漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

横内愛弓さん(ピアニスト)

2019-01-23 20:41:17 | 雑記
 こんにちは。

 今年はインフルエンザの蔓延ぶりが凄まじいですね。仕事柄(人事です)、社員の罹患の状況はリアルタイムで把握しているのですが、特に先週末からは感染者が急増していまして、一部の部署では業務に支障が出かねない状況になっています。うがい、手洗いといった地道な予防がやはり有効のようですから、私も励行したいと思います。

 さて、今日はピアニストの横内愛弓さんのご紹介です。最近TV番組にレギュラー出演もなさっているので、ご存知の方も多いでしょうか。今の時代らしいとでも言いますか、YouTuber pianist とでも言うべき人で、ご自分の演奏を収めた動画をたくさんアップされています。鍵盤と指を真上から撮影した画も併せて配信されている曲もあって、これなどは実際にピアノを演奏される方にはきっと大変参考になるのでしょう。
 演奏の方は非常に澄んだ音色で、また、ひとつひとつの音を丁寧に拾っていらっしゃるという印象です。個人的には、今一番気になっている演奏家の中のお一人です。

 どの曲もおすすめですが、特に著名で私も好きな演奏を3つほど。クラシック音楽がお好きな方はもちろん、特別ご興味のない方にも聞いていただけると嬉しいです。


ドビュッシー 月の光
https://www.youtube.com/watch?v=PS7QyG-wwJk

ベートーベン テンペスト(第三楽章)
https://www.youtube.com/watch?v=g41tzSMDpYs

パッヘルベル カノン
https://www.youtube.com/watch?v=ojchW89_Q6g


連続100個素数が現れない区間はあるか?

2019-01-19 16:21:16 | 数学
 今日、明日はセンター試験ですね。私は共通一次世代(「共通一次」なんて言っても通じない人の方が多いですね、きっと 汗)なので自分自身の大学入試は遠い遠い昔の経験ですが、今も入試の季節になると何やら心がざわつく感覚があります。


 さて今日も素数の話題。

連続100個素数が現れない区間はあるか?

 先日、「素数は無限に存在する」というお話をアップしましたが、今回は逆に「100個続けて素数が出現しない区間はあるか?」という命題です。ちなみに1から100までの自然数の中に、素数は2、3、5、7・・・89、97まで、全部で25個あります。では連続100個、素数が出現しない区間などはあるのでしょうか。結論から言うと100個どころか、1,000個でも10,000個でも1億個でも、ずっと素数が現れない区間は存在します。以下、それを証明します。

 2から101までの100個の自然数をかけ合わせた数を考え、これをQとします。

    Q=2×3×4×5×・・・×99×100×101  A

 ここで、「Q+2」という数を考えると、Aより明らかにQは2の倍数であり、それに2を足した「Q+2」もまた2の倍数なので素数ではありません。では「Q+3」はどうかというと、AよりQは3の倍数であり、それに3を足した「Q+3」もまた3の倍数で、素数ではありません。
 以下同様に、「Q+4」、「Q+5」、・・・「Q+100」、「Q+101]はすべて素数ではありませんから、結局「Q+2」から「Q+101」までの連続100個の自然数はすべて素数ではなく、連続100個素数が現れない区間が存在することが示されました。

 「連続100個」の存在については以上で示されましたが、上記の議論は何も「101」まででやめる必要はなく、この数字はいくらでも大きくすることができます。「1,001」まで考えれば連続1,000個、「1兆1」まで考えれば連続1兆もの間、まったく素数が存在しない区間が存在することがわかります。しかしそれでも、先日記事にした通り素数は無限に存在しますので、連続1兆も素数が存在しない区間のその先には必ず素数が存在することになります。なんだか不思議ですね。




(おまけ) 実際に素数が現れない区間

 以上の議論を知ってから、では実際に素数が長く現れない区間はどこにどれくらいあるのかと思って、エクセルでマクロを組んで探してみました。2~30,000,000(3,000万)までの区間で探したのですが、結果は以下でした。

  20,831,324 ~ 20,831,532 まで連続 209 の区間
  17,051,708 ~ 17,051,886      179
  15,203,978 ~ 15,204,130      153
  11,113,934 ~ 11,114,086      153
  4,652,354 ~  4,652,506      153

 3,000万まで探しても最長209ですから、1,000とか10,000とかの長さの空白区間はもっと遥かに大きい数でしか出現しないのでしょうね。


古今和歌集

2019-01-14 22:14:14 | 和歌
 昨年の1月から少しずつ読み継いできた古今和歌集、途中ブランクの期間も何度かあって結局1年がかりになってしまいましたが、さきほどようやく1100首の歌を一通り読み終わりました。古典中の古典ですが、和歌の世界にはこれまでさほど親しんで来ませんでしたので初見の歌がほとんどでしたが、本当に奥深い世界です。語釈と解説を読まなくても少しは歌の趣旨が理解できるようになればな、と思いながら読み進めていましたが、その点ではまだまだです。

 せっかく触れた世界ですから、次は新古今和歌集に手を出そうかなどと思っています。(採録されている歌の数が古今集の2倍くらいあって大変ですけれど   汗)




 おもひつつ ぬればやひとの みえつらむ ゆめとしりせば さめざらましを

 あの人のことを恋しく思いながら寝たので、あの人が夢に見えたのであろうか。
 夢だと知っていれば、目をさまさずにいたものを。

 小野小町


素数は無限に存在する

2019-01-12 07:17:52 | 数学
 おはようございます。

 冬だから当たり前ではありますが、ここ数日特に寒いですね。関東でも、明日の日曜日は雪かもとのこと。こんな日は「勉強日和」かもしれませんね。被害が出るような大雪にならないと良いのですが。


 さて今日も、このところはまっている数学の問題をご紹介します。


<問題>
 素数は無限に存在することを証明せよ。


 「素数」というのは、2、3、5、7、11・・・のように、「自分自身と1以外に約数を持たない(それ以外の数では割り切れない)数」のことですね。数が大きくなるほど、その数が何かで割り切れる可能性は高くなるでしょうから、素数が出現する頻度はどんどん下がっていきます。ですがそれでも、どんなに大きな数をもってきても、それより大きい素数が必ずある、というわけです。
 ちなみに、この記事を書いている時点で発見されている最大の素数はなんと2486万桁の数で、先月(2018年12月)発見されたもの。当時は最大だった 2325万桁の素数をそのまま記載した書籍もあるそうですよ。(「2017年最大の素数」虹色社 1,944円)



<解答>
 背理法で証明します。
 素数が有限だと仮定して、その最大の素数をP、2からPまでのすべての素数を掛け合わせ、それに1を足した数をQとする。
    Q=2×3×5×7×11×・・・×P+1  (A)
(1)Qが素数である場合
 明らかにQ>Pであるから、Pよりも大きい素数Qが存在することとなり、仮定に矛盾する。
(2)Qが素数でない場合
 素数でないとすれば、Qは2つ以上の素数の積で表せる(例えば Q=R×S のように)こととなる一方、(A)より、QはP以下のどんな素数で割っても1余る(=割り切れない)から、その積がQとなる2つ以上の素数(上記のRやS)は、いずれもPより大きくなければならない。従ってこの場合も、Pより大きい素数が存在することとなり、仮定に矛盾する。

(1)(2)より、Qが素数である・素数でないいずれの場合でも、Pが最大の素数であるという仮定に矛盾することから、素数が有限であるとの最初の仮定が誤りであり、素数は無限に存在することが示された。



 前回の問題もそうですが、こんなものに接すると私などは数学ってすごい、面白いと思ってしまいます。それがつまりは、数学が好き、ということなんでしょうね。


 大学院で履修している科目のレポートが2つも残っていて提出〆切まであと数日。数学などにかまけている場合ではない(汗)ので、この週末はそちらに取り組みます。そう言えば、今年度最後の漢検本試験ももう間もなくですね。受検される皆さんのご健闘をお祈りいたします。




すべての桁が「1」である整数の中に2019の倍数がある

2019-01-07 20:11:42 | 数学
 新年あけましておめでとうございます。


 更新がないのにいつも大勢の皆さんにご来訪いただき、ありがとうございます。私の近況はというとあまり変わりはなく、大学院(放送大学)の履修科目の勉強などをほそぼそと続けています。そんな中、最近のちょっとした「マイブーム」としては高校数学の問題を解くのが面白く、その手のユーチューブ画像などを眺めては懐かしんだり感心したりなどしています。(私は大学は文科系ですが数学が好きで、受験生時代はそれが得点源でした。)

 という訳で、突然ですが今日は「そんなふうに考えて解くのかぁ~~」と感じ入った問題のご紹介です。


<問題>
 11、111、11111などのように、すべての桁が「1」である整数の中に、2019の倍数があることを示せ。


 なんともとっかかりがないと言うか、一体何をどこから考えれば良いのかわからない問題ですね。(汗)
 どこまでわかりやすく書けるか心もとないですが、解答は以下です。



<解答>

 1÷2019の商はゼロ、余りは1
 11÷2019の商はゼロ、余りは11
 111÷2019の商はゼロ、余りは111
  ・  
  ・
  ・
 111・・・1111÷2019の商は□、余りは△

のように、「1」だけでできた異なる整数を2019で割る割り算を2020個考える。(A)

整数を2019で割った余りは0~2018の2019通りだから、(A)で考えた2020個の割り算の中に、同じ余りとなるもの(商は異なっても)が少なくとも1組存在する。その1組の割り算の商をそれぞれYとZ、余りをrとすると、

   11111・・・111=2019×Y+r  (B)
     11・・・111=2019×Z+r  (C)

と書くことができる。(B)の元の数の桁数をb、(C)の元の数の桁数をcとし、(B)-(C)を計算することにより、

     111・・・11000・・・00=2019(Y-Z)  (D)

を得る。(D)の左辺は一番上の桁から「1」が(b-c)個、「0」がc個並んだ整数であるから、

     111・・・11×10^c=2019(Y-Z)   (「10^c」は10のC乗)

と書くことができる。従って左辺は2019の倍数となるが、10と2019は互いに素(1以外の共通因数を持たない)であるから、この等式が成り立つためには「1」が(b-c)個並んだ整数である「111・・・11」が2019の倍数でなければならないこととなり、題意は示された。


 きちんと表現できているか心配ですが、こんな素晴らしい問題とその解答に出会うと、また数学が好きになりそうです。  ^^



 ではまた。