6月25日(火)晴れ【老老介護記 母ベッドから降りようとする】
私を呼ぶ声で、目を覚ますと、母の右足がベッドの枠にかかっていました。そうしてもう一方の足もかけようとして掛けられず、どうしてよいかわからなくなって私を起こしたようです。よくそのようなエネルギーがあるか、と、驚くほどです。昨日はどういうわけか大変食欲があり、少し食べ物を口に入れてくれましたので、そのエネルギーを使ったのでしょう。
昨日は手伝いの人が二人と姪の子供も来ていたので、リクエストに応じて食べ物を作ってくれるメンバーが多かったので助かりました。「お茶」のリクエストもありました。「みかん」「仏様の前にある」(これは幻覚のようです。)「りんご」「お湯」その他いろいろですが、ほとんど一口口に入れますと、「マズイ」と言って受け付けません。でも一口は体に入っていますので、安心でした。
夜になりますと、息が苦しそうでしたので、一昨日の夜は、母のベッドのわきでうたたねのように心配で過ごしたのです。
本日は、ベッドで動き回っていますが、ほとんどなにも受け付けません。嚥下の力が、一気になくなりました。昨日のことは夢のようです。”冥途の土産かしら”と思っていましたが、そうかもしれません。
今日は朝「お腹がすいた」というので。なにか食べられそうなものを作ってみましたが、結局は食べられませんでした。残ったわずかのエネルギーを使って、どうしてもお店に食べに行きたいというので、たまたま友人夫婦が来てくれましたので、母の介護用車に乗せて、近くのレストランに行きました。「行きたい、逝きたい」というので、「あの世?」かと聞きましたら「そういう悪いことは言わないの」と言われてしまいました。ユーモアがあります。お店の椅子に座っただけで、注文は後でいただきに来るということで、帰ってきました。
母は満足しているようです。あの世に帰るのは、時間の問題ですから、無理のようでしたが、レストランに行っただけで満足してくれましたので、私としては、これでよかったと思います。
母は、まだ眠りません。一日中眠っていません。今夜も私は、眠れそうもありませんが、隣の奥さんでいつもお手伝いいただいている方が、泊ってくれていますので、少し気持ちが楽です。おそらく間もなくではないでしょうか。
それでは母の枕辺に行きますので、この辺で失礼いたします。