龍の尾亭<survivalではなくlive>版

いわきFCのファンです。
いわきFCの応援とキャンプ、それに読書の日々をメモしています。

崩れを察知する能力ということ。

2022年09月29日 10時01分11秒 | いわきFC
サッカーの試合を見ていると、
素人ではあっても、、そのチームの「時間帯」というものがある、ということに気づかされる。
どんなに強いチームであっても、90分間ボールを100%もって、絶対的にフィールドに君臨することはできない。

リードを奪った後の後半アディショナルタイムに、(遅延行為にならない範囲で)ポールを敵陣でキープし続けることばかりを、最後までずーっと続けることが出来はしないように、必ず相手が主導権をにぎる「時間帯」はやってくる。

サッカーはそういうゲームだ。
なかなか点が入らず、下位のチームにも時折チャンスはやってくる。だからゴールの時の歓喜は、ほかのスポーツとは段違いに大きい。
思わず「うぉーーーっ」と声がでそうになる(声出し応援NGだったりするのはだからとてもつらい)。

さて、問題は上位のチームにも下位のチームにも、多寡は別として攻めるチャンスが、間違いなくやってくるとして、それではなぜ勝つチームは、いつも勝つのか?
統計的に枠内シュートの数が多い、精度が高い、ということはもちろんあると思う。
でも、そういう「統計」による勝利に私達は歓喜しているわけではない、という実感も一方ではある。

そこでひとつサッカーのにわかファンとして強く思ったことがある。

サッカーでは、相手のミスによる得点を結構素直に喜ぶんだなあ、というそとだ。
別の競技だと、相手のミスは喜ばないのが通例だ。
サッカーでは、接触プレーで倒れたままの選手がいるときにはボールを外に出し、そのあと相手にボールを戻すなんてことはあるけど、相手のミスでの得点は比較的素直に喜ぶ。
もちろん味方の方はミスにがっかりするわけだけど。

そういうことを漠然と思っていたところ、下記のエッセイを見てとても腑に落ちた。
サッカーでは、相手の
「崩れを察知する」
能力が死命を制するのだ。
相手の小さなミス、もしくは小さなミスとまでは言えないような「崩れ」を察知して、それを見過ごさずに自分たちの「モノ」にできること。
そうなると次にはあっというまの「総崩れ」
が待っている。

そうなんだよ、それなー!

と思った。
チャンスを掴む嗅覚といっても、いいのだが、サッカーの場合は単なる「動物」ではなく、「動物」+「人間」の、「相手のわずかな崩れ」に対する嗅覚が重要なのだ。

アニマルプレーヤーなだけでは足りない。もちろん頭だけでも不十分(解説するには十分かもだけど)。

「崩れ」の察知は、優れて人間的な側面も加味された嗅覚なのではないか?
その、「人間的」ということばを、「予期」という言葉に置き換えてみたい誘惑にかられる。

この項、続けて考える(^_^)。




J3第26節いわきFC×FC岐阜の試合のこと。

2022年09月28日 17時54分51秒 | いわきFC
結果は2-1でホームのいわきFCが勝利。
しかし、圧倒的に押していた試合、というわけではなかったように思う。
一点目の素晴らしい得点シーンは、いわきFCならではの醍醐味だった。
ゴール前に人数をかけつつ、鈴木が難しいボールを胸でトラップし、、走り込んできた日高に渡すと、ゴールラインギリギリから速度のあるクロスを出し、それを有田がドンピシャで決める。
いわきFCらしい、人数をかけた的ゴール前の連携ゴールだった。
こういうプレーをみるとワクワクしてくる。
二点目は、敵ゴールキーパーとディフェンダーが重なってしまい、GKがボールを手に収め損ねてこぼれた瞬間、詰めていた岩淵が見事にゴール、といった得点シーンだった。。
これはやや岐阜の連携不足から生まれたゴールともいえようか。

それにしても、岐阜はそれなりにボールを奪い、いわきFC相手にやるべきサッカーをやっていたのではないか、という印象を受ける。

ただ、結果としてはいわきが2点取り、岐阜は1点だった。

そういうこともあるさ、というのはその通りなのだと思うが、他方で、なかなか点の入らないサッカーのゲームは、多くの場合このような一点差で決着が付く。

いわきFCのサッカーだけ見ている素人の1ファンが言うのも申し訳ない話だが、いまのいわきFCを相手に勝ち切るためには、岐阜のサッカーには徹底していくという何かが足りなかったように思う。

いわきFCが今治に(今のところ唯一の)ダブルを喫したあの試合運びを、思い出すのだ。いわきFCのように最後まで怒涛のみ攻撃をするならするでよいのだ。いわきFC.は、それでも今治の守備を抜ききるほどの得点をとれなかった。
悔しいが、納得の敗戦だ。

岐阜のサッカーはよくわからないけれど、そういう強度があるのかな?とふて思ったのだ。

あのときあそこで点が取れて入れば、印象はガラリと変わる……確かにサッカー観戦とはそういうものだ。
しかし、シーズンを通してみてみると、いわきFCの目指すサッカーがないかにぶれていないのか、を改めて感じる。
岐阜も、山雅や今治と同様侮れない主税を感じるチームだった。
どからこそ、山雅と、鹿児島が敗れた懇切の岐阜も、に対する勝利は値千金、でもある。

せっかくだからこのまま優勝してほしい!





原一男監督作品『水俣曼荼羅』を観た。

2022年09月27日 20時27分39秒 | メディア日記
ドキュメンタリーは「顔」だ、ということ。

原一男監督の
『水俣曼荼羅』
を観た。
(http://docudocu.jp/minamata/)
フォーラム福島で一日限り、一回限りの上映である。6h18m、三部構成の大作。
いわきからいけば往復にさらに5h一日がかりだ。

チケットは一月前に買ってはあったものの、前日までだいぶ迷っていた。ドキュメンタリー映画の中には睡眠導入効果が高いものがある。貴重な映像ではあっても、こちらの精神の持続に耐えない編集、というのはあるものだ。まして、エンタメに首から下はどっぷりと漬かって人生を生きてきたのだから。

しかし、まあ驚いたことに、6時間を超える上映中一睡もしなかった(笑)

私たちがみたいと思うものを見せてくれるのがエンターテイメントの映画だとすると、『水俣曼荼羅』は基本その対極にある。目的はエンタメではない。
上映後の監督の言葉を借りれば、庶民が権力にどう向き合うか、がドキュメンタリーの精神だ(と師匠の浦山桐郎にいわれた、って話ですが)。

しかし、この映画は私たちに断片だけを放り投げるものでもなければ抵抗のストーリーを与えてくるものでもなかった。
興味深い出来事、事件の中で生きる人間のなんとも言えない表情を、数分に一度はつきつけてくる。
いや、突きつける、という言葉は不正確だ。さりげなく(いや時にはあざとくカメラを回すということもしているんだろうが、狙っているのはストーリーに即しただけの人の身振りではない。
ふと、状況と向き合ったときに見せてしまう人間の表情、そういうものに満ち溢れた繊細な映画なのだ。

そしてありがちなドキュメンタリー映画のようなへたくそな映像はどこにもない。
映像が美しいといえばそれも語弊があろうか。  

とにかく、飽きさせないのだ。
映画として、切り取る表情として、事件の深刻さとして、人間の魅力として、それが数分に一度は画面に浮上してくる。
環境省のお役所の方々の硬い表情、そこからメモをひったくる(笑)水俣の支援者の女性の気迫、生駒さんの含羞を含んだ笑顔、困惑する姿、坂本さんのめまぐるしく変わる表情、、二宮さんの涙、緒方さんの自分を抑えながら噛みしめるように言葉を発する姿、弁護士それぞれの個性が見える話しぶり、熊本県知事の能面のような顔、数え上げたらきりがないほど、水俣病をめぐる様々なレイヤー(層)で起こっている事件とその事件の時間を生きる人たちが出会い、すれ違い、交差しながら進行していく……曼荼羅というネーミングが不可避な所以である。
名前だけは聞き知っていた川上さん、高倉さん、緒方さん、石牟礼さん、などレジェンドの姿を見ることができたのも(ミーハーですいません)うれしかった。

最後に。『水俣曼荼羅』の上映会をしている中で「甘夏事件」という言葉が出てきた。
映画にも出てきている高倉さんの娘さんのノートである。
(https://note.com/tsuzumiko/n/nd15d7fcc8d74)
これはひとつの「事件」に過ぎない(すぎないったって、当事者にはメチャメチャ大変なことだったわけどけれど)けれど、おそらく、この『水俣曼荼羅』の陰には、無数のそーゆー「事件」もあるはずで、海に立つ小さな波頭の一人一人の表情を丁寧に追いかける原監督の映画が、どんどんいろんなところに観客である私を連れて行ってくれる。

ドキュメンタリーは「顔」だ、というひとつの実感を手にした。

大きな話ではないが、私にとっては大切なことなので、忘れないうちに書いておく。

J3第25節FC今治×いわきFCの試合。

2022年09月19日 11時36分44秒 | いわきFC
J3第25節FC今治×いわきFCの試合、アウェイだったのでDAZNで応援した。
結果は1-0でホームのFC今治が勝利した。

いわきFCはいつものように最後までゴール目掛けて走りつづける頼もしいサッカーを続けていた。そこにまず尊敬の念を持つ。
他方で今治戦は、以前ここで書いたこともあるようにいわきFCが持つ現在の力を測るために重要な試合になったと感じている。
前半戦の試合結果を通しで眺めてみると、実はいわきFCは、上位陣にほとんど勝てていなかった。

最小失点&最多得点での首位は、わかりやすくいえば
圧倒的な攻めのサッカーが、中位以下のチームでは全く止められないということの証明でもあったし、それと同時にまだ上位陣に勝利する力までには至っていないということの証しでもあったのだろう。

もちろん、いわきFCの守備は進化している。一年通してそのサッカーを見ていて、素人の1ファンではあるが、強く実感している。

一方で、そのサッカーがJ3 上位のチームにどれだけ通用するか、が後半戦の見所でもある、と感じていた。

前半一敗した松本にドロー。
前半一敗引き分けだった藤枝に勝利。

その進歩は確かな手応えを私たちにかんじさせてくれた。

そこでの今治戦である。
前半一巡目で負けたのは松本と今治の2チームだけだった。
後半戦松本には引き分けだった。
では今治は?

緊張と期待の中での応援だった。
その上での三敗目である。

しかし、上位のチームが、いわきFCの前線守備をかいくぐって得点機を作ることは想定の範囲内だろう。
そのリスクを背負わずにこのコンパクトで攻撃的なサッカーは成立しない。

ファンとして負けは悔しいが、いわきFCのサッカーをちゃんと見せてくれている満足はある。

この「守備」の答えは、決して引くことではなく、むしろさらに攻撃的な守備と、そこからのショートカウンターandロングボールも含めて人数をかけた攻撃的なサッカーの追求なのだろうと思う。
今治と鹿児島を引き分け、下位チームを圧倒すればJ3 二位以内の昇格は可能かもしれない。

もちろん、負ければファンとしては悔しい。
けれど、それが今のいわきFCのサッカーなら、むしろさらにそれを求めていってほしいと切に思う。
900分走り続ける、という村主監督の言葉に勇気づけられる。

鹿児島戦まで、首位を争うところにいてほしい、とはおもうけどね(笑)
勝てばいい、昇格すればいいというサッカーではない、と思うからファンになった。
今治には尊敬の念を抱く。
いわきの強みをきちんと超えてくれたのだから。
そしていわきFCはここからまた「進化」していってくれると信じている。それが今のこのチームのファンの心意気であるべきかと、密かに思い定めつつ。



J3 第24節 ギラヴァンツ北九州×いわきFCの試合。

2022年09月12日 13時00分00秒 | いわきFC
J3 第21節、いわきFCは、昨日(2022/9/11の18:00~)アウェーでギラヴァンツ北九州と対戦した。

相手のシュートは4本。それに対していわきFCのシュートは例によって20本を越えていた。
結果は、10有馬のPKによる1点を守りきって1-0で勝利を収めた。
コーナーキックの時などを見ても、がっちりゴール前をボックス型に固めていた。
サッカーは、守備をがっちりされれば、なかなか得点出来ないゲームだということが分かる。

枠内に飛ばすのも難しいんだろうなあ、と思う。

一方、前がかりで試合を進め、サイドバックも前線に上がるこの攻め方は、必然的にサイドが空いてくる。
ボールを持たれて反撃されたとき、戻りが遅れれば直ちに決定機が生じる。
事実、前半戦は普通にサイドを抜かれてクロスが上がって(あるいは逆サイドからこ折り返しがあって)シンプルに決められることも少なくなかった。
普通は、これだけ前がかりで攻めている以上、あらかじめ人数をかけてはの守れないのだから、ある程度サイドを抜かれるとピンチになるのは織り込み済みなのだろうなあ、と素人なりに考えていた。

ところが、である。
後半になると、その4-4-2のシンプルなまえがかり攻撃故の、サイドカウンターからの失点が、減ってきている印象なのだ。


最多得点と最少失点が同時に一位、なのですから、そこにいわきFC?の今の「手の着けられなさ」が表れています。
じっくりその理由を考えてみたいところです。
次節はいよいよ前半負けを喫した、今治との試合です。
個人的には今治戦、超注目です。

J3第23節 いわきFC×AC長野パルセイロの試合のことなど

2022年09月03日 22時45分42秒 | いわきFC

今日(2022年9月3日土曜)、J-ヴィレッジでJ3第23節 いわきFC×AC長野パルセイロの試合が行われ、1-0でいわきFCが勝利しました。

前回はアウェーの試合でいわきが勝利していますが、1位対6位の上位対戦ですから、どちらにとっても勝ち点がどうしても欲しい試合になったと思います。
実際、前線に人数をかけてコンパクトに試合を進め、敵陣でボールを奪ったら一気に数とスピードでシュートを打ちまくるいわきFCの試合の「型」がありますから、シュート数はいわきが上回っていたものの、一瞬の隙を突いてゴールに迫っていく長野の「一刺し」は、幾度かいわきのゴールを脅かしていました。

実際、83分過ぎに途中出場の17山口海那(かいな)のゴールが出るまでは、「1点取った方が勝ちそうだ」というぎりぎりの緊張感が感じられました。

あるいは「もはや引き分けか?」という感じも出始めたところでの山口の得点は、値千金でしたね。こういう得点が出るのが「強さ」であるとするならば、いわきFCは結果として強いといえるのでしょう。でも、正直どちらが勝っても、あるいは引き分けになってもおかしくないそういう濃密な時間だったと思います。
選手たちもオーバーヒート気味になっていた瞬間もあったようです。

それでも、結果をたぐりよせられる「力」がいまのいわきFCにはある、というのも事実。

結局大切なのは、いわきFCのスタイルを保ち続け、走り続けての勝利だった、という点に尽きると思います。勝つためにスタイルを変える、のではなく、このスタイルで勝つ!ということが出来ている、その素晴らしさをファンとしては「至福」の時間として味わいたいと考えます。

すてき。

頭のあまり良くないひいきの引き倒し的なファン心理をご容赦いただけるなら、J2にもし上がったとした場合(笑)、果たしていわきFCのこのサッカーは、どのぐらいまで通用するのでしょうか?

と、サッカー通にうかがってみたいところです。

いまのところ、間違いなくいわきFCは強い。フィジカルで負けないというだけではない。恐れずに前から積極的にボールを取りにいく守備をし、いったんボールを奪ったら、全員ダッシュでゴール前になだれ込む、この方法が、フィジカルを鍛え、走法を鍛え、若手を中心にチームを組み立てている今のスタイルが強さの秘密だ……

なんて話はよく聴きます。
なんかその通りだなー、と思って聞いているのですが、ではもし仮に(現実味を帯びつつあるとも思いますが)J2に昇格した場合、上でいったいこのサッカーがどの程度「やれる」ものなのでしょう?あるいはそのままでは通用しないとしたら、どこをグレードアップしたら「通用」するようになるのでしょうか?

今頃からそんな妄想をしていないで、一戦一戦スタジアムで応援しなければ!

ともちろん思うものの、せっかく

「日本のサッカーのフィジカルスタンダードを変える」

という大きな目標を掲げているチームが、この先どんな姿を見せてくれるのか、ちょっと想像してみたくなるのは無理ないところ、でもあるのかなーと。

まだ、今治、愛媛、岐阜、鹿児島の上位陣対決を残しているのですから、ここでいわきFCらしいサッカーの力を発揮するのがまず大切ですね。
ここから先、簡単な試合は一つもありません。

ちょっと妄想をしたりしつつも、残り試合をしっかり応援していきたいです!