漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

287 個連続して素数が出現しない区間

2021-10-24 12:33:56 | 数学

突然ですが、久しぶりに素数のお話し。

2年半ほど前、このブログで
  素数は無限に存在する
  連続100個素数が現れない区間はあるか?
という話題を書きました。後者の方は、結論から言うと100個どころか1000でも一万でも一億でも、連続して素数が出現しないどんなに長い区間も必ず存在します。その理由など詳しい中身はご興味があれば記事を読んでいただくとして、その記事にも書きましたが、実際に素数が出現しない、できるだけ長い区間をエクセルでマクロを組んで探す、という作業を、時々思い出しては細々と続けていました。そうしたところ、先ほど久しぶりに「新記録」となる区間を発見しましたのでご紹介します。

 今日発見した区間とその長さです。
     1,294,268,492  から 1,294,268,778 までの連続 287 個


 13億まで探索してようやく 287 個の区間を発見した、ということなので「どんなに長い区間も必ず存在する」とは言っても、1,000 とか 10,000 とか連続する区間は、途方もなく大きい数にならないと出現しないのでしょうね。ちなみに 13 億までの範囲で、これに次いで長い区間は
      436,273,010 から 436,273,290 までの連続 281 個
です。

 こんな、世の中のほとんどの人にとってはどうでも良い、何の興味もないであろうことを「面白い!」と感じてしまうのですから、やっぱり私は「言葉」に負けず劣らず数学が好きなんでしょうね。 ^^;;;

 


40年ぶり

2019-03-23 06:59:40 | 数学


 このところの個人的な「数学ブーム」に乗って、買ってしまいました。『大学への数学』最新号。受験生だったときは結構ちょこちょこ買って解いていたのですが、受験が終わってからは購入などするはずもなく、ほぼ40年ぶりに手にしました。ぱらぱらと見てみると、40年たっても中身のレイアウトはまったくと言うほど変わっておらず昔のまま。なんだかちょっと嬉しいですね。 ^^;;;

 実際解いたりはほとんどしないと思います(解こうとしたところで絶対できないでしょう)が、昔を懐かしみつつ、面白そうな問題や巧妙な解法などを見つけて楽しみたいと思っています。

連続100個素数が現れない区間はあるか?

2019-01-19 16:21:16 | 数学
 今日、明日はセンター試験ですね。私は共通一次世代(「共通一次」なんて言っても通じない人の方が多いですね、きっと 汗)なので自分自身の大学入試は遠い遠い昔の経験ですが、今も入試の季節になると何やら心がざわつく感覚があります。


 さて今日も素数の話題。

連続100個素数が現れない区間はあるか?

 先日、「素数は無限に存在する」というお話をアップしましたが、今回は逆に「100個続けて素数が出現しない区間はあるか?」という命題です。ちなみに1から100までの自然数の中に、素数は2、3、5、7・・・89、97まで、全部で25個あります。では連続100個、素数が出現しない区間などはあるのでしょうか。結論から言うと100個どころか、1,000個でも10,000個でも1億個でも、ずっと素数が現れない区間は存在します。以下、それを証明します。

 2から101までの100個の自然数をかけ合わせた数を考え、これをQとします。

    Q=2×3×4×5×・・・×99×100×101  A

 ここで、「Q+2」という数を考えると、Aより明らかにQは2の倍数であり、それに2を足した「Q+2」もまた2の倍数なので素数ではありません。では「Q+3」はどうかというと、AよりQは3の倍数であり、それに3を足した「Q+3」もまた3の倍数で、素数ではありません。
 以下同様に、「Q+4」、「Q+5」、・・・「Q+100」、「Q+101]はすべて素数ではありませんから、結局「Q+2」から「Q+101」までの連続100個の自然数はすべて素数ではなく、連続100個素数が現れない区間が存在することが示されました。

 「連続100個」の存在については以上で示されましたが、上記の議論は何も「101」まででやめる必要はなく、この数字はいくらでも大きくすることができます。「1,001」まで考えれば連続1,000個、「1兆1」まで考えれば連続1兆もの間、まったく素数が存在しない区間が存在することがわかります。しかしそれでも、先日記事にした通り素数は無限に存在しますので、連続1兆も素数が存在しない区間のその先には必ず素数が存在することになります。なんだか不思議ですね。




(おまけ) 実際に素数が現れない区間

 以上の議論を知ってから、では実際に素数が長く現れない区間はどこにどれくらいあるのかと思って、エクセルでマクロを組んで探してみました。2~30,000,000(3,000万)までの区間で探したのですが、結果は以下でした。

  20,831,324 ~ 20,831,532 まで連続 209 の区間
  17,051,708 ~ 17,051,886      179
  15,203,978 ~ 15,204,130      153
  11,113,934 ~ 11,114,086      153
  4,652,354 ~  4,652,506      153

 3,000万まで探しても最長209ですから、1,000とか10,000とかの長さの空白区間はもっと遥かに大きい数でしか出現しないのでしょうね。


素数は無限に存在する

2019-01-12 07:17:52 | 数学
 おはようございます。

 冬だから当たり前ではありますが、ここ数日特に寒いですね。関東でも、明日の日曜日は雪かもとのこと。こんな日は「勉強日和」かもしれませんね。被害が出るような大雪にならないと良いのですが。


 さて今日も、このところはまっている数学の問題をご紹介します。


<問題>
 素数は無限に存在することを証明せよ。


 「素数」というのは、2、3、5、7、11・・・のように、「自分自身と1以外に約数を持たない(それ以外の数では割り切れない)数」のことですね。数が大きくなるほど、その数が何かで割り切れる可能性は高くなるでしょうから、素数が出現する頻度はどんどん下がっていきます。ですがそれでも、どんなに大きな数をもってきても、それより大きい素数が必ずある、というわけです。
 ちなみに、この記事を書いている時点で発見されている最大の素数はなんと2486万桁の数で、先月(2018年12月)発見されたもの。当時は最大だった 2325万桁の素数をそのまま記載した書籍もあるそうですよ。(「2017年最大の素数」虹色社 1,944円)



<解答>
 背理法で証明します。
 素数が有限だと仮定して、その最大の素数をP、2からPまでのすべての素数を掛け合わせ、それに1を足した数をQとする。
    Q=2×3×5×7×11×・・・×P+1  (A)
(1)Qが素数である場合
 明らかにQ>Pであるから、Pよりも大きい素数Qが存在することとなり、仮定に矛盾する。
(2)Qが素数でない場合
 素数でないとすれば、Qは2つ以上の素数の積で表せる(例えば Q=R×S のように)こととなる一方、(A)より、QはP以下のどんな素数で割っても1余る(=割り切れない)から、その積がQとなる2つ以上の素数(上記のRやS)は、いずれもPより大きくなければならない。従ってこの場合も、Pより大きい素数が存在することとなり、仮定に矛盾する。

(1)(2)より、Qが素数である・素数でないいずれの場合でも、Pが最大の素数であるという仮定に矛盾することから、素数が有限であるとの最初の仮定が誤りであり、素数は無限に存在することが示された。



 前回の問題もそうですが、こんなものに接すると私などは数学ってすごい、面白いと思ってしまいます。それがつまりは、数学が好き、ということなんでしょうね。


 大学院で履修している科目のレポートが2つも残っていて提出〆切まであと数日。数学などにかまけている場合ではない(汗)ので、この週末はそちらに取り組みます。そう言えば、今年度最後の漢検本試験ももう間もなくですね。受検される皆さんのご健闘をお祈りいたします。




すべての桁が「1」である整数の中に2019の倍数がある

2019-01-07 20:11:42 | 数学
 新年あけましておめでとうございます。


 更新がないのにいつも大勢の皆さんにご来訪いただき、ありがとうございます。私の近況はというとあまり変わりはなく、大学院(放送大学)の履修科目の勉強などをほそぼそと続けています。そんな中、最近のちょっとした「マイブーム」としては高校数学の問題を解くのが面白く、その手のユーチューブ画像などを眺めては懐かしんだり感心したりなどしています。(私は大学は文科系ですが数学が好きで、受験生時代はそれが得点源でした。)

 という訳で、突然ですが今日は「そんなふうに考えて解くのかぁ~~」と感じ入った問題のご紹介です。


<問題>
 11、111、11111などのように、すべての桁が「1」である整数の中に、2019の倍数があることを示せ。


 なんともとっかかりがないと言うか、一体何をどこから考えれば良いのかわからない問題ですね。(汗)
 どこまでわかりやすく書けるか心もとないですが、解答は以下です。



<解答>

 1÷2019の商はゼロ、余りは1
 11÷2019の商はゼロ、余りは11
 111÷2019の商はゼロ、余りは111
  ・  
  ・
  ・
 111・・・1111÷2019の商は□、余りは△

のように、「1」だけでできた異なる整数を2019で割る割り算を2020個考える。(A)

整数を2019で割った余りは0~2018の2019通りだから、(A)で考えた2020個の割り算の中に、同じ余りとなるもの(商は異なっても)が少なくとも1組存在する。その1組の割り算の商をそれぞれYとZ、余りをrとすると、

   11111・・・111=2019×Y+r  (B)
     11・・・111=2019×Z+r  (C)

と書くことができる。(B)の元の数の桁数をb、(C)の元の数の桁数をcとし、(B)-(C)を計算することにより、

     111・・・11000・・・00=2019(Y-Z)  (D)

を得る。(D)の左辺は一番上の桁から「1」が(b-c)個、「0」がc個並んだ整数であるから、

     111・・・11×10^c=2019(Y-Z)   (「10^c」は10のC乗)

と書くことができる。従って左辺は2019の倍数となるが、10と2019は互いに素(1以外の共通因数を持たない)であるから、この等式が成り立つためには「1」が(b-c)個並んだ整数である「111・・・11」が2019の倍数でなければならないこととなり、題意は示された。


 きちんと表現できているか心配ですが、こんな素晴らしい問題とその解答に出会うと、また数学が好きになりそうです。  ^^



 ではまた。