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感謝の日

朝、普通に起きて顔を洗い、普通にごみ出しして普通にヨーグルトを食べ、新聞を一通り読む。

仕事前のいつもの日常。



毎日こうして暮らしていると、かつて、限りなく死に近づいたことを忘れる。

腹のベンツマーク状の傷を見ない限り、大手術をしたことを忘れる。


日々、体調がいいかというとそうでもなく、不自由なく暮らせているかというと、そうでは決してない。

でも、死や大手術までは意識しなくなっている。



これが今の現実。


ところがいつも頭の片隅にあるのは、不思議な感覚。

生きているのが不思議、と思える感覚。


昔、『黄泉がえり』っていう映画が流行ったけど、実は死んでいるんだけど本人はそれがわかっていない、ヒロインの竹内結子さんの役柄の様な感じ。



これ、真剣に思うんだけど、今、本当に生きてるのかって。




「あれ」以降、一生懸命仕事したり、時々大工になったり、のど自慢に挑戦してみたり等々って、なんか、生きてることを精一杯証明しようとしてきた

確認作業だったのかとも思う。





今日で肝臓移植手術から13年目。

13年、余分に生きさせてもらった。





【肝臓は肝硬変に陥っています。

肝細胞はほとんど大部分が壊死に陥っており、胆汁鬱滞を伴っています。...】



この診断時の肝臓のCT画像。







移植手術後、担当医師に、

「今まで移植して取り出した中で、一番小さな肝臓」

とまで言われた、殆ど機能していなかった肝臓。





いつもの普通の日常の中で、せめて今日だけは、自分に実際に起こったことを振り返って、いろいろな、たくさんの人たちに、

心から感謝したいと思います。
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