漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

ご報告

2017-05-22 12:10:00 | 雑記
 まったくの私事で、ここに書くようなことでもないのですが・・・

 先月に母が、今月になって父が、相次いで亡くなりました。母は長らく臥せっていましたのである程度わかっていたことでもありましたが、父の方は本当に突然のことで、まだ実感がわかずにいます。

 まあ、立て続けだったということを別とすれば誰しもが通る道ですし、二人とも八十を超える年齢まで生きたのですから、天寿を全うしたと言うべきなのでしょう。

 そんなわけで、なかなか新しい記事を書く余裕もなく、ご来訪いただいている皆さんには、申し訳なく思っていますが、おいおい再開していきますので、引き続きお付き合い願えればと思っております。

 よろしくお願いいたします。


皇居東御苑

2017-05-07 08:05:59 | 雑記
 連休も今日でお仕舞。今年は遠出はしませんでしたが、その分たっぷりと時間があって、それはそれで有意義な休暇でした。

 そんな中、昨日は前々から一度行ってみたいと思っていた皇居東御苑に出かけてきました。



 こんな案内板にも趣を感じますね。




 桃華楽堂。200名収容の音楽堂です。



 天守台の石垣。


 天守台からの全景。こちらの方向に江戸城本丸御殿の建物が連なっていたとのこと。



 私は神社・仏閣や仏像も好きですし、京都御所にも出かけたことがあります。日本語としての漢字や言葉もそうですが、古くからの日本文化それ自体への関心が強いです。今後も折に触れてそうした世界を散策していきたいものです。 ^^




ホウロウ・ホウロク・ホウラク・ヨウラク

2017-05-05 08:52:40 | 雑記
 復習から少し遠ざかっているとすぐに混乱をきたす熟語です。長期記憶として定着しづらいものは、いつまでたっても定着しないですね。 ^^;;



1. ホウロウ 引きの陶磁器。

2. ホウロク 千に槌一つ。

3. きらびやかな ヨウラク に飾られた仏像。



1. 【琺琅】  (「漢検 漢字辞典」初版 P.1394/第二版 P.1408)
 金属器や陶磁器の表面に、さび止めや飾りとして焼き付ける釉(うわぐすり)。また、焼き付けたもの。 
 一般に漢字では表記されないのはともかくとして、なぜかひらがなでもなく、「ホーロー鍋」などと、カタカナ表記されることが多いですね。きっと、最初の頃に商品化したメーカーがカタカナ表記で売り出し、それがそのまま一般に定着したのでしょう。ひょっとして、外来語と思っている人も多い??
 ついでですが、「ホウロウ」の同音異義語で 【部婁】 なんてのもあります。「ホウロウ には松柏無し(狭苦しいこせこせしたところには大人物は育たないということのたとえ)」。故事・諺問題として押さえておきましょう。

2. 【焙烙】  (1393/1408)
 【焙烙】 は平たい素焼きの土鍋のこと。それが千個あっても金槌でひとたたきすればこっぱみじん。転じて、弱いものなど何人いても役に立たないとの意。「ホウロク」は 【炮烙】 とも書き、また、「ホウラク」とも読みます。14-3、19-2、21-1 で出題の過去問。

3. 【瓔珞】  (1521/1537)
 宝石を連ねて仏像の頭・首・胸などを飾るもの。23-1 の文章題で出題されていますね。



 連休も中日。きょうは何をしようかな。

【碁子麺】 【鼎沸】

2017-05-04 09:55:29 | 雑記
 連休二日目。仕事はカレンダー通りなのですごく長いお休みという訳でもないですが、それでも五連休ですね。実際休みに入る前は、普段なかなかできないあれもできるこれもできると思惑ばかりが先行しますが、いざ休みになってみると、そうそうあれもこれもはできないのが常。今年も御多分に漏れずという感じですが、それでも遅れている学習やら、運動不足解消を兼かねての近隣散歩やらと、それなりに有意義に過ごせているかな??


 さて今日は、自作資料を眺めていて目に留まった語の話題を二つほど。


【碁子麺】  きしめん  (「漢検 漢字辞典」初版 P.462/第二版 P.467)

 普段あまり漢字表記は見かけませんが、あの「きしめん」のこと。「辞典」の記載は 【碁子麺】 のみですが、【棊子麺】 とも書くようです。名古屋が有名ですが、「名古屋きしめん」には決められた規格があり、それに合致しないと「名古屋きしめん」とは表記できないとのこと。
 手元にある「全訳 漢辞海」と「新版 漢語林」には記載がありませんし、Wikipedia の「きしめん」の項にも漢字表記は記されていませんので、 【碁子麺】 と書くのはかなり稀なのかもしれません。青空文庫で検索しても、用例はみつかりませんでした。
 こうまでどこにも出て来ないと逆に由来が気になりますが、【碁子】 【棊子】 はいずれも碁石のこと。きしめんの原型は麺ではなく碁石の形をしていたからとのことですが、そもそも「きしめん」の由来自体諸説あるようですので、本当のところは良くわかりませんでした。
 漢検的に言うと、「碁」 を 「き」 と読むのは表外読みとして「漢検要覧」にも「辞典(初版、第二版とも)」 にも載っていますから、書き取りも含めて出題される可能性はありますね。



【鼎沸】  ていふつ  (1087/1097)

 「鼎(かなえ)の沸くが如し」ということで、「群衆が騒ぎ立てておさまりがつかなくなるたとえ」の意。こちらは検索すると、「山東諸州 鼎沸 し、官と賊と交々勝敗あり。」(幸田露伴 『運命』)など、実際の用例も出てきます。「辞典」 の見出し語ですからこの熟語自体を学習して頭に入れておくに越したことはありませんが、文章題として出されれば仮に熟語を知らなくても前後の文脈から推定で正解できる可能性もありそうです。単に個々の熟語を暗記しているかどうかではなく、生きた言葉を扱う力を問うという意味で、書き取り問題(特に文章題)は、できるだけそういう出題であってほしいですね。