アーバンライフの愉しみ

北海道札幌近郊の暮らしの様子をお伝えしています。

音楽ABC~ピチカート

2014年03月02日 | 音楽ABC
P for Pizzicato (ピチカート=ピッツィカート)

どなたもよくご存じですが、ヴァイオリンなど本来は弓でひく弦楽器の弦を指ではじいて音を出す演奏技法をいいます。

クラシックでは、この奏法によるコミカルな楽曲が作られた他、メインテーマの提示(例えば、チャイコフスキーの「白鳥に湖」”ワルツ”の冒頭部分)や、曲の趣を転換する際などによく使われています。



一方、ジャズやポップス音楽では、コントラバスによるピチカート奏法がリズム音源として重要な役割を担っています。

ここでは、この奏法のみで演奏される「ピチカート・ポルカ」(ヨハン・シュトラウス2世・ヨーゼフ・シュトラウス作曲)をご紹介しましょう。

2012年ニューイヤーコンサート(ウイーン)におけるマリス・ヤンソンスとウイーンフィルによる演奏です。写真はネットから、楽曲はYOUTUBEから拝借します。
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名作のふるさと~笹沢信著「藤沢周平伝」

2014年03月02日 | 読書三昧
直木賞受賞作の「暗殺の年輪」をはじめ、数々の名作を発表し続け、没後15年を経ても尚、読者の心を捉えて止まない人気作家の生涯をつづる。



藤沢氏の人となりについては、すでに「半生の記」や、各種のエッセイで述べられていて、特段新しい発見をすることはなかった。

しかし、小説の執筆の過程での苦労話は、とても面白かった。

例えば、名作「蝉しぐれ」のヒロイン「ふく」(後のお福様)の名を決めるにあたって、72通りもの女性の名を列挙し、それを17に絞り、最終的に「ふく」に決めたというのだ。

「蝉しぐれ」は、山形新聞を始め地方紙8紙に連載された。
小説の最後で、主人公の文四郎(この時は、郡奉行の牧助左衛門)とふく(お福様)が密会する場面で、「文四郎さんの御子が私の子で、私の子供が文四郎さんの御子であるような道はなかったでしょうか」と(ふくが)述べる有名なシーンがあるのだが、この部分は、単行本化する際書き足されたもので、新聞小説にはなかったという。

藤沢氏の小説に登場する女性は、誰も忍耐強く且つ、知的で美しく、古き良き時代の女性像を体現しているのだが、やはりそれなりの筆者の努力があってのことと感慨を新たにした。

いずれにせよ、藤沢ファン必携の書であることは確かである。
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