4月半ばから5月末頃までドイツでは白アスパラガス(Weiss Spargel シュパーゲル)が旬の季節を迎える。1年でもこの時期しか食べることができない旬のものである。先日、近くの阪急デパートの野菜コーナーで白アスパラを見つけ、今年もその季節がやってきたかと気づき、早速購入した。日本では、グリーンアスパラの方が中心でホワイトアスパラはまだまだレアものの感がある。早速、ゆでたり、スープに入れたりして季節の野菜を楽しんだ。
今から35年前にドイツのフランクフルトに住んでいた頃、5月には白アスパラがマーケットに大量に出回り、家でも外食でもこの時期は白アスパラ料理一色である。日本からお客様を迎えた時も、この時期は食事のメニュー選びが極めて簡単であった。多くのレストランが白アスパラ専門の特別メニューを用意していることが多く、アスパラ料理を薦めれば、まず外れはなく、旬の料理を楽しんでもらえた。ドイツでは、グリーンアスパラはほとんど見たことがなく、アスパラと言えば、白アスパラのことである。一番よく食べた料理は、Spargel mit Sauce Hollandaise und Kartoffeln(オランダ風ソースの白アスパラガスとポテト)で、オランデーズソースと白アスパラがピタリ合うので大変美味である。
旬のアスパラを食べたくて、帰国後もドイツ旅行は5月と決めている。帰国後も何回かドイツに旅行しているが、多くはこの時期に計画して、ドイツにいるポン友とアスパラ料理を楽しんでいる。ライン川とぶどう畑を眼下に見るリューデスハイムの高台にあるレストランでのアスパラ料理は極上のひと時であった。この時期ドイツのマーケットでは非常に安く白アスパラを買うことができるが、日本では高級品なので、アスパラを濡れた新聞紙にくるみ、トランクの奥底に隠し、不正だが、日本に持ち込んだこともあった。ここ数年ドイツでのアスパラ料理を食していないので、来年の5月には再訪したいところである。近年は、日本のマーケットでも白アスパラが並ぶようになったので、日本物で代替するしかないかも知れない。
ドイツ旅行の一番お薦めの季節といえば、文句なくゴールデンウィーク明けの5月である。ゴールデンウィーク後なので旅行代金も安く、新緑のドイツは最高である。夏は値段が高いし、秋の紅葉はあまりいいとは言えないが、5月は、見る見るうちに新緑が進み、なんたって白アスパラが食べられる唯一の時期だからである。今年は、久し振りに白アスパラを食べることができたが、またドイツに旅行に行きたい気持ちが頭をもたげてきた。
写真は、オランダ風ソースの白アスパラ料理