぎつけられたようなのでこれで5回目。ひとつの区切りという感じです。このところあまり時間がとれなくて学習は停滞状態ですが、何とかうまくバランスを取って、ほそぼそとでも勉強を続けて行きたいと思っていますので、どうぞ引き続きお付き合いください。





26-1 振り返り その1

2014-06-28 19:05:27 | 本試験
 今回、手ごたえは厳しかったのにどうやら合格できた(らしい)要因を考えて見たのですが、いつもやらかすポカミス、アホな間違いというのが、今のところ見つかっていません。このことはずっと目標としてきたことの一つなので、自分的には小さな達成感を感じています。

 さていつもの通り、誤答箇所を中心に振り返ってみます。


(一) 読み  27点/30点

1.繭紬  けんちゅう
 「けんしゅう」と読んでしまいました。準1級配当の方を間違えるとは不勉強としか言いようがありませんね。「紬」の音読みを明確に認識しておらず、「雲岫(うんしゅう)」が思い浮かんで「けんしゅう」と解答。幸先が悪いです。

2.大旆  たいはい
 なぜか「たいき」と読んでしまう癖を克服して無事正解。繰り返し復習したのが良かったです。

3.靄迺  あいだい/あいない
 これまた準1級配当の方を間違えて「あいしゅう」と解答。「遒」に引きずられたかな? この熟語、意味も読みも「欸乃」(21-1、23-3で出題)と同じのようです。だったら「欸乃」を出してくれれば読めたのに! (笑)

4.簟牀  てんしょう
 「しんしょう」と書いて×。25-1 で間違えた「蕈中(しんちゅう)」が思い浮かんだのが敗因・・・じゃなくて、敗因はもちろん「簟」の音読みをちゃんと勉強していないからです! 相変わらず、個々の漢字そのものの習得状況に穴があります。

 (一)の誤答は上記の1・3・4だけで、計27点。全体にかなり難しかったと思うので、自分的には満足しています。ただ、「廝養 しよう」「霈艾 はいがい」のように、知らなかったけどその場で考えて書いたら正解だったというものもあるので、引き続き精進が必要ですね。



(二) 書き取り  30点/30点

 自己採点では、ここが初の満点。ホントだろか??
 最初は書けなかった「くびき 軛」をなんとか記憶の底から時間内に絞り出せたのは嬉しかったなぁ。「せいへい 政柄」は初合格した 22-3 の文章題で出て、その時は書けなかった熟語ですが、今回は無事正解。やはり過去問の学習は大事です。



(三) 国字  10点/10点

 「ウグイ 鯎(魚+成)」に一瞬詰まりかけましたが、無事、満点でした。



(四) 語選択 書き取り  2点/10点

1.くいちがうこと  ていご  牴牾
 「軋轢」と誤答。「牴牾」は見た記憶はあったが、意味を覚えておらず。

2.村里・民間  りょこう  閭巷
 「りょ」の漢字がわからず。と言うより、そもそも「りょこう」という言葉を知らず。

4.僧が方々で布教すること  じゅんしゃく  巡錫
 「じゅんしゃく」だろうとは思ったものの知らない熟語でした。「じゅんじゅんとしゃくす」のかと、「諄釈」という熟語を発明。

5.貧しい書生や学者  きゅうそだい  窮措大
 お手上げ。まったくわからず。

 というわけで、要するに書けたのは「うらない  ぼくぜい  卜筮」だけと玉砕。不合格をくらった一年前の 25-1 と同じくここが2点という体たらく。難問揃いだったのは確かだと思いますが、1~5すべて「辞典」の見出し語ですから、きちんと「辞典」を網羅されている方なら、逆に満点も狙えるということになりますね。「辞典」をめくって、受検者が見逃していそうな熟語を選び出している出題者の薄笑いが見えるようです。(笑)



(五) 四字熟語  28点/30点

ウ うんきん成風  運斤
 3級配当からの出題。現状、個人的には1級配当をきっちり網羅しそれを維持することに注力していて、現段階では下位級配当のものはできなくても仕方なしと割り切ってはいるのですが、やっぱりいざ出されてできないと悔しいですねぇ。
 前回 25-3 の 【衆口鑠金】 もそうでしたが、「四字熟語辞典」にないとか下位級配当とかいった捻った問題は、その熟語の意味を問2の選択肢に入れて、意味から問1の書き取りが類推し得るようにと、出題者が考えているように思います。前回はそれ(意味からの類推)で「鑠金」を書けましたが、今回はダメでした。残念。


 以上、表面は 97点/110点。前回の 99点には届きませんでしたが、今回の難易度からすればまずまずの出来。中期的な目標である 180点を取るためには表面で少なくとも 100点必要だと思い、目標としているのですが、達成は今回もお預けでした。まぁ、(四)が2点じゃとても無理ですね。(苦笑)

 裏面(六)~(十)に続きます。




26-1 自己採点結果

2014-06-28 17:48:44 | 本試験
 きょうは無事に仕事も休みで久しぶりにゆっくりしていたところ、標準解答が届きましたので、さっそく自己採点してみました。結果は・・・


(一) 音読み  17点
    訓読み  10点
(二) 書き取り  30点
(三) 国字  10点
(四) 語選択書き取り  2点
(五) 四字熟語書き取り  18点
    四字熟語意味  10点
(六) 当て字・熟字訓  10点
(七) 熟語の読み・一字訓読み  9点
(八) 対義語・類義語  16点
(九) 故事・諺  16点
(十) 文章題書き取り  18点
    文章題読み  9点

合計点  175点


ということで、受検当日の自分の感触に比べると、意外にできていたという感じです。当日は、自分が実際には受けていない回も含めていままでで一番(それもはるかに)難しいと感じ、その後時間がなくてネットの解答予想などもまったく見ておらず、正直合格できたかどうかも不安のまま今日標準解答を見たのですが、なんとか引っかかったようで、ホッとしています。ただ、私はいつも自己採点より実際の点が下がるので、実は170点くらいなのかな?


 ではいつもの通り、間違えたところを中心に振り返ります。

忙しい・・・

2014-06-27 11:23:03 | 雑記
検定本番前からの「高原状態」がまだまだ続きそうです。仕事が忙しいのはありがたいことですが、漢字に触れる時間がないのは寂しいものですね。まったく何もしない日というのがないようにはしたいのですが、、、

もうすぐ標準解答が来ますね。引っ掛かってるといいいなぁ。