またまたご無沙汰しております。
それにしても、今年の夏は暑いですね。私は内勤なので、普段屋外にいるのは朝夕の通勤時だけなのですが、それでも「もういぃっ!」という感じです。外回りの営業職の方などは本当に大変だと思います。熱中症には十分注意してくださいね。
さて今日は、一つ前の記事へのコメントで、熟字訓・当て字の覚え方についてご質問をいただきましたので、久々の「漢検ネタ」として、私なりのやり方を少し整理して書いてみたいと思います。
<繰り返し練習する>
いきなり身も蓋もないことを書きますが、基本的に「理屈で理解する」ということが通用しない分野ですので、覚えるべきものを一覧表にするなどして、とにかく何度も何度も繰り返し練習して暗記し、その記憶の定着を図るという地道な作業から逃れることはできません。
ちなみに私は、「漢検 漢字辞典」巻末の索引に記載されているものを中心に、約1,800語をエクセルに入力し、一時は暇さえあればそれに取り組んでいました。(そもそも、熟字訓・当て字が好きだったということもあります。) それでもなかなか完璧に覚えるというのは難しいもので、ピーク時でも3%程度の誤答率がありました。紛らわしいものが多いので、覚えたつもりになっていても、またしばらくしてやると忘れている、ということの繰り返しですね。
<過去問は完璧にしておく>
ここ2回は問題を見ていないので傾向の変化があるかもしれませんが、熟字訓・当て字に限らず、漢検1級合格のためにもっとも大切な対策は、過去問を落とさないということです。この設問に関して言えば、かつては出題10問中、過去問そのままの問題が7~9問を占めていました。ここのところの難化でこの数は減少傾向にあるとは言え、逆に、過去問を落とすようでは、合格はおぼつかないと思います。ちなみに、これまでの過去問をすべて学習したとして、その数は約300語。おおまかな「出題範囲」と思われる「漢検 漢字辞典」巻末索引収録語1,800に対して六分の一の分量です。今後も5問程度は過去問から出ると仮定すれば、学習効率からしても、まずは過去問の制覇に取り組むべきでしょう。
<自分なりの暗記法・勉強法をあみだす>
ここまでは「覚え方」というより勉強のスタンスというお話しでしたが、では、あのややこしい個々の語の読みをどうやって覚えるのか。余り普遍的な方法などはないのですが、私はこんなことをしていた、というのをいくつかご紹介します。
(法則を見つける)
一例として、【海鼠】という2文字を含んだ次のような熟字訓があります。
【乾海鼠】【海鼠子】【金海鼠】【熬海鼠】
読みは順に、【ほしこ】【このこ】【きんこ】【いりこ】。これらを眺めていると、【海鼠】の2文字を【こ】と読むと考えればこの4つは読めるということに気づきます。正しい意味で【海鼠】に【こ】との音があるのかどうかは別として、たとえこじつけであってもこうしたことに自分で気づくと、それが記憶の定着に役立ちます。
(理屈でわかるものを押さえる)
冒頭に、理屈ではわからないからとにかく暗記と書きましたが、数は少ないですが例外的に理屈でわかるものがあります。これはぜひ押さえておきたい。
【海鼠腸】 このわた
さきほど登場した【海鼠】、これ単独では【なまこ】ですね。「このわた」というのは、ナマコのはらわたを塩漬けにした食品ですから、まさに海鼠の腸。そのまんまですね。【海鼠】を【こ】と読む、という作戦と併せて考えると、さらに覚えやすいと思います。
【高襟】 ハイカラ
高い(=ハイ)襟(カラー)だからハイカラ。そのまんまです。
【豆腐皮】 ゆば
豆腐の皮だからゆば。これもそのまんま。
【微温湯】 ぬるまゆ
説明不要ですね。
(まとめて覚える)
例えば、
【紅娘】 てんとうむし
【瓢虫】 てんとうむし
【偽瓢虫】 てんとうむしだまし
上の2つを覚えたら、ついでに3つめ目も。「てんとうむし」を覚えたら、それの偽物で「てんとうむしだまし」ですから、これも「そのまんま族」の一つかもしれませんね。
何でまとめるかはその時その時の思いつきで何でも良くて、【白】で始まる(20個以上あります)、【蛇】を含む(こちらは10個くらい)、漢字四文字以上(40個くらい)、などなど、その場の気分で遊びながらやっていました。
・・・などなど、書いていくと切りがないですが、やっぱり好きこそものの上手なれ。私が熟字訓・当て字分野がそもそも好きなので、飽きもせずいろいろやっていたというのが本当のところですね。ただ、合格戦略という観点で言うなら、熟字訓・当て字はどんなに時間と手間暇をかけて完璧に準備しても最大で10点。過去問300問を覚えるだけで5~6点取れるのだとしたら、残りの4点を追いかけるよりも、その時間と手間を別の分野に傾けた方が良いかもしれません。
長々と書きましたが、わずかでも皆さんの参考になれば幸いです。
それにしても、今年の夏は暑いですね。私は内勤なので、普段屋外にいるのは朝夕の通勤時だけなのですが、それでも「もういぃっ!」という感じです。外回りの営業職の方などは本当に大変だと思います。熱中症には十分注意してくださいね。
さて今日は、一つ前の記事へのコメントで、熟字訓・当て字の覚え方についてご質問をいただきましたので、久々の「漢検ネタ」として、私なりのやり方を少し整理して書いてみたいと思います。
<繰り返し練習する>
いきなり身も蓋もないことを書きますが、基本的に「理屈で理解する」ということが通用しない分野ですので、覚えるべきものを一覧表にするなどして、とにかく何度も何度も繰り返し練習して暗記し、その記憶の定着を図るという地道な作業から逃れることはできません。
ちなみに私は、「漢検 漢字辞典」巻末の索引に記載されているものを中心に、約1,800語をエクセルに入力し、一時は暇さえあればそれに取り組んでいました。(そもそも、熟字訓・当て字が好きだったということもあります。) それでもなかなか完璧に覚えるというのは難しいもので、ピーク時でも3%程度の誤答率がありました。紛らわしいものが多いので、覚えたつもりになっていても、またしばらくしてやると忘れている、ということの繰り返しですね。
<過去問は完璧にしておく>
ここ2回は問題を見ていないので傾向の変化があるかもしれませんが、熟字訓・当て字に限らず、漢検1級合格のためにもっとも大切な対策は、過去問を落とさないということです。この設問に関して言えば、かつては出題10問中、過去問そのままの問題が7~9問を占めていました。ここのところの難化でこの数は減少傾向にあるとは言え、逆に、過去問を落とすようでは、合格はおぼつかないと思います。ちなみに、これまでの過去問をすべて学習したとして、その数は約300語。おおまかな「出題範囲」と思われる「漢検 漢字辞典」巻末索引収録語1,800に対して六分の一の分量です。今後も5問程度は過去問から出ると仮定すれば、学習効率からしても、まずは過去問の制覇に取り組むべきでしょう。
<自分なりの暗記法・勉強法をあみだす>
ここまでは「覚え方」というより勉強のスタンスというお話しでしたが、では、あのややこしい個々の語の読みをどうやって覚えるのか。余り普遍的な方法などはないのですが、私はこんなことをしていた、というのをいくつかご紹介します。
(法則を見つける)
一例として、【海鼠】という2文字を含んだ次のような熟字訓があります。
【乾海鼠】【海鼠子】【金海鼠】【熬海鼠】
読みは順に、【ほしこ】【このこ】【きんこ】【いりこ】。これらを眺めていると、【海鼠】の2文字を【こ】と読むと考えればこの4つは読めるということに気づきます。正しい意味で【海鼠】に【こ】との音があるのかどうかは別として、たとえこじつけであってもこうしたことに自分で気づくと、それが記憶の定着に役立ちます。
(理屈でわかるものを押さえる)
冒頭に、理屈ではわからないからとにかく暗記と書きましたが、数は少ないですが例外的に理屈でわかるものがあります。これはぜひ押さえておきたい。
【海鼠腸】 このわた
さきほど登場した【海鼠】、これ単独では【なまこ】ですね。「このわた」というのは、ナマコのはらわたを塩漬けにした食品ですから、まさに海鼠の腸。そのまんまですね。【海鼠】を【こ】と読む、という作戦と併せて考えると、さらに覚えやすいと思います。
【高襟】 ハイカラ
高い(=ハイ)襟(カラー)だからハイカラ。そのまんまです。
【豆腐皮】 ゆば
豆腐の皮だからゆば。これもそのまんま。
【微温湯】 ぬるまゆ
説明不要ですね。
(まとめて覚える)
例えば、
【紅娘】 てんとうむし
【瓢虫】 てんとうむし
【偽瓢虫】 てんとうむしだまし
上の2つを覚えたら、ついでに3つめ目も。「てんとうむし」を覚えたら、それの偽物で「てんとうむしだまし」ですから、これも「そのまんま族」の一つかもしれませんね。
何でまとめるかはその時その時の思いつきで何でも良くて、【白】で始まる(20個以上あります)、【蛇】を含む(こちらは10個くらい)、漢字四文字以上(40個くらい)、などなど、その場の気分で遊びながらやっていました。
・・・などなど、書いていくと切りがないですが、やっぱり好きこそものの上手なれ。私が熟字訓・当て字分野がそもそも好きなので、飽きもせずいろいろやっていたというのが本当のところですね。ただ、合格戦略という観点で言うなら、熟字訓・当て字はどんなに時間と手間暇をかけて完璧に準備しても最大で10点。過去問300問を覚えるだけで5~6点取れるのだとしたら、残りの4点を追いかけるよりも、その時間と手間を別の分野に傾けた方が良いかもしれません。
長々と書きましたが、わずかでも皆さんの参考になれば幸いです。