「妊娠カレンダー」や「博士の愛した数式」などのヒット作をもつ小川さんだが、この本は、書名に象徴されるように彼女が「陶酔」した短編16編を箱に詰め一冊の本にしたという。

従って、もう「独断と偏見」を通り越して、彼女のエクスタシーにつきあってよ、という内容になっている。
16編の内、これは思う短編を上げてみると、
・「河童玉」 川上弘美
・「外科室」 泉鏡花
・「愛撫」 梶井基次郎
・「鯉」 井伏鱒二
・「流山寺」 小池真理子
・「空想」 武者小路実篤
などだが、これらとて、どこがどういう風に良いのか、小生などにはさっぱりわからない。そのわからないものに陶酔できるのが作家という存在なのであろう。
あとがきで、小川さんがこの短編箱をこしらえた心づもりを語っているので、少し長いが引いておこう。
”短篇と短篇が出会うことでそこに光が瞬き、どこからともなく思いがけない世界が浮かび上がって見えてくる。「陶酔短篇箱」がそういう一冊になってくれるのを、心から願っている。
しかし本音を言えば、実は何の心配もしてはいない。素晴らしい作品が一箇所に集まれば、彼らは無関係ではいられなくなる、必ず互いに作用し合う、と確信しているからだ。
16の短篇は各々自らの輪郭を保ちながら、同時にひと続きとなって、広大な模様を描き出す。その模様は登場人物たちにも、読者の皆様にも、そして作者たちにさえ、豊かな驚きをもたらすだろう。”

従って、もう「独断と偏見」を通り越して、彼女のエクスタシーにつきあってよ、という内容になっている。
16編の内、これは思う短編を上げてみると、
・「河童玉」 川上弘美
・「外科室」 泉鏡花
・「愛撫」 梶井基次郎
・「鯉」 井伏鱒二
・「流山寺」 小池真理子
・「空想」 武者小路実篤
などだが、これらとて、どこがどういう風に良いのか、小生などにはさっぱりわからない。そのわからないものに陶酔できるのが作家という存在なのであろう。
あとがきで、小川さんがこの短編箱をこしらえた心づもりを語っているので、少し長いが引いておこう。
”短篇と短篇が出会うことでそこに光が瞬き、どこからともなく思いがけない世界が浮かび上がって見えてくる。「陶酔短篇箱」がそういう一冊になってくれるのを、心から願っている。
しかし本音を言えば、実は何の心配もしてはいない。素晴らしい作品が一箇所に集まれば、彼らは無関係ではいられなくなる、必ず互いに作用し合う、と確信しているからだ。
16の短篇は各々自らの輪郭を保ちながら、同時にひと続きとなって、広大な模様を描き出す。その模様は登場人物たちにも、読者の皆様にも、そして作者たちにさえ、豊かな驚きをもたらすだろう。”