ほととぎす こゑききしより あやめぐさ かざすさつきと しりにしものを
時鳥 声聞きしより あやめ草 かざす五月と 知りにしものを
時鳥の初音を聞いたときから、あやめ草を髪にかざす五月になったと知っていたのに、ようやくその簪を挿すことができた。
詞書は 227 と共通で、「菖蒲とれるところ、またかざせるもあり」の後段に対応する歌ということになります。一枚の屏風に2つの絵が描かれているのでしょうね。
この歌は新勅撰和歌集(巻第三「夏」 第153番)に入集しています。
ほととぎす こゑききしより あやめぐさ かざすさつきと しりにしものを
時鳥 声聞きしより あやめ草 かざす五月と 知りにしものを
時鳥の初音を聞いたときから、あやめ草を髪にかざす五月になったと知っていたのに、ようやくその簪を挿すことができた。
詞書は 227 と共通で、「菖蒲とれるところ、またかざせるもあり」の後段に対応する歌ということになります。一枚の屏風に2つの絵が描かれているのでしょうね。
この歌は新勅撰和歌集(巻第三「夏」 第153番)に入集しています。
菖蒲とれるところ、またかざせるもあり
あやめぐさ ねながきとれば さはみづの ふかきこころは しりぬべらなり
あやめ草 根長きとれば 沢水の 深き心は 知りぬべらなり
菖蒲をとったところ、また髪に挿している者もあり
根の長いあやめ草を取ると、それが生えていた沢の水の深い風情がよくわかるであろう。
同じ「菖蒲」という漢字を書く「あやめ」と「しょうぶ」が違う植物だということを10年近く前にこのブログで記事にしましたが、今回改めて Weblio古語辞典 で検索してみたところ
あやめ 【菖蒲】
名詞
草の名。しょうぶ。
しゃう-ぶ 【菖蒲】
名詞
水辺に群生する草の名。あやめ草。
とあり、なんだか良くわからなくなってきました。^^;;;
松に咲ける藤の花
ふぢのはな あだにちりなば ときはなる まつにたぐへる かひやなからむ
藤の花 あだに散りなば 常盤なる 松にたぐへる かひやなからむ
松にからんで咲いている藤の花
藤の花がはかなく散ったならば、常緑の松に寄り添っている甲斐がないではないか。
松と藤、定番の組み合わせですね。
この歌は新拾遺和歌集(巻第二「春下」 第184番)に入集しています。