漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

なんとか一巡

2017-09-24 21:28:14 | 故事・成語・諺
 10/15 の本試験まで、ちょうど3週間になりました。皆さん、準備は順調でしょうか。私はと言えば、いろいろあってなかなか思うように進捗していないのは相変わらずなのですが、この週末はたまたま二日とも予定がなくなり、久しぶりにまとまった時間を学習にあてる結果になりました。

 ということで、まだかなり残っていた手元の問題の復習を一巡させることができました。総問題数約 11,500 問で誤答率 3.9 %。少ないと言えば少ないかもしれませんし、すべて自分にとっての既往問題ですから、多いと言えば多いですね。そもそも 11,500 という問題数自体、何年もリピーターを名乗っているにしては少ないように思いますので、そういう意味ではもう一段正答率を上げたいところです。

 何はともあれ、ほとんど何もできずに臨んだ前回に比べれば、とにかく一通りおさらいすることができて良かったです。残り期間、間違えた問題の再復習を中心に準備を続けたいと思っています。

 さて、今日はその中から、私が今回間違えた「故事・成語・諺」の問題をアップします。10回以上も合格しておいて今頃こんなものを間違えるのか、と思われそうなものも多いので少し恥ずかしい(笑)のと、おそらくほとんどはすでに拙ブログでご紹介したことのあるものばかりだと思いますが、皆さんの参考になるものが少しでもあれば幸いです。



1.  漏甕を奉じて ショウフ に沃ぐ。
2.  セッキ 骨を銷す。
3.  リリョウ 頷下の珠。
4.  トウロウ 其の臂を怒らして以て車轍に当たる。
5.  ヒチョ を失う。

1.  【焦釜】
2.  【積毀】
3.  【驪竜】
4.  【蟷螂/螳螂】
5.  【匕箸】

6.  ロザン の真面目。
7.  猫に マタタビ
8.  沢を竭くして ソウ を焚く。
9.  千金の弩を以て カイヨウ を射る。
10.  ハッコウ 日を貫く。

6.  【廬山】
7.  【木天蓼】
8.  【藪】
9.  【潰癰】
10.  【白虹】

11.  ケンロ の技。
12.  サライ の食(し)。
13.  トウコ の筆。
14.  朝に コウガン ありて夕べに白骨となる。
15.  ビンシ 茶烟(さえん)の感。

11.  【黔驢】
12.  【嗟来】
13.  【董狐】
14.  【紅顔】
15.  【鬢糸】

16.  ジジョウ の心は礼の端なり。
17.  ヒリ の陽秋。
18.  バンジャク の安き。
19.  ユウカン に生じて安楽に死す。
20.  フクテツ を踏む。

16.  【辞譲】
17.  【皮裏】
18.  【磐石/盤石】
19.  【憂患】
20.  【覆轍】

21.  政は ホロ のごとし。
22.  ショウラ の契り。
23.  エンジャク 安んぞ鴻鵠の志を知らんや。
24.  コキュウ の戒め。
25.  巧言 コウ の如し、顔之厚し。

21.  【蒲盧】
22.  【松蘿】
23.  【燕雀】
24.  【狐丘】
25.  【簧】

26.  キンラン の契り。
27.  カンピョウ の一斑。
28.  位高く金多ければ親戚も イク す。
29.  サイイ 以て親を娯しましむ。
30.  ケンチ 相和す。

26.  【金蘭】
27.  【管豹】
28.  【畏懼】
29.  【綵衣】
30.  【壎篪】

31.  禍は カイダ に生ず。
32.  群議 セイセン に付く。
33.  韓盧を馳せて ケント を逐う。
34.  朽木は るべからず。
35.  ラッキョウ 食うて口を拭う。

31.  【懈惰】
32.  【腥羶】
33.  【蹇兎】
34.  【雕】
35.  【薤/辣韮】

36.  バンショク の争い。
37.  シチョウ の鼓吹。
38.  千雀万鳩 ヨウ と仇を為す。
39.  シンコツ を百齢に舎(す)つ。
40.  ボウヨウ の嘆。

36.  【蛮触】
37.  【詩腸】
38.  【鷂】
39.  【簪笏】
40.  【亡羊】

41.  ブンイン を惜しむ。
42.  リョウショウ の志。
43.  リョオウ の枕。
44.  トシャ は藿(かく)を羹にす。
45.  カンジャク 噪ぎて行人至る。

41.  【分陰】
42.  【凌霄】
43.  【呂翁】
44.  【屠者】
45.  【乾鵲】

46.  牛を トウリン の野に放つ。

46.  【桃林】

同音異義語 ~故事・諺問題~

2014-10-20 00:02:25 | 故事・成語・諺
 きょうは故事・成語の問題を復習していました。改めて手元の問題を一通り見ていると、同音異義語が結構含まれているなぁと思ったので、目についたものをざっと集めてみました。


1.【糯米と年寄は セッキ に果てる】
2.【セッキ 骨を銷す】

3.【シチョウ 群せず】
4.【シチョウ の別れ】

5.【リカ 一枝春雨を帯ぶ】
6.【リカ に冠を正さず】

7.【セキシン を負う】
8.【セキシン の嘆】

9.【ケンロ を避く】
10.【ケンロ の技】

11.【テップ 城を傾く】
12.【テップ の急】

13.【王臣 ケンケン 躬の故にあらず】
14.【ケンケン 塞がざれば終に江河となる】

15.【サイカン の松柏】
16.【サイカン を揮う】
17.【サイカン 本種なし悪事を以て種とす】



<解答>

1.節季
2.積毀

3.鷙鳥
4.四鳥

5.梨花
6.李下

7.析薪
8.積薪

9.賢路
10.黔驢

11.哲婦
12.轍鮒

13.蹇蹇
14.涓涓

15.歳寒
16.彩管
17.災患


 (九)の故事・諺問題としてはもちろんですが、9・10あたりは(二)の同音異義問題としても出てもおかしくなさそうですね。





ろくなもんじゃねぇ~ ♪

2014-10-05 09:40:48 | 故事・成語・諺
 ずいぶん更新をご無沙汰してしまいました。にもかかわらず毎日多くの皆さんにご来訪いただきまして、ありがとうございます。勉強は相変わらず細々と、という感じですが、無理せずできることをやって本試験を迎えたいと思います。

 さて、例によってなかなか自分の記憶に定着しない問題を。


抜き足して来る人に ロク な者なし


 正解は 【碌】  (【陸】 でもOK。)
 どうもこの 【碌】 と 【禄】 の区別が自分的に曖昧で、上記の問題もつい 【禄】 と答えてしまいます。


【碌】   (「漢検 漢字辞典」初版 P.1607)
音 : ロク
訓 : -
意味: 1.小石がごろごろと多いさま。  2.役に立たないさま。
 【碌でなし】
 【碌に~ない】
 【碌碌】
 【耄碌】

【禄】   (P.1607)
音 : ロク
訓 : さいわ・い
意味: 1.さいわい。天からの贈り物。  2.扶持。役人の給料。
 【天禄】
 【禄高】
 【俸禄】


まあ似てるっちゃ似てますかね。
上の方は 【陸】 の方で覚えておけば混乱しないかな。

きょうは朝からあいにくの雨。勉強日和、かな。(笑)

【狐】 と 【孤】

2014-06-01 21:04:28 | 故事・成語・諺
 26-1 に向けて、前回 25-3 以降に新しく学習したものの復習をしていますが、自分にとって新しい知識なので、やはり記憶への定着率は悪いですね。つい「若い頃ならばすぐに覚えられたのになぁ・・」などとグチりたくなってしまいます。(笑)

 さて、そんな事項の中に、【狐】 や 【孤】 が含まれている故事・成語がいくつもあったので、ご紹介します。【狐】 と 【孤】 、字形は似ていますが意味が全然違うので紛らわしいなんてことはなさそうなものですが、個人的には必ずしもそうでもなくて、結構どっちを書くのか分からなくなったりします。意味や、背景の故事をきちんと理解していればそんなことはないんでしょうけれど・・・(汗)

 かっこ内は、いつもの通り「漢検 漢字辞典」初版の掲載ページです。


 【董狐の筆】  とうこのふで  (1141)
 権勢に屈せず、ありのままに歴史を記すこと。なかなか良い言葉だと感じていますが、【董狐】 は人名なので出題はされにくいでしょうね。

 【狐丘の戒め】  こきゅうのいましめ  (450)
 人は、地位や収入が高くなればそれだけ他人から恨みをかうので身を慎むようにという戒め。間違えて 【孤】 と書いてしまいそうになる筆頭格ですが、【狐丘】 は地名のようなのでこれも本試験には出ないかな。

 【六尺の孤】  りくせきのこ  (1605)  
 君主の父を亡くした幼君。「六尺」は年齢説と身長説があるとのこと。 

 【孤掌鳴らし難し】  こしょうならしがたし  (447)   
 人間は一人では何事も成すことはできないたとえ。

 【鶏群の孤鶴】  けいぐんのこかく  (400)
多くの凡人の中に一人だけとびぬけてすぐれた者がいること。「辞典」の見出しは「鶏群の一鶴」ですが、「参考」として「『一鶴』は『孤鶴』ともいう」とあります。

 【孤注一擲】  こちゅういってき  (447)
 運命をかけてのるかそるかの大勝負をすること。【乾坤一擲】 の類義語。故事・成語と言うより四字熟語ですね。ただし、「漢検 四字熟語辞典」には載っていません。



 ついで(と言ってはなんですが)に、同じく 【狐】 または 【孤】 を含む1級四字熟語です。こちらのかっこ内は「漢検 四字熟語辞典」初版の掲載ページです。

【狐疑逡巡】  (202)
【狐裘羔袖】  (202)
【晏嬰狐裘】  (65)
【篝火狐鳴】  (187)
【狐裘蒙戎】  (203)

 3つが 【狐裘】 で残りの2つは【狐】を含まない方の2字が書かされるでしょうから、結局四字熟語で 【狐】 を書くのは 【狐裘】 を問われたときだけですね。


【狷介孤高】  (179)
【孤独矜寡】  (210)
【独学孤陋】  (364)
【鰥寡孤独】  (133)
【孤陋寡聞】  (212)
【孤影悄然】  (201)
【風岸孤峭】  (411)

 「ころう」 を 【固陋】 ではなく 【孤陋】 と書く2つが要注意でしょうか。 最後の 【風岸孤峭】 も、四字熟語で問われる 「こしょう」 には 【孤峭】 【虎嘯】 【壺漿】 と3種類ありますから、意味を踏まえてきちんと書き分けたいですね。


【禿筆を呵する】

2014-03-14 19:20:08 | 故事・成語・諺
 寒い日と暖かい日が行ったり来たりですが、着実に春が近づいて来ていますね。南の方から桜の便りが聞こえてくるのも、もう間もなくでしょうか。



 さて、ここ数日、最近(昨年度及び今年度)の過去問を眺めています。過去問の大切さはかねてから痛感しており、何度も見直しているのですが、それでも見る度にまた新しい気づきがあります。きょうは 【禿筆を呵する】 について。


 これは 24-2 で、 【禿筆をする】 の形で、故事・成語・諺の問題として出題されました。この回は私は受検していないのですが、これ以外にも 【キケンを被って稚児を威す】 (正解は「鬼臉」)、【君はの如く、民は水の如し】 (正解は「盂」) など故事・成語・諺は難問揃いで、合格者の平均でも20点満点中11.7点という恐ろしい回だったようです。

 で、24-2 をやってみた時、もちろん私もこの問題はできなかったですし、そもそも何をどうやって勉強していたら正解できたのかもわからなかったのですが、今回改めて調べていて、「漢検 漢字辞典」の 【呵】 の項(P.142)に小さい字で 【呵筆】 が掲載されているのに気づきました。「辞典」特有(?)の記載の仕方で、読みも意味も書かれていないのですが、「漢語林」を調べたところ


【呵筆】
 息を吹きかけて筆をあたためる。寒い時に詩文の下書きをすること。転じて、詩文に力を用いること。


とありました。まあ、24-2を見る前にここまで調べていたとしても、それでこの問題が正解できたかどうかはかなり怪しいですが、それでもやはり「辞典」の中に何のヒントもないような問題はほとんどないのだな、と改めて思いました。「辞典」を渉猟し尽くして、こんな問題もその場の連想や類推で正解できるようにいつかなりたいものです。