龍の尾亭<survivalではなくlive>版

いわきFCのファンです。
いわきFCの応援とキャンプ、それに読書の日々をメモしています。

2023/04/04

2023年04月04日 16時51分08秒 | メディア日記
スターダストレビューのライブにいってきた。
友人に好きな人がいて、なんとなくいこうかなと思い、チケットも取りやすいことだし(笑)。

予約を早くに済ませて発券すら忘れていたけれど、LIVEが近づいてきたのでせっかく7,000円余りもかけるのだからと、自分を盛り上げるために知人が調べてくれた他公演のセットリストに則ってSpotifyのリストを作成、折りよく届いた水俣の甘夏(低農薬無ワックスでマーマーレードが作れるのです!)の皮を刻み、煮込みをしながら聴きました。調べてみるとどの公演をとっても一つとして同じセットリストはないということに気づき、これはなかなか「手練れ」だぞ、印象が変わってきました。

そして当日。

いやあ、行ってみてビックリ。



MCが楽しいとは噂に聞いていたけれど、そーゆーことではなくて、エンタテインメントとしてのライブの真髄をみた気がしました!!

予習がばっちり当たって、全く知らない曲は2つぐらい。そのうちのひとつはなるほど選考セットリストになく、
「この曲はシングルなのにみんな知らないんですよ(笑)」

と要ちゃんが念押ししたりして、そーゆーこと一つでツボに入っていきます。

ロックあり、アカペラコーラスあり、ブギウギあり、ジャジーなナンバーあり、すがすがしいまでの高音をたっぷり聴かせてくれる定番曲アリ。

(予習が大切、というのは実感しましたが、予習なしでも楽しめそうです)

ネットに転がっていた「名言」に、

「初めてライブを観に行くならスタレビがお薦め」

という言葉があったけれど、観て納得。2日曜日経っても脳内でスタレビが鳴り響いています。
セットリストはこちら。
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映画『対峙』の感想。

2023年03月26日 18時18分49秒 | メディア日記

映画「対峙」公式サイト

映画「対峙」公式サイト

映画「対峙」高校銃乱射事件で共に息子を失った家族。

映画「対峙」公式サイト

を観てきた。
(まちポレいわきで3/4に)

心と身体に沁みる映画だった。

ほぼ、犯罪の加害者家族と被害者家族が対面して話し合う場面のみに絞り、主要登場人物家族2人×2の息苦しい「対峙」が続いていく。

様々な層の言葉が浮かんでは沈み、また底から上ってきては拡散していく、その力に引き込まれた。

独りの親であってすら、様々なことばが胸の内に、あるいは唇をついて、顕れては隠れる往復運動をしつつ、同じところに戻ることはできない。二組、四人の加害者家族(両親たち)の感情や思考、振る舞い、関係が錯綜しながらせめぎ合うところに私たちは立ち合うことになる。

作品のテーマとは別に、ある瞬間までは私は観客の一人としてずっと加害者の親の立場に近いところで映画を見ていく。
そういう風に作られているのだと思う。被害者家族の辛さがツラいという場面が続くわけだから。
(もちろん、だからこそ被害者家族の視点でこの映画を観るということもあり得る。このあたり、感想を聞きたいところだ。)
しかし、あるところからそれが変わっていく。
そこが1つのポイント。
カタルシス(浄化)というのではないが、ある種の到達点がほのかに示される。

だが、それで終わりではない。もう一つは、その先にもう一つの転換のポイントがある。

そこは、もう一度観てみないとはっきりとは論じられない。
簡単に論じることはできない種類の課題を抱えて観客は席を立つことになるのだろう、とも思った。

訴訟放棄の書類にサインをして、率直に加害者家族との対話を求めるという社会的なシステムがある、んだろう。
(これは実際にあるんだろうねえ)

宗教的フレームにも触れているが、そこは主題というわけではないだろう。

教会の一室を借りて行われるこの設定も、さまざまなことを考えさせられる。教会の職員も、それを手伝う青年も、具体的には何も言われないが、何か弱さを抱えた描写になっている。

お時間があればぜひ。そして感想もききたいところです。

フォーラム福島では3月下旬に上映かな。観るべし。

映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』を観た。

2023年03月13日 11時42分32秒 | メディア日記
仕事に間が空いたので、映画を観てきた。

仕掛人藤枝梅按
ブルージャイアント
対峙
エブエブ

と、タイプの異なる映画を立て続けに見たのだが、今日はエブエブのことを書く。
映画についてはこちらを。

とにかく愉快な映画だった。
経営しているコインランドリーの税金申告手続きに苦しみ、離婚の危機に瀕し、娘が助成の恋人をパーティーに、連れてくるというので父親(娘の祖父)の反応に悩み、人生に押しつぶされそうな中年女性を、カンフー女優(その程度の認識で済みません)のミシェール・ヨーが演じるというだけで面白そうなのに、設定が並行宇宙(マルチバース)の分岐に寄って請じているありとあらゆるキャラクターを主人公が「演じる」というのだから、訳の分からないカオスな面白さが保証されているようなものだ。

実際、メチャクチャな設定を上手に映像化していて、しかもあらゆることを「主題」とするのではなく、ひたすらパロディのように(しかし、もちろんパロディが主題でもない)連写していくどたばたコメディの速度が、決して、見る側を圧倒するのではなくウェルメイドに誘ってくれるのだ。
ウェルメイド、といえば、ありきたりのフレームに上手にお話を載せて安心して観客を慰撫してくれる作品を褒めつつもいささか揶揄することばであることが多いのかもしれない。
しかし、そういうこととも無縁だ。

これは本当にADHDのための作品(つまりは自分のための作品)だ、と思った。

辻褄は、主人公が主人公で「ある」ことに拠って保たれている。
設定によって保たれているのではない。物語によってささえられているのでもない。
この作品はだから、いかに賞を獲得しようとも、その症の重さにおいてかたられる必要はない、ともいえる。

拡散し、スライドし、様々な場所と時間、そして様々な私でありながらも、それらはつながりを保たずに繋がっている、そんな感覚を甦らせてくれる。

傑作なのかどうかは、分からない。
この映画が称揚される時代が幸せなのかどうかも分からない。
でも、ビンセント・ギャロの『バッファロー'66』以来の、これは
「オレの映画だ」
という感触を得た。

すぐに見直そうとは思わない。すでにおなか一杯である。とりあえず劇場で見直すなら断然『BLUE GIANT』だろう。あの映画は何度でもサラウンドで鑑賞したい。

それでも、エブエブは「オレの映画」だ。そう思う。


映画『BLUE GIANT』を観てきた。

2023年03月02日 00時33分50秒 | メディア日記

映画『BLUE GIANT』を観てきた。

原作は人気連載中のマンガだとのこと。全く知らずに、『雀の戸締まり』を観たとき、映画館の予告で知った。

マンガであれば、読者各自が想像すればよいが、アニメとしてどんな音楽を鳴らすのか、に興味があったからだ。

実写の映画で歌手が主人公だと、歌手でもある主演の俳優が歌うということはよくある。
でも相手はマンガの登場人物だ。果たしてどうなるのだろう、と心配しつつ映画に入っていった。

ところが、そんな心配は1発目から杞憂に終わる。

絵が、演奏してるのだ。

音楽に絵を当てたのでも、絵に音楽を当てたのでもない。

これはけっこうすごいことではなかろうか。
ジャズのことなど全く知らない(と言わねばならないジャズの不自由さについては今はおくとして)、私がこんなにぐいぐい引き込まれるのは、「いい客」だったからなのだろう。
しかし、これはDVDかブルーレイを買いたいと思う類いの作品になった。
というより、もう一度観にいきたいではないか!
ドルビーサラウンドでもう一度味わいたい。

なかなかない経験だと思う。ライブ感があるんだよね。CDじゃない、これは動画を見ていたい。

圧倒的にお勧めでした。


『仕掛人・藤枝梅按』を観てきた。

2023年02月20日 14時50分04秒 | メディア日記
豊川悦司主演の『仕掛人・藤枝梅按』を観てきた。

しみじみとゆったり鑑賞出来る映画だった。132分という長さも良かった。
お話の筋としては、あの料理屋万七を巡る仕掛けだから、池波正太郎ファンならお馴染みのお話だ。細部というか、いろいろな部分で心に沁みる。

もちろん豊川悦司も主演だし、いい感じなのだが、なにせ「悪女」の天海祐希がステキすぎる。ずっと観ていたくなる。
それから、片岡愛之助が、もうこれはやられちゃう。歌舞伎役者ってこういうことなのか、とも思い、愛之助ってこういうものなのか、と感心することしきり。
菅野美穂ももちろん好き(笑)
高畑淳子もいい味だしてる。

時代劇好き、池波正太郎すき、
そして上記の役者さんがすきなら、
なら、これは劇場で応援すべきかと。

急がない仕掛けの描写も○。
一時間モノのテレビの尺じゃない梅按は、明らかに小説のテンポです。

売れてほしいな!


佐山亜紀のクラブsonicライブ(いわき)

2023年01月14日 16時00分00秒 | メディア日記
1/8(日)、いわきのCLUB SONIC
にて、今年初のライブに行ってきた。

出演者は
明星
GOLD BLENDERS
佐山亜紀
Chano
の四組。

トップバッターの明星は、地元の女子三人組が昭和歌謡を歌う前座の賑やかし。しかし、地元のライブに集客力は侮れません(笑)
平山ミキとかちあきなおみとかピンキーとキラーズとか愉し懐かし昭和歌謡。
暖かい気持ちになりました。

二番目はGOLD BLENDERS。CADILLACというバンドのコピーだそうで(よく知らなくてすみません)、これはもう年季の入った安定の演奏。
オジサンたちが楽しんでいるのが手に取るように分かって、こちらもうれしくなります。
比較的ストレートなロックバンドといイメージ(違うかな?)。

この二つの地元バンドは、音楽の楽しさが聴き手に届く、そんな演奏でした。もちろん、学園祭とかお祭りとかでにぎやかしのバンドはあるし、自分もそういうことはやった経験があるけれど、お祭りとライブ感は決して同じではありません。
この二つのバンドは、バンドとしてアマチュアの楽しさをこちらにチキンと歌で届けてくれています。

そういうライブもあるんだ、と納得。ついついプロの演奏を聴くことばかりしてしまいがちだけど、それだけがライブの楽しみではないということを改めて実感。

地元バンドが出るから知らないプロのも聴こうか、ってひとだっているだろうし、それはきっと聴き手も地元の演奏者も、外から来てくれる演奏者も、みんなウィンウィンなんだよね、きっと。

さて、三番目、この日のメインは佐山亜紀。

アコースティックギター一本で歌うんだけど、これがよかった!
ギターのテクニックもステキなんだろうけど、とにかく自分の「艶のある世界」に聞き手をぐいっと引き込んでくれる腕の持ち主。
新しいCDもギター一本とボーカルの一気録り、とあったけど、この人はライブを聴くべきですね。
色っぽい、というのではない。
艶がある。
音楽が美味しい、そんな感じ。
仙台を中心に活動しているとのこと。
聞いたら虜、って感じですかね。
私は
submarine bus
という小品が気に入りました。
これは艶っぽいと言うよりは静かなリフレインを味わえる一曲。

最後はChanoちゃん。
いつもの、安定の、ゆったり彼女の歌の世界に浸らせてくれるピアノとボーカル。
旅の途中という曲と、アンコールでの「満月の夕」(ヒートウエィヴのバージョン)が印象的でした。
中河原、山口両氏のものとまた違う、しっとりと魂を包んでくれる演奏でした。
聴いてよかった!

ライブは身体のバイブレーションを伴った出会い。
たまには顔を出さないといけません。

豊かな一夜をありがとうー!

2023/1/9(月)山下達郎 『PERFORMANCE 2022』感想。

2023年01月10日 21時31分35秒 | メディア日記
山下達郎『PERFORMANCE 2022』、2023年1月9日(月)
(於:郡山文化センター)

に行ってきました。
セットリストはこちらなどで。

同じみの定番SPARKLEで始まるツアーはもう安心感そのもの。新しいこととかそんなに求めません(笑)
もちろんニューアルバムからのも何曲かありましたし、それもまた楽しみでした。

そんななかで、
ハイティーンブギ
君は天然色
が個人的には特に楽しかったです。

いつもそうだけれど、山下達郎のツアーは3hたっぷり味わえるのが贅沢。
バンドメンバー(特に佐橋さんのギター)のクオリティの高さも最高でした。

去年7月にコロナ禍で公演中止になったのがとても残念でしたが、振り替え公演のチケットが当たり、本当によかったです(優先振り分けだった模様)。

今年はライブアルバムも発売になるとのこと。これもまた楽しみです。

ファーストアルバムを70年代に買ったミュージシャンは三人いて、
荒井由実1973年『ひこうき雲』
オフコース1973年『僕の贈り物』
山下達郎1976年『CIRCUS TOWN』
(シュガーベイブのアルバムは

の3人。
オフコース解散し、荒井由実は松任谷由実になり、最後までずっと聴き続けているのは山逹だけになりました。

多くの人が、自分の人生の伴走(伴奏)者としての歌い手をもっていると想像するけれど、最終的に振り返ると、山下達郎がそういう存在になっていた。

そういうミュージシャンのライブに、出会ってから45年以上経ってまた行くことができた、のも、感慨深い。

ライブはもちろんお祭り参加の楽しみでもあるのだけれど、生の声を聴くこと、そこに一回限りの身体をともなった出会いがあること、に意義があるんだろうな。

至福でした。

『地球の歩き方 日本編』を購入した。

2022年10月20日 01時58分37秒 | メディア日記
定年退職したら、ゆっくり旅行でもしたい……勤め人なら、大抵一度はそんなことを考えるのじゃなかろうか。

ご多分に漏れず、私もそんな夢想に耽っている。いや、定年は数年前に迎えているのだが、今日びは退職しても、まだ年金が出ない無職状態だから、仕事もある程度しなければならないということもあり、現実には旅行三昧というわけにはいかずにいる。

さらにコロナ禍もあって、なんだか旅行も自由にしにくい時期が続いていた。

そんな中、この本
『地球歩き方 日本2023-2024』
発売された。
これ一冊あれば、ページをめくって妄想するだけでもご飯が47都道府県分食べられそうだ。

そうだ、来年は仕事を完全リタイアして、これ一冊を手に持って、ふらりと日本中(別に一周じゃなくてもよい。好きなところに長逗留してもよいし、何遍回ったところでお咎めもない)経巡ってみようか、と思わせるのに十分なインパクトのある本である。

来年度は旅にでるぞ!

頁を捲りつつ想像するだけでも楽しいし、実際に行けそうな気もしてくる。
片手で持つのもたいへんなぐらい重いペーパーバックの一冊だが、かなりのお薦めです。

原一男監督作品『水俣曼荼羅』を観た。

2022年09月27日 20時27分39秒 | メディア日記
ドキュメンタリーは「顔」だ、ということ。

原一男監督の
『水俣曼荼羅』
を観た。
(http://docudocu.jp/minamata/)
フォーラム福島で一日限り、一回限りの上映である。6h18m、三部構成の大作。
いわきからいけば往復にさらに5h一日がかりだ。

チケットは一月前に買ってはあったものの、前日までだいぶ迷っていた。ドキュメンタリー映画の中には睡眠導入効果が高いものがある。貴重な映像ではあっても、こちらの精神の持続に耐えない編集、というのはあるものだ。まして、エンタメに首から下はどっぷりと漬かって人生を生きてきたのだから。

しかし、まあ驚いたことに、6時間を超える上映中一睡もしなかった(笑)

私たちがみたいと思うものを見せてくれるのがエンターテイメントの映画だとすると、『水俣曼荼羅』は基本その対極にある。目的はエンタメではない。
上映後の監督の言葉を借りれば、庶民が権力にどう向き合うか、がドキュメンタリーの精神だ(と師匠の浦山桐郎にいわれた、って話ですが)。

しかし、この映画は私たちに断片だけを放り投げるものでもなければ抵抗のストーリーを与えてくるものでもなかった。
興味深い出来事、事件の中で生きる人間のなんとも言えない表情を、数分に一度はつきつけてくる。
いや、突きつける、という言葉は不正確だ。さりげなく(いや時にはあざとくカメラを回すということもしているんだろうが、狙っているのはストーリーに即しただけの人の身振りではない。
ふと、状況と向き合ったときに見せてしまう人間の表情、そういうものに満ち溢れた繊細な映画なのだ。

そしてありがちなドキュメンタリー映画のようなへたくそな映像はどこにもない。
映像が美しいといえばそれも語弊があろうか。  

とにかく、飽きさせないのだ。
映画として、切り取る表情として、事件の深刻さとして、人間の魅力として、それが数分に一度は画面に浮上してくる。
環境省のお役所の方々の硬い表情、そこからメモをひったくる(笑)水俣の支援者の女性の気迫、生駒さんの含羞を含んだ笑顔、困惑する姿、坂本さんのめまぐるしく変わる表情、、二宮さんの涙、緒方さんの自分を抑えながら噛みしめるように言葉を発する姿、弁護士それぞれの個性が見える話しぶり、熊本県知事の能面のような顔、数え上げたらきりがないほど、水俣病をめぐる様々なレイヤー(層)で起こっている事件とその事件の時間を生きる人たちが出会い、すれ違い、交差しながら進行していく……曼荼羅というネーミングが不可避な所以である。
名前だけは聞き知っていた川上さん、高倉さん、緒方さん、石牟礼さん、などレジェンドの姿を見ることができたのも(ミーハーですいません)うれしかった。

最後に。『水俣曼荼羅』の上映会をしている中で「甘夏事件」という言葉が出てきた。
映画にも出てきている高倉さんの娘さんのノートである。
(https://note.com/tsuzumiko/n/nd15d7fcc8d74)
これはひとつの「事件」に過ぎない(すぎないったって、当事者にはメチャメチャ大変なことだったわけどけれど)けれど、おそらく、この『水俣曼荼羅』の陰には、無数のそーゆー「事件」もあるはずで、海に立つ小さな波頭の一人一人の表情を丁寧に追いかける原監督の映画が、どんどんいろんなところに観客である私を連れて行ってくれる。

ドキュメンタリーは「顔」だ、というひとつの実感を手にした。

大きな話ではないが、私にとっては大切なことなので、忘れないうちに書いておく。

大西暢夫さんの映画『オキナワへいこう』が二日間限定で無料上映されます。必見です。

2022年08月31日 21時17分21秒 | メディア日記
 
 
なんと、
大西暢夫さんの映画
『オキナワへいこう』
が、イベントに伴って無料上映されます!
イベントは、
 
超長期入院を余儀なくされている精神病院の患者が存在するのは、世界でも日本以外に見当たらないという現実。
そんな中で、大西さんが取材を長く続けていた病院の病棟で撮った写真の写真展が、沖縄で開かれることに。
沖縄に行きたい、自分たちの写真展を見てみたいという患者さんの思いは、どんな方向に向かうのか?
静かで優しい、大西さんならではの映像。必見です。
日程は、9/27と9/29の二日間。
引用開始-------------------------
・開催日時:
2022年9月27日(火) 13時00分〜15時00分
2022年9月27日(火) 19時00分〜21時00分
2022年9月29日(木) 13時00分〜15時00分
2022年9月29日(木) 19時00分〜21時00分
・開催場所
オンラインでの開催(Zoom)
・申込み方法:
下記Peatixのイベントページから申込みください。
引用終了---------------------------------------------
ぜひ観てください!
おすすめします。

映画『さがす』(片山慎三監督作品)をAmazonPrimeで観た。良かった!

2022年08月18日 16時10分00秒 | メディア日記
片山慎三監督作品『さがす』
出演:佐藤二朗、伊東蒼、清水尋也……
 
久しぶりに映画を観た。
ジェイソン・ステイサムやモーガンフリーマンのアクション物、あるいはテレビドラマ『最愛』(吉高由里子主演)とか、『鎌倉殿の13人』(NHK大河)とか、この夏は家でゴロゴロしている時、ぼちぼち映像エンタメを眺めて過ごした。

まあしかしドラマ2本を除けば、アクション物の多くは、眠くならない夜の暇つぶしに過ぎない(昼間からはほぼ観ない)。

7月いっぱいでparaviとU-NEXTのサブスクを止めて、ようやくAmazonPrimeに戻ってきたら、この『さがす』が目に付いた。
 
佐藤二朗がよかった。いつもTVのMCなどで観ている彼ではない。あるいは映画やドラマで存在感のある脇役をしている「佐藤二朗」でもない。
 
大阪西成の、風采の上がらないシングル父の中年男性を演じている佐藤二朗に、惚れた。
その失踪した父親の娘、中学生を演じる伊東蒼がまたいい。
 
彼女の走る姿がステキだった。映画って動いているものを撮るのがけっこう難しくて、アクション物とかどうなっているのか一瞬分からなくなることも多い。
この伊東蒼演じる女子中学生は、よく走る。それが気持ちよかった。
 
お話は特に深まっていく物語ではなく、大きな謎が解かれていくお話でもない。
動く絵が重ねられていくかんじ、とでもいえばいいだろうか。
サイコ野郎を演じる清水尋也も、視点をどこか定まらず漂わせている、その感じもよかった。
 
もちろん、貧困、安楽死、自殺願望、連続殺人、などなど、もし仮にテーマにしてしまうとてんこ盛りでまとまりがつかなくなりかねない。
そう観た人もいるのかもしれないね。

でも、それらが詰め込まれたわけではなく、ネットワークの中で緩くすれ違ったり出会ったりしながら、映像を多層化して見せてくれる印象だ。
なにより、西成という街のような(真偽は知らず)ストリートのロケもまた、切り取られたリアルとして、そのネットワークに参加しているのが分かる。
 
『ドライブ・マイ・カー』
とは全く違うけれど、映画を安心して観ることができる幸せを感じた。
ま、自分の基準は歴史的には『スナッチ』とか『鮫肌男と桃尻女』『バッファロー66』辺りですから、今の人の好みとは全く合わないのかもしれませんが。
とくに映画の見巧者でもないし。
 
隙間がある映像が、好き。速度のある映像が好き。
じっくり見ていると眠くなるんですよね(笑)
音楽も、そう。クラシックの「大伽藍」を思わせる大作は大抵寝てしまうのでした。
 
ともあれ、『さがす』はお勧めです。
 
 

観るべし『No Activity 本日も異常なし』(amazon primeオリジナル作品)

2022年06月06日 00時17分27秒 | メディア日記
目の前の仕事の逃避として、Amazon Primeオリジナル作品
『No Activity/本日も異状なし』
を観た。
役者も脚本も監督もステキだと感じた。
こういう作品が日本でも撮れるんだ、と思うと、『カメラを止めるな』以来の喜びを覚えた。『鮫肌男と桃尻女』とかとか観たときの感じにちかいかな。

つまり、観た人みんながいいと思うようなものではないかもしれないけれど、強く惹かれるものがある。
コントの舞台みたいなシチュエーションコメディが三段重ねで進行していく中に漂うスピード感と脱臼感。

ちょっと落ち着かない気持ちの時に観てほしい(笑)

たぶん、三谷幸喜の映画に決定的に欠けているものがここにある、と思う。
舞台みたいな、だけれどこれはまごうことなき「映画」だ。

(三谷幸喜の舞台はすこぶる楽しいんですけどね)。でも、映画としてはこっちの方が上質。傑作ではないかもしないけれど、そこはかとないそわそわ感、居心地のわるい落ち着きの良さみたいなものが漂ってくる。
脚本と、役者と、監督とどれもが光ってると思う。

時間があったら観てください。
どこがおもしろいんだ?というなら、すでに成功。
こらならもっともっといいのがあるよ、というなら教えてほしいです。
オダギリジョーのNHKの犬ドラマと同じく、関節の少しズレた面白さがありますなー。

個人的には戸田菜穂さんが、二場面ぐらいのチョイ役だったけど、ツボでした。
もちろん中村倫也、岸谷五朗、豊川悦司、岡山天音、清野菜名、木村佳乃、みんなステキなんだけどね。


河村厚『スピノザとフロイト』関西大学出版部刊

2022年04月05日 01時06分57秒 | メディア日記
待っていた一冊が届いた。
前作というかこの前の論文集

『存在・感情・政治-スピノザへの政治心理学的接近-』2013年

の続編にあたる。

簡単にざっくり言ってしまうと、スピノザのコナトゥス(自己を維持しようとする努力)という考え方についての自己発展性と倫理の関わりを論じた前の本の応用編として、フロイト、ダビンチ、ハイネ、ゲーテ、ネグリ=ハート、ドゥルーズ、レオ・シュトラウスなどとの関係において論じている本ということになる。

自分の文脈に引きつけて「自由に」スピノザ的イメージを利用するのではなく、スピノザの、テキストと上記思想家たちのテキストを丁寧に突き合わせて進んでくれるので、専門的な論文ではあっても、素人を誘ってくれる道筋が見える。

まだ読み始めたところだが、極めて興味深い。
読み終えたら改めて感想を。


足踏みしていたレヴィナス本に取り組み始めた。

2022年04月05日 00時40分52秒 | メディア日記

『甦るレヴィナス』小手川正二郎

こちらはどちらかと言えば理論編。改めてがっちりレヴィナスを精度高く読み込もうとする著作。
私も早わかりで、レヴィナスといえば「他者論」だろう、とかユダヤ教的思想家なんだろう、とか、ざっくりした早わかりの印象しか持っていなかった。
なにせ私はレヴィナスが真っ向から否定するスピノザを、読むのが趣味ですし。

でも、後述する応用編的など本にもててくるけれど、「当事者」性を重んじる研究ではむしろ(スピノザなんかよりもずっと)重要な思想家としてしばしば言及されているのは間違いない。
このあたりで勉強しなきゃなあ、と思いつつ途方にくれていたら、持つべきモノは先達です、この二冊を紹介してくださったばかりか、著者のかたから複数冊受け取ったから、ということで、頂戴してしまいました!
大事なのはそこじゃないんですが、でも、勉強って1人だけじゃなくて、こうして示唆や支援があって成り立つのだ、と改めて感謝です。
本の内容は改めて。


こちらは現代におけるレヴィナスの受容と応用の論集。
国際シンポジウムの記録という形です。

この二冊を見ると、今のところレヴィナスがどう読まれているのか、またどう読み得るのか、が、素人にも分かってくる仕掛けかな、と。
これから読む本二冊、です!




読むべし『当事者は嘘をつく』

2022年04月05日 00時18分24秒 | メディア日記

筑摩書房から出た『当事者は嘘をつく』小松原織香

多くの人に読んでほしい。
私は大きく揺さぶられました。
体験それ自体もなんですが、むしろその「語られ方」というかその困難さというか、加害者と被害者のあまりの非対称性というか、果たして語りうる当事者性とは何か、ということと向き合うこと自体が難しく、それを言葉にするための足場というか基盤というか、そういうものがいったん崩されてしまうと、「自分の言葉で自分について語る」ことがいかに難しいのか、ということが切実に感じられます。それこそが「当事者性の当事者性たる所以」だとするなら、私たちはどうやって言葉をつぐめばいいというのか?

語り得ることなどあるのだろうか、という疑問が、幾層にもなって形を得ないまま雪崩壊れ落ちていく感覚、とでもいえばいいでしょうか。
 
読んでいる内に自分は幾分かこの「当事者」でもあり、かつ(ここがきついところですが)幾分かは当事者にとっての「加害者」でもある、ということに気づかされていきます。
さてそこでなおも言葉を求めるとはどういうことなのだろう。
本を閉じてからの方が、その本を間近に感じる、という感覚を味わっています。
ぜひ一読をお勧めします。

とにかく読んでいただければ。
今年四半期ベストの中の一冊。

 

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