はるさめに にほへるいろも あかなくに かさへなつかし やまぶきのはな
春雨に にほへる色も あかなくに 香さへなつかし 山吹の花
よみ人知らず
春雨に濡れてしっとり美しい色も見飽きることはないのに、その香りまでもが心惹かれる山吹の花よ。
ひとつ前の 0121 から、山吹の花を詠んだ歌が五首続きます。古代から好んで歌に詠まれた花の一つで、後拾遺和歌集に収録された次の歌も良く知られています。
ななへやへ はなはさけども やまぶきの みのひとつだに なきぞあやしき
七重八重 花は咲けども 山吹の みのひとつだに なきぞあやしき
兼明親王