4月1日(土)雨【追悼 大田原高校山岳部遭難事故】
このたびの雪崩による遭難事故は、まことにいたましく、残念でたまらない。多くの方々もそうお思いのことでしょう。
ご家族の無念、残念、受け入れがたい思い、信じがたい思い、いまだ信じられない思い。いかばかりかと想像を絶します。
雪崩には「伏せろ」ではなく「逃げろ」の一声でしょうし、春山の雪崩が起きやすい条件下でのラッセル訓練など、もってのほかのことでしょう。
私の亡兄は、高校時代、大学時代も山岳部で、卒業してからも中央大学の山岳部の部長を長く勤めていましたので、一頃は山で遭難しなければよいがと、心配したこともありました。兄の後輩の山岳部員が雪崩で遭難し、その捜索にずいぶん時間がかかったことを聞いたことがあります。雪崩の恐ろしさを、身近に経験していますと、このたびのようなことは回避できたのではないかとさえ思ってしまいます。
引率の先生方を責めたくはありませんが、命をあずかる立場の人は、十分な経験と、適切な判断力と、鋭い直観力が要求されると思います。大川小学校の津波による被害にあった事件にも言えることだと思います。
現代は、科学的なことが目覚ましい進歩と発展を続けていますが、この世界を引っ張っていくのは、なんといっても経験や直観力も含めて「人間の判断力」が大きな影響を持ちます。まして命にかかわることは、この判断力にかかっています。
心優しい、心まっすぐな、前途ある、自然を大事に生きた若者たちが、貴重なかけがえのない命を一瞬にして失ってしまったこと、まことに惜しまれてなりません。ご本人にもご家族の皆様にも、心より哀悼の意と、同情の意を捧げます。
*2017年3月27日午前9時20分頃、栃木県那須町のスキー場で春山登山の安全講習会を受けていた高校生たちが雪崩に巻き込まれ、栃木県立大田原高校・山岳部の生徒ら8人(生徒7人と教員1人)が死亡するという痛ましい事故が起きました。
雪崩が起きた当時、季節外れの雪により想定外の積雪があったことから、当初の登山の予定を中止し、積雪をかき分けながら歩く『ラッセル』の訓練に変更していたのですが、茨城県警は、この時の現場の判断に誤りがなかったかどうか、業務上過失致死傷の疑いで捜査するとのこと。
講習会でも標高1915メートルの茶臼岳に登る計画だったが、主催した県高校体育連盟は「登山ではなく講習会」と位置付け、1963年の開始以来審査が必要と考えていなかった。とのこと。
*今まで大丈夫であった、という経験則を責任者は口にしているそうですが、これは逃げてはいけません。過ちを認めなくては、自らも救われないでしょう。生涯かけて償っても償いきれない過ちをおかしたことを認めなくては、ならないと思います。
*訓練場所では表層雪崩を予測する「弱層テスト」も怠る
雪崩注意報が出ていた栃木県那須町の雪山で先月27日、登山安全講習会に参加した県立大田原高山岳部の生徒ら8人がラッセル訓練中に雪崩で死亡した事故で、主催者の県高校体育連盟登山専門部が、雪に埋まった際に呼吸空間を確保する生存法を周知せず、事前に表層雪崩を予測する「弱層テスト」も怠っていたことがわかった。同校関係者が取材に証言した。雪崩を想定せずに訓練が行われた結果、8人が死亡した疑いがあり、県警は関係者から事情を聴いている。(毎日新聞)
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