ふりしける ゆきかとみゆる つきなれど ぬれてさえたる ころもでぞなき
降りしける 雪かと見ゆる 月なれど ねれてさえたる 衣手ぞなき
降りしきる雪かと思われるほどの月の光であるけれども、濡れて寒々とした袖とはならない。
月の光を雪に見立てての詠歌。逆に雪を月の光と見た 065 と発送は同じですね。
今日は大晦日。貫之歌に毎日おつきあいをいただきまして、ありがとうございました。
明日からもどうぞよろしくお願いします。 m(_ _)m
ふりしける ゆきかとみゆる つきなれど ぬれてさえたる ころもでぞなき
降りしける 雪かと見ゆる 月なれど ねれてさえたる 衣手ぞなき
降りしきる雪かと思われるほどの月の光であるけれども、濡れて寒々とした袖とはならない。
月の光を雪に見立てての詠歌。逆に雪を月の光と見た 065 と発送は同じですね。
今日は大晦日。貫之歌に毎日おつきあいをいただきまして、ありがとうございました。
明日からもどうぞよろしくお願いします。 m(_ _)m
たなばたは いまやわかるる あまのがは かはぎりたちて ちどりなくなり
たなばたは いまや別るる 天の川 川霧立ちて 千鳥鳴くなり
織姫と彦星は今、別れて行くのか。天の川に川霧が立って、千鳥が鳴いている。
逢瀬を待ちわびる 257 と対をなす一首。
この歌は新古今和歌集(巻第四「秋下」 第327番)に入集しています。
秋
ひととせを まちつることも あるものを けふのくるるぞ ひさしかりける
一年を 待ちつることも あるものを 今日の暮るるぞ 久かりける
秋
一年間待った逢瀬の日がやってきたというのに、今日一日が暮れる時間のなんと長いことよ。
「一年を 待ちつる」とは、もちろん七夕のこと。織姫、彦星の気持ちになって詠んだ一首ですね。
夏
さつきくる みちもしらねど ほととぎす なくこゑのみぞ しるべなりける
五月くる 道も知らねど 時鳥 鳴く声のみぞ しるべなりける
夏
五月がどういう道を通ってやって来るのかわからない。時鳥の鳴く声だけがその訪れを知るたよりであったよ。
時鳥を五月のしるべとする類歌が 320 にも登場します。
ゆくつきひ おもほえねども ふぢのはな みればくれぬる はるぞしらるる
行く月日 思ほえねども 藤の花 見れば暮れぬる 春ぞ知らるる
過ぎ行く月日に気づかなかったけれども、藤の花を見ると春が暮れて行くのがおのずと知られることよ。
何かをきっかけに時の経過や季節の移ろいにはたと気づく、というのは現代人にもしばしばある感覚ですね ^^