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臓器移植法

臓器移植法に基づく最初の脳死移植が実施されてから10年。



日本での脳死判定と臓器不足が解消されないまま、5月には世界保健機
関(WHO)の指導指針に臓器移植を自国で完結させるようにすることが
盛り込まれる方向のようだ。




わたしが移植をした2005年当時は海外移植が多く、自分の周りにも海外
での移植を望む人が数人いた。

それから一年以上経って、臓器を海外に求める日本に対して風当たりが強ま
ってきた。



15歳未満の小児の臓器提供を禁止している日本では、肝臓など分割できる
場合を除き、特に心臓移植は海外に道を求めるしかないのが現状だ。





日本での脳死移植は先進国の中で特に少なく、人口100万人当たり脳死臓
器提供者数は0.8人で、最も多い国の2%程度という。

それでも日本で年間約1万人が脳死になると言われているのに、条件的に厳
しいことで脳死移植が普及していないのだ。



色々と思いを巡らせると、とても難しい問題だと思う。



提供する側と提供される側、本人の意思と家族の意思、死生観、倫理観、判
定を委ねられる医師・・・




そもそも1997年に議員立法で成立した臓器移植法は、早期の改正・見直
しを前提にしているらしい。

そしてここにきて、色んな立場の、色んな意見がぶつかり合っているからか、
真逆の3案が改正案として提案されている。


・「家族同意案」
  ~患者の意思が不明でも、家族の同意だけで臓器提供を可能にすると同
   時に臓器提供の年齢制限を撤廃する

・「年齢緩和案」
  ~臓器提供できる年齢を「12歳以上」に引き下げる

・「規制強化案」
  ~現行法をさらに厳格にする




通常は広く多くの人達に関連することではないので、現状の混迷政治の中で
片隅に追いやられてきた問題だが、明日、誰の身に起こるかもしれない問題
でもある。


少なくとも、漢字の読み方や「西松建設問題」よりは遥かに重要な問題だと
思うのですが。
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