風月庵だより

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天風先生に学ぶ

2022-11-28 13:29:15 | Weblog

11月28日(月)曇り【天風先生に学ぶ】

一生は実に学びに満ちていると思います。今日は91歳であの世に帰られた檀家さんのお通夜です。倒れるその日まで、トラクターを運転して、畑仕事をしていました。最近一度入院していたので、「あれ、まだ働いているの」と言ったら、「働かなきゃしようがない」と答えました。90歳になろうというのに、思えばいつもお金の苦労も言っていました。

お寺の隣なので、時々は話に行き、このあたりのことをいろいろと教えてもらったものです。抜群の記憶力で、多くのことを年月日さえしっかりと教えてくれました。退院できそうだとお医者さんに言われていたので、ご本人は家に帰ってきたかったことでしょう。窓の外には、最後まで働いていたトラクターがポツンとおかれているのが見えます。なんだか相棒を失ってトラクターが寂しそうです。

「およそ人間として、ひとたびこの世に生をうけたからには誰でも人生というものを活きなければならない。」と天風先生も書いています。しかし「この大事な人生を活きるのに、人生がいかなる法則により支配されているかを知らずに活きている人がいかに多いことか。」と。

この法則を、天風先生はいかに悟られたかを、その語録(『運命を拓く』(講談社文庫))から学んでみましょう。咀嚼は皆様それぞれにお任せします。

「人間の心というものは、一方においては、人間の運命や健康そのほかの人生の一切をよりよく建設する力があると同時に、またこれと反対に人生をより悪く破壊する力もある。」

「この世のすべてのものというものは、動物、植物、鉱物の三つに分けられるが、これらはすべて一つのものから生み出されている。すなわち万物創造の根源であり、絶大な力を持つ「霊妙」な気がこの一切を作る根拠をなしているのである。」

「人間もこの霊妙な気の持つ力の中にいるからこそ生きていられるのである。空気の中にいるから生きているのではない。(中略)この”気”を哲学では、「精気」「霊気」あるいは「先天の一気」などと呼んでいる。天風哲学では”宇宙霊”と呼ぶが、(中略)仮に”宇宙霊”と名付けたのである。宇宙の一番おおもとの気という意味であり、ただ便宜上、”宇宙霊”という言葉を使うのであると考えればよい。」

(風月註:村上和雄先生の”サムシング グレートを思い出します。私は、いつもサムシング グレートに感謝し、導かれています。)

「所詮、人生は心一つの置きどころ。人間の心で行なう思い方、考え方が、人生の一切をよくもし、悪くもする、というのが人生支配の根本原則である。自然の法則は、まことに峻厳侵すべからず。」

「人間は誰でもひとかどの成功ができるようになっているのである。心身を統一し、人間本来の面目に即した活き方、どんなときも、「清く、尊く、強く、正しい積極的な心」であれば、万物創造の神韻縹渺たる気と、計り知れない幽玄微妙な働きを持つ霊智が、量多く人間の生命の中に送り込まれてくるからである。」

次が大変に重要なところです。

「自然と称するところの眼に見える宇宙ができあがるまでには、目に見えない宇宙が、その以前からすでに厳として存在していたに相違ないのである。これを考えなければいけない。なぜならば無から有は生じないからである。この目に見えないものから、目に見えるものを作った、幽玄微妙な事実こそ、宇宙霊が偉大なる霊智的大生命を持つ証拠である。であるから宇宙の最初は、ただこの宇宙霊のみであったと言える。」

*『般若心経』の「空即是色」を思います。

この続きはまた後程。これから友だった隣のおじさんのお通夜に精神統一いたします。