漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

国立歴史民俗博物館

2015-11-29 20:25:38 | 雑記
 久しぶりに漢字以外の話題です。

 きょう、千葉県佐倉市にある、国立歴史民俗博物館(通称「歴博」)に行ってきました。




 常設展は ↓ こんな感じ。



 古代~現代までの歴史に加え、さまざまな民俗的な観点からの時の移り変わりもわかりやすく展示されています。歴史系総合誌「歴博」の隔月刊行なども行われており、大学などの教育研究機関での研究の進行とシンクロした、「生きた博物館」というイメージのところです。歴史好きの方には「たまらない」場所ではないでしょうか。

 お近くでご興味のある方は、ぜひ一度おでかけください。

27-2 正式結果

2015-11-28 13:08:18 | 本試験
 私のところは、きょうは久しぶりに気持ち良く晴れて秋空が広がっています。ただ気温は低くて寒いですね。冬がもうすぐそこという感じです。

 さて、さきほど 27-2 の正式結果が届きました。自己採点の166点に対して結果は168点と2点のプラス。ただくい違いは3か所あって、いまひとつ得心のいかない結果でした。


(四) 語選択・書き取り
3. 武勇の評判  ぎょうめい  【驍名】
 自信満々でしたが結果は×。何をどう間違えたのか思い当たるところもなく、謎の誤答です。


(五) 四字熟語
7. 三世(いっさん)  【一爨】
 こちらは逆に謎の正答です。【爨】の字体を正確に思い出せず、なかほどにある「ワかんむり」の部分を「ワ」ではなく「大」のように書いてしまったので誤答のはずなのですが、なぜか○。念のため手持ちの辞書を「大漢和」も含めて調べて見ましたが異体字や許容字体などもなく、採点間違いとしか思えないのですが、もちろん真相はわかりません。


(八) 対義語・類義語
2. 諠囂  ⇔  【闃寂】
 振り返りの記事に書いたとおり、【闃】 の最後の「、」を書かなかった気がしていたのですが、正答とされていますので、きちんと書いていたのでしょう。良かったです。


 全受検者の平均は 107.9 点と、前回の108.0点とほぼ変わらず。かなり易しく感じたのですが、実際のところはそうでもなかったようです。合格率は協会から発表されるまでわかりませんが、前回(10.2%)に続いて2桁になるのでしょうか。

 次回 27-3 まではもうあと70日ほど。できる準備をしっかりとして臨みたいところです。
 皆さん、頑張りましょう!

ご多分に漏れず

2015-11-24 00:01:15 | 雑記
 昼間にアップした「【四照花】 と 【十大功労】 を発見」の記事 を自分で読み返していて、「ご多分に漏れず」というフレーズが気に留まりました。記事を書いていたときはまったく無意識だったのですが、これって「ご多分」で正しいのか? 「ご多聞」か「ご他聞」じゃないのか? と思い立ち、調べてみました。


 疑問に感じたのは、「ご多分」では意味が良く通らないように思ったからなのですが、結論から言うとこれは「ご多分」で正しいようです。「漢検 漢字辞典」(初版 P.964/第二版 P.971)から引用します。

【多分】
1. 数量や程度が多いこと。たくさん。 「- の寄付」
2. おそらく。  「- 間に合うだろう」
3. たくさんの例。  「ご - にもれず」

 「『多分』で合ってるのか?」との私の疑問は、上記の「3」の意味を理解していなかったことが原因でした。自分が無知だっただけのことですが、こんなありふれた熟語でも新しい発見があるということで、やっぱり言葉の世界は深いです。


 そんなわけで、同音異義語問題が一つできました。

   タブン を憚る。     【他聞】
   ご タブン に漏れず。   【多分】

【他】は8級、【聞】【多】【分】は9級配当の漢字ですが、【他聞】が熟語としては相応に難しいですから、問題レベルとしては2級くらいでしょうか?


【四照花】 と 【十大功労】 を発見

2015-11-23 12:58:14 | 熟字訓・当て字
 表題の2つの熟字訓、読めますでしょうか。


【四照花】  (「漢検 漢字辞典」初版 P.596/第二版 P.601)
 やまぼうし
 ミズキ科の落葉高木


【十大功労】 (P.694/P.700)
 ひいらぎなんてん
 メギ科の常緑低木


 どちらも「漢検 漢字辞典」の見出し語。巻末の「熟字訓・当て字索引」にもある語ですから押さえておきたい熟語ですが、漢字は読めても実際にそれがどんなものなのか知らない、というのが植物名の熟字訓にありがちなこと。ご多分に漏れず、私にとってはこの2つもそれに属するものでしたが、さきほど外出しようと自宅の玄関を出てびっくり。私の自宅の前には、隣のマンションの植え込みがあるのですが、そこにこの2つの植物が、ネームプレート付きで植えられていました。

  

  

 「やまぼうし」が落葉高木であることも、「ひいらぎなんてん」が常緑低木であることも一目瞭然。まさに百聞は一見に如かずですね。自宅の目の前にこのマンションが建ってからゆうに10年は過ぎてますが、漢検を通じてその名を学習した植物の実物がこんな身近にあったとは・・・。「木を見て森を見ず」とでも言いますか、いかに実態を伴わない表面的な勉強をしてきたかの証左ですね。(汗)


同音異義語を少々

2015-11-21 19:06:15 | 演習問題
 昨日まで、久しぶりの出張でした。用向きが多くてくたくたになりました(泣)が、今日からは3連休。疲れを癒やしつつ、漢字の学習にも勤しみたいところです。

 きょうは学習していて同音異義の熟語がいくつか目につきましたので、少しですがご紹介します。演習問題としてどうぞ。



<問題>

1.   ケイケン な兵士を集める。
2.   ケイケン な信者。

3.   センジョウ の嘆。
4.   口出しするとは センジョウ の沙汰だ。

5.   天涯 ヒリン の若し。
6.   一日見ざれば ヒリン 生ず。

7.   シチョウ の鼓吹。
8.   シチョウ 別離。
9.   シチョウ 群せず。

10.   カイタイ もおそろかにしてはならぬ。
11.   公金を カイタイ する不祥事が発生した。

12.   オウメイ して悠々自適の生活だ。
13.   鳥たちの オウメイ が聞こえる。

14.   ものの ケンチ を論ずる。
15.   ケンチ 相和す。

16.   秋晴れの日、気持ちの良い ショウカン が広がる。
17.   人里離れた ショウカン の地で余生を送る。

18.   イッカン の風月。
19.   イッカン の終わり。

20.   高僧の フウジュ の声が堂内に響く。
21.   フウジュ の嘆。



<解答>

 かっこ内の数字は、「漢検 漢字辞典」初版/第二版 の掲載ページです。

1.   【勁健】   (386/389)
2.   【敬虔】   (392/395)

3.   【川上】   (886/894)
 孔子が川の流れに万物の絶えない変化を思い、「逝く者は斯くの如きかな」と嘆いたとの故事から。
4.   【僭上】   (898/906)

5.   【比隣】   (-/-)
6.   【鄙吝】   (1273/1286)
 【飛輪(太陽のこと)】 なんて熟語もあります。

7.   【詩腸】   (618/623)
 【詩腸】 とは、詩を作る情。【繡腸(文才や歌才などに恵まれていること。)】 という熟語もありますが、これらの場合の 【腸】 は「こころ」「精神」の意ですね。【断腸の思い】も然り。
8.   【四鳥】   (595/601)
 これも孔子に由来する言葉です。
9.   【鷙鳥】   (622/628)

10.   【芥蔕】   (169/172)
11.   【拐帯】   (171/173)
 【壊頽】【解体】【懐胎】【戒体】【海退】【改替】など、「かいたい」はたくさんありますね。

12.   【鷗盟】   (117/119)
13.   【嚶鳴】   (117/118)

14.   【軒輊】   (420/424)
15.   【壎篪】   (-/-)
 【軒輊】 は、読み問題でも語選択・書き取り問題でも複数回出題されている頻出語。【壎篪】 は、読み問題で要注意かもしれません。

16.   【霄漢】   (756/763)
17.   【敞閑】   (747/754)
 自分で作ったのですが、問題文が良くありませんね。(苦笑) 実際に出題されるとしたら「(二)書き取り」より「(四)語選択・書き取り」問題でしょうか。

18.   【一竿】   (-/-)
19.   【一巻】   (49/49)

20.   【諷誦】   (1328/1341)
21.   【風樹】   (1326/1340)
 【諷誦】 は「読経」の類義語として、25-1 で出題されました。



 いかがだったでしょうか。こうして問題を作成するのは、やっぱり勉強になりますね。