football smile

the days turn into months and years

scratch

2010-03-29 | design
県立大学での取材を終えて、今度は実際に自分が担当していた福祉センターへ行きました。こちらは外壁のスクラッチタイルがエントランスホールまで回り込んでいるのが特徴です。竣工して7年が経ちましたが大きな問題もなく、とてもきれいに使われていました。当時の町の担当者も相変わらずで「1年に1回くらいは顔を出さなきゃ」と言われてしまいました。プロポーザルから基本計画、基本設計までを静岡事務所でやって、実施設計を本社に戻ってやって、それから現場監理も本社から通っていました。とにかく最初から最後まで全部やらせてもらいました。ゼロからものを作るというのはこういうことなのか。そう実感できた仕事でした。

ハイサイドの窓から光が入るので、昼間は照明いらずというのが自慢です。広いエントランスホールが中庭のように使われていました。雨の日は、デイサービスセンターのおじいちゃん、おばあちゃんたちが散歩にやって来るそうです。写真の通り、完成当時は殺風景だったホールが、すっかり使い込まれてとても楽しげな雰囲気になっていました。エレベーターシャフトの壁にも大きな絵が飾られていました。2階の子育て支援センターの前には、ディズニーキャラクターが飾られています。ピクチャーレールの変わりにステンレスパイプを設置したのは大正解でした。よくこうした飾りを嫌がる設計者もいるようですが、自分は大歓迎です。いつも言ってる通り、使われてなんぼですから建築は。建物のデザインを損ねるなんてことは絶対あり得ません。この建物は、本当に見事に使われていました。すごくうれしかったです。

竣工式の日、本社の偉い人達が来たことを思い出しました。式が終わると、違う建物を見に行くからとさっさと帰ってしまいました。「自分は残りますから」と言ってその車を見送りながら思いました。ダメだこりゃ。それ以来、偉い人達の言うことは、あまりまじめに聞かないようにしています(笑)。
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