今シーズンの浦和レッズの移籍事情は、非常に感慨深いものがある。達也がオレンジのユニフォームを着るのは寂しい限りだし、他所のクラブの顔とも言うべき選手を応援しなければならないのも複雑な心境である。「浦和は広島を目指すのか?」と嫌味を言われても、「そうかもしれないね」と答えてしまいそうである。
【IN】
那須大亮(柏レイソル)
興梠慎三(鹿島アントラーズ)
関口訓充(ベガルタ仙台)
森脇良太(サンフレッチェ広島)
槙野智章(1FCケルン)
永田拓也(ザスパ草津)
阪野豊史(明治大学)
【OUT】
田中達也(アルビレックス新潟)
濱田水輝(アルビレックス新潟)
エスクデロ・セルヒオ(FCソウル)
ポポ(ヴィッセル神戸)
原一樹(京都サンガFC)
青山隼(徳島ヴォルティス)
ACL(アジアチャンピオンズリーグ)に出場する広島、仙台、柏から主力選手を引き抜くというのも、我がクラブながらえげつないなあと思う。しかし、おかげでACLを戦うための補強がなされたとも言える。森脇を入れて坪井をバックアップに回す。サイドには平川と宇賀神に関口というオプションを加える。タイプの異なる原口と興梠をワントップで併用する。さらに濱田の穴を那須で埋めるという念の入れようである。ウウム、手堅い。
達也の移籍に関して山道強化本部長が使った「クラブの継続と成長」という言葉が、今回の移籍事情を理解するポイントである。自分自身、この言葉がなかったら到底納得できないものがあった。クラブは変化し続ける。新しい選手を加えてチーム内を活性化する。それが継続であり成長である。そう言われると、そうかもしれないなあという気がしてくる。
しかしなぜ浦和に良い選手が集まるのか?お金持ちだから?首都圏にあるから?サポーターが沢山いるから?魅力的なサッカーをしているから?(これはないか)政治力?(これはありそう)まあ何かしら引っ掛かるものがあるのだろう。選手にとって浦和というブランドは、かなり魅力的なものらしい。さてそれでは、サポーターにとってはどうなのか?これは何ともわからない。多分、魅力的ではなくても応援するから。
だとしたら、なんだかんだ言わずに徹底的に新生浦和レッズを応援するのが正解かも知れない。20年間応援し続けてきたクラブを信じようじゃないか。新加入選手の活躍を大いに楽しもうじゃないか。結局それがサポーターの正しい姿勢なのだと思う。開き直りが、時に人生を楽しくする。高原は応援しなかったけど、興梠は応援しちゃうよ。今年はそんな気分である。