上橋菜穂子の本は好きなのだが、読み進めるのに時間がかかる。様々なものが中に入っていて、それを拾っていくうちにストーリーを楽しむことを忘れてしまう(笑)
つまり、主人公はヒトではなく何か別のモノだ、ということなのだろう。
普通なら、物語はあくまで主人公のものであり、それは通常人間であったり、擬人化された者たちであったりする。
だが上橋菜穂子の作品の「主人公」はなにかもう少し別のところにある。
もちろん主要な登場人物は物語を進める仕事をするのだが、そこで捉えられようとしているのはその人物たちそのものではない。また、 彼ら人間の登場人物が向き合う動物や生き物それ自体が主人公、というわけでもないのだ。
焦点が当てられているのはむしろ彼らの生きている「状況」であり、彼らを生かしている「環境」そのものだ。
それは通常「歴史」と呼ばれているものとも少し違う。
「それでは人間の匂いがツヨすぎる」
と、上橋菜穂子的存在なら呟いてみせるかもしれない。
ともあれ日本は彼女たちという語り手を持ったことを間違いなく世界に誇ってよい。
この冬、ぜひ一読をお勧めしたい一冊。
つまり、主人公はヒトではなく何か別のモノだ、ということなのだろう。
普通なら、物語はあくまで主人公のものであり、それは通常人間であったり、擬人化された者たちであったりする。
だが上橋菜穂子の作品の「主人公」はなにかもう少し別のところにある。
もちろん主要な登場人物は物語を進める仕事をするのだが、そこで捉えられようとしているのはその人物たちそのものではない。また、 彼ら人間の登場人物が向き合う動物や生き物それ自体が主人公、というわけでもないのだ。
焦点が当てられているのはむしろ彼らの生きている「状況」であり、彼らを生かしている「環境」そのものだ。
それは通常「歴史」と呼ばれているものとも少し違う。
「それでは人間の匂いがツヨすぎる」
と、上橋菜穂子的存在なら呟いてみせるかもしれない。
ともあれ日本は彼女たちという語り手を持ったことを間違いなく世界に誇ってよい。
この冬、ぜひ一読をお勧めしたい一冊。