竹山聖+アモルフ
OCT 1991
RC / +5F / 7,883.34m2
http://www.amorphe.jp
キラー通りにその姿を現した時は、そりゃあ衝撃的だった。模型がそのまま建ち上がったような造形は、コンクリート打放しというあくまで禁欲的な表現と相まって、まるで彫刻作品のようだ。まだ建築学科の学生だった私は、友達と一緒に屋上へ忍び込んだことがある。アンフィシアターを設えたそこには別世界が広がっていた。斜めの壁が創り出す異空間もまた然り。建築が持つ力を存分に思い知らされた気がした。そこには夢があった。
28年の時が過ぎて、今またこうしてその空間を体験してみると、やはり当時とは違った考えを巡らせることになる。オーナーがめまぐるしく変わって、現在はサイバーエージェントが入居しているようだ。オフィスとしての使い勝手はどうなんだろうとか、維持管理費がかさむだろうなあとか、漏水は大丈夫なのだろうかとか、まあ概ねそのようなくだらないことである。それが現実ということなのか?
建築が持つ力に魅せられて、今でもこうして設計事務所で働いている。そこにはやはり夢も現実もある。どうにも行き詰まった時、もう一度原点に立ち帰るのも悪くない。
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