漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

単漢字で送り仮名のない訓読み

2014-09-24 00:15:23 | 雑記
 きょうは「単漢字で送り仮名のない訓読み」を復習していました。ここは私が非常に弱い分野の一つで、前回 26-1 のときに対策として100ほど抜き出して自作問題集に加えたものです。
 そんな経緯(いきさつ)なので「記憶に定着」からはほど遠い状態なのはわかっていましたが、約3カ月ぶりにやってみると、正答率は6割程度と散々なでき。前回本試験から一度も復習していなかったので当然の結果とは言うものの、ふがいなくて心が折れそうになりますねぇ。(苦笑)

 多少は皆さんのご参考にもなるかもしれないので、抽出してある問題をすべてご紹介します。(念のため申し添えますが、「単漢字で送り仮名のない訓読み」は他にもまだまだあります。すべてを抽出し尽くしているわけではありませんので、その点ご了承ください。なお、末尾の数字は例によって「漢検 漢字辞典」初版の掲載ページです。)



1.       くるわ   (1316)
2.  鴿     どばと   (513)
3.       ポンド   (351)
4.       そえうま   (585)
5.       かささぎ   (663)
6.       ぬなわ   (716)
7.       みな   (896)
8.       こながき   (813)
9.       くま/おき   (42)
10.       きび   (778)
11.       かぎり   (363)
12.       つつみ   (1141)
13.       ひがい   (514)
14.       ひも   (88)
15.       たぼ   (1397)
16.       とび   (622)
17.       めどき   (617)
18.       ゆばり   (689)
19.       くぬぎ   (367)
20.       かも/けり   (1319)
21.       よもぎ   (505)
22.       もっこ/あじか   (281)
23.      つのさかずき   (505)
24.       おくみ/えり   (812)
25.       ひさぎ   (689)
26.       まこと   (1312)
27.       いしだたみ/しきがわら   (690)
28.       くわ   (1156)
29.       はしら   (85)
30.       のろ   (362)
31.       しもやしき   (723)
32.       しいな   (1266)
33.       さて   (651)
34.       そぎ   (1341)
35.       あしぶえ   (150)
36.       かや /ぬなわ   (1402)
37.       うちかけ/うちぎ   (392)
38.       ゆがけ   (165)
39.       おうご   (1567)
40.       あひる   (1414)
41.       えだ   (966)
42.       わたいれ   (1391)
43.       とび   (622)
44.       しとぎ   (613)
45.       かめ/もたい   (117)
46.       いとま   (506)
47.       ぬえ   (1480)
48.       もがさ   (1391)
49.       おこり   (296)
50.       ゆだめ   (398)
51.       ゆはず   (1277)
52.       はららご   (1274)
53.       つね   (40)
54.       えびら   (1333)
55.       くぐい/まと   (513)
56.       はまち   (1255)
57.       みみだま   (632)
58.       ひもろぎ   (1256)
59.       ひよどり   (1274)
60.       えだち   (1516)
61.       のど   (480)
62.       かたしろ   (591)
63.       まど   (1500)
64.       ひたき   (117)
65.       てぐるま   (1591)
66.       ふち   (1011)
67.       はな   (1207)
68.       まがき   (1255)
69.       もず   (404)
70.       いおり   (1594)
71.       わざおぎ   (739)
72.       わげ/みずら   (249)
73.       なお   (764)
74.       ひわ   (663)
75.       たいまつ   (313)
76.       おこぜ   (1148)
77.       あなぐら   (503)
78.       のど   (467)
79.       はじかみ   (747)
80.       とき/のがん   (1408)
81.       ゆぎ/うつぼ   (553)
82.       ひもろぎ   (912)
83.       かもじ   (1087)
84.       はいたか   (1521)
85.       たび   (282)
86.       あらき   (1414)
87.       くびかせ   (427)
88.       しぎ   (57)
89.       いぐるみ   (1522)
90.       おもがい/たづな   (282)
91.       はじかみ   (339)
92.       えんじゅ   (181)
93.       ふえ   (1483)
94.       こしき   (525)
95.       みさご   (205)
96.       ふみ   (565)
97.       もり   (1317)
98.       ポンド   (1396)
99.       きざはし   (1355)
100.       かわら   (902)
101.       むくげ/けば   (863)
102.       かんなぎ   (403)
103.       かしわ   (525)
104.       たれがみ   (1406)
105.       するめ   (90)
106.       はやぶさ   (528)
107.       もず   (402)
108.       えやみ   (129)
109.       つかさ   (163)
110.       けぬき   (773)


(画像で表示している漢字は、島根県立大学e漢字フォント  の漢字フォントを使用させていただきました。ありがとうございました。)


【偃】

2014-09-23 09:03:01 | 雑記
 きょうは 【偃】 という字について。

 四字熟語の 【突怒偃蹇】 は、人が怒り、またはおごり高ぶるさまといった意味ですが、【突怒】 はともかく、私が記憶している意味としては 【偃】 は「やめる/伏せる」ですし、 【蹇】 は「なやむ」でしたので、意味が合わないなと思って今更ながら改めて調べてみました。

 ところが、「漢検 漢字辞典」には、

【偃】  (P.97)
 1. ふせる。うつぶせになる。たおれる。  「偃臥」
 2. やめる。戦いをやめる。  「偃武」
 3. いこう。やすむ。  「偃息」

【蹇】  (P.431)
 1. あしなえ。足が自由に動かないこと。  「蹇歩」
 2. なやむ。苦しむ。  「屯蹇」
 3. とどこおる。とどまる。  「蹇滞」
 4. かたい。正直なさま。  「蹇諤」

とあって、

【偃蹇】 = 「高くそびえるさま/おごりたかぶるさま/世俗を超越していること」

にフィットする意味の記載がありません。

 そこで、次に「漢語林」を調べたところ、「辞典」にない意味として、

【偃】
高い。また、おごり高ぶる。
・かわや。便所。
・せき(堰)。また、せき止める。

【蹇】
・つよい。こわい。
おごる。たかぶる。
・まがる。いりくむ。
・にぶい馬。また、おろかな者。
・つまどる。かかげる。
・易の六十四卦の一つ。

といったものが記載されていました。つまり、【偃】【蹇】いずれにも「おごる。たかぶる。」という意味があるのですね。これでようやくすっきりしました。

 本試験も近いですし、こんなことを時間をかけて調べているよりそのまま覚えて他の問題をたくさんこなす方が試験対策としては良いのですが、やはり「調べる」という時間は楽しいですね。^^


e漢字

2014-09-21 08:04:52 | 雑記
 現在、私のPC画面の外気温表示は18°。すっかり秋ですね。勉強するには最適の季節です。


 さて、きょうは「e漢字」というサイトをご紹介します。インターネット上で使用できる漢字フォントのデータベースで、県立島根大学が作成・提供しているものです。すばらしいのは、その収録字数の多さ。サイトの「利用方法」ページから引用します。


このデータベースに収蔵されている漢字について
・大漢和辞典(㈱大修館書店発行)・・・・・・50305字
・康煕字典・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・49188字
・Unicode・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20902字
・新字源(㈱角川書店発行)・・・・・・・・・・・・・・・約9900字
・中華字海・・・・・・・・・・・・・・・約86000字


 一言で言ってしまえば、「ない漢字はない」ということでしょう。漢検1級の範囲の漢字も、もちろんすべて収録されていることになります。このブログでも、機種依存文字を表示したいときなど、時折利用させていただいています。使いたい場合には部首や総画数などから検索し、目的の漢字をダウンロードして使うことになります。欲を言えば、通常の音訓で検索できるとさらに便利だと思いますが、それはないものねだりというものでしょう。このデータベースの構築にどれほどの時間と労力がかかったかを想像すると、気が遠くなります。大変な偉業ですね。


 なお、ホームページなどで使用する場合には、
・「島根県立大学e漢字フォント」であることを記すこと。
・その際、リンク用バナーを使用すること。
が求められています。表示例が示されていて、
このページでは、島根県立大学e漢字フォントの漢字フォントを使用しました。

といった表示をしてくださいとのことですので、使用される際はご留意ください。

覚えられね~~

2014-09-20 12:29:30 | 熟字訓・当て字
 当たり前ですが、勉強の密度が低下すると、もともと紛らわしくて覚えづらかったものの記憶があっと言う間に曖昧になりますね。特に熟字訓はその傾向が顕著です。本試験までにしっかり復習せねば・・・


【梅桃】   ゆすらうめ   (「漢検 漢字辞典」初版 P.1219)
【山桜桃】  ゆすらうめ   (P.579)
【桜桃】   さくらんぼう  (P.113)

 【山桜桃】 の項に 「【梅桃】【英桃】とも書く」とありますが、 【英桃】 の方は「英」の項には載っていませんね。もちろん索引にもありません。【桜桃(さくらんぼう)】 に「山」がつくと 【山桜桃(ゆすらうめ)】。理由を考えても仕方がありませんので、とにかくそう覚えるしかないですね。
 【桜桃】 は「さくらんぼう」。「さくらんぼ」じゃダメなんでしょうか。「辞典」には意味説明の最後に「さくらんぼ」とありますが、読みとしては「さくらんぼう」しか出ていないので、「う」をつけて覚えておいた方が無難ですね。



【胡枝子】   はぎ   (P.451)
【胡枝花】   はぎ   (P.451)
【胡蝶花】   しゃが  (P.451)

 これは私にとって覚えづらいものの代表格。「えだはぎちょうしゃが」などと唱えて覚えようとしてみたりもしましたが、どうも定着しません。と、ここに書いたのでもう大丈夫でしょう。(ホントか?? (笑))
 【胡蝶花(しゃが)】 は 【著莪】 【射干】 とも書きますが、【射干】 の方は熟字訓では「ひおうぎ」。ところが「しゃが」と「ひおうぎ」は同じアヤメ科ではあるものの、別の植物のようです。なんという紛らわしさ。一方で 【射干(ひおうぎ)】 の黒い種のことなので「ぬばたま」を 【射干玉】 と書くのは、熟字訓には珍しく(?)論理的ですね。【海鼠(なまこ)】 のはらわたのことだから「このわた」を 【海鼠腸】 と書くがごとし、というところ。



【胡菫菜】   えぞすみれ  (P.450)
【菫菜】    つぼすみれ  (P.357)

 これはお手上げ。今書いていて思いつきましたが、「つぼ」は細いから2文字で、「えぞ(=北海道)」は広いから3文字。これでいけるかな??


 残り1ヶ月。皆さんがんばりましょう!

「維持」のための勉強が大切

2014-09-15 21:11:48 | 雑記
 きのう、きょうは久しぶりに少しまとまった時間を漢字の学習に費やすことができました。やっていることは既往のはずの知識の復習ばかりなのですが、やはり遠ざかっていると、本当には定着していなかったものの記憶が曖昧になってしまいますね。得点をのばすためには自分にとっての新しい知識の積み上げが必要なのはもちろんですが、その前提として、これまで積み重ねたものを維持するための勉強が大切だということを、あらためて実感しています。もう20代の頃とは違うのですから(当たり前ですが)、自分の頭、記憶力を過信してはいけませんね。

 きょう、実際にあやふやになってしまったものに、四字熟語に出てくる 【媚】 と 【眉】 があります。意味を普通に理解していれば混同するはずもないのですが、どうもダメですねぇ。。。



【媚眼秋波】  びがんしゅうは   (「漢検 四字熟語辞典」初版 P.398)


【眉目秀麗(清秀)】  びもくしゅうれい(せいしゅう)  (P.402)


【風光明媚】  ふうこうめいび   (P.412)


【尨眉皓髪】  ぼうびこうはつ   (P.435)


【妖姿媚態】  ようしびたい   (P.460)


 こうして並べて見ると間違えるはずもないと思えるのですが、実際の設問としてどれか一つだけ見せられると、途端に曖昧になります。つまり、本当にはちゃんと覚えていないということですね。まだまだです。



 ついでに、 【眉】 は2級配当漢字(平成22年の改定で新たに常用漢字に組み入れ)ですが、要注意と思われる熟字訓や熟語がいくつもありますので、紹介しておきましょう。(「漢検 漢字辞典」初版 P.1277)


<熟字訓>

【眉児豆】  いんげんまめ

【眉尖刀】  なぎなた

【眉庇】   まびさし

 いずれも「辞典」の見出しと索引の両方にある熟字訓ですが、少なくとも平成15年以降には出題されたことがありません。新出問題候補でしょう。



<熟語>

【眉宇】  びう
 まゆ。まゆのあたり。
 16-1 の文章題で出題されています。意味は「まんま」ですが、「ビウ」と書き取りで問われるとなかなかやっかいですね。

【眉雪】  びせつ
 雪のように白いまゆ毛。転じて、老人の形容。
 「形容」であって「類義語」とまでは言えなさそうですが、一応「老人≒眉雪」と覚えておきたいと思います。