football smile

the days turn into months and years

誰かがやらねば

2004-12-22 | reds
とある土曜日。会社で組合の仕事をしていると、本社に来ていた名古屋事務所長に声をかけられました。「おう忙しいのか?」「いや、今日は組合の仕事です」「まあそれも立派な仕事だな、誰かがやらなきゃならないんだ」。

我々サポーター以外にも、今年は浦和レッズが気になった人が、結構多いのではないでしょうか。弱い頃から人気だけは他のチームにも負けていなかったと思いますが、そのチームがセカンドステージで優勝してしまったのだから、注目されて当然と言えます。みなさんはレッズの選手で誰が好きですか?エメルソンや達也は期待通りに点を取ってくれるし、山田や永井、三都主のドリブルだって見応え十分。長谷部のパスセンス、啓太のリーダーシップもチームを支えています。闘莉王を中心にした守備陣も大健闘といえるでしょう。山岸、都築という2人のGKは甲乙付けがたい実力を持っています。控えには野人岡野だっています。みんなそれぞれに個性的で魅力的な選手ばかりです。そんな中で、今年気になった選手は?と言われればやはり内館秀樹ということになります。知ってる?

背番号19を背負った内館は、昨シーズン、オフト監督の下でキャプテンを務めました。ナビスコ杯で見事レッズに初タイトルをもたらしたキャプテンとして、その名が歴史に刻まれたのでしたが、いかんせん彼には地味な印象があります。なぜだろう。

開幕当初の守備陣は、闘莉王・坪井・ニキフォロフという3バックでした。しかし坪井とニキフォロフはケガで離脱してしまいます。クラブは急遽トルコ人のアルパイとブラジル人のネネというDFを獲得。いつの間にか闘莉王・アルパイ・ネネという多国籍3バックに入れ替わっていました。迅速に動いたクラブの対応も評価できますが、ケガ人が出たらすぐに代わりの選手というわけにはいかないのが、チームで戦うサッカーの難しさです。当然新戦力がチームになじむまで、その穴を埋める選手が必要になります。今シーズン、その役割の全てを担ったのが内館です。ニキフォロフが抜ければ左ストッパーへ、坪井が出られなくなれば右ストッパーへ、そして時にはボランチへと柔軟にその穴を埋めていました。誰もが「いつの間にか入れ替わった」と思った程、何事もなかったかのように守備陣の崩壊を防げたのは、間違いなく内館のおかげです。そしてそれは内館にしかできなかった仕事だと思います。

「誰かがやらなければならない仕事」は「誰かがやればいい仕事」じゃないか?と思ったりもしますが、あながちそうとも言えないのかもしれないなあ。今シーズンの内館の働きぶりを見ていてそんな風に考え直しました。
コメント (2)
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