風月庵だより

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ボールつく音の響く公園で

2010-12-31 20:53:01 | Weblog
12月31日(金)晴【ボールつく音の響く公園で】(真ん中の奥に見えるのが宮澤邸です)

いよいよ大晦日です。昨日は、毎年お伺いする宮澤さんのお参りに行ってきました。宮澤邸の近くの公園の一角からは、少年のボールをついている音と賑やかな声が聞こえてきました。10年前のこの日、此処で、あの惨劇が起きたことなど、全く関係ないようなボールの音が響いていました。

世田谷のこの事件は、多くの遺留品があるにも拘わらず全く犯人像が浮かび上がってきていません。あの韓国製の28サイズ(日本サイズ27.5)の靴さえ、もしかしたら捜査を攪乱するために、わざわざ置いていったものではないかとさえ思えてきます。

犯人は母系はミトコンドリアDNAの塩基配列の型から欧州系ではないか、アドリア海沿岸や地中海沿岸の人である可能性があるそうです。父方のY染色体は日本人を含むアジア民族といえるそうです。つまり欧州系とアジア系の混血の可能性が高いといえそうです。

宮澤みきおさんは、まだアニメと言う言葉自体、日本に定着しないうちからすでにアニメーションに着目し、今のアニメブームが来ることをすでに予測していた人だったようです。またミュージカルの台本を矢澤幹臣というペンネームで書いたり、多彩な才能をお持ちの方だったと友人の人が集会で偲んでいました。1950年ころ『禁断の惑星』というSF(映画か漫画か小説か?)があったそうですが、その惑星の名は「アルテアパー」(アルテアヘか)というそうで、会社の名前にこの惑星の名を使ったりしていて、かなりのSF通でもあったということです。小石川高校から東大に入った秀才でもあったのです。

この事件について、私の周りでも、迷宮入りでしょう、と言う人は多いです。しかし、わかりません、思わぬところから犯人が割り出せるかもしれません。なぜ幸せな家族の命は奪われたのか、ということだけでもせめて分かる日が来ることを、願ってやみません。あの年老いたご両親に逢って、この思いは一層つのりました。

なんでも、もしかしたらという情報の思いつく方は、成城警察に情報をお寄せ下さい。

なにごとも 無いということ 文句無し

この青空、ぬけるような青さ、空の下の家  


(この道を犯人は通って行ったのだろうか。)



皆様、佳いお年をお迎え下さい。


番犬マルの悲しみ

2010-12-26 11:09:28 | Weblog
12月26日(日)晴【番犬マルの悲しみ】

マルといっても私のことではありません。友人の愛犬のことです。

11年前の晋山式の時も、マルちゃんは元気に吠えていました。檀家さんが来ても、いつも吠えていたそうです。大事なお寺と飼い主を守らなくては、とばかりにいつもマルは吠えていたのでしょう。そう、マルちゃんは極楽寺さんの大事な番犬です。

そのマルちゃんが、数日前から、全く吠えなくなりました。

友人が亡くなってから、全く吠えなくなったそうです。お通夜の時も全く鳴かなかったそうです。

私が伺った密葬の時も全く鳴きません。

マルちゃんは分かっているのです。大好きだった飼い主さんが亡くなってしまったことを。
たくさんの人が集まって来るのに、可愛がってくれた飼い主さんの「マル」という声だけが全く聞こえないのです。

玄関の脇で、マルちゃんは来訪者を、じっと寂しげな目をして見ていました。
「マルちゃん」と呼んだら、少し頭をあげました。

同じ僧形の尼僧の姿を見て、優しかった飼い主に似ていると思ったかもしれません。

マルちゃんの前を通って、その人を納めたお棺がお寺を出て行きました。出棺を見送るときのマルちゃんをあらためて思って胸がいっぱいになりました。

法友は突然に脳内出血で亡くなってしまいました。その日の12時までご詠歌を教えに行っていて、「来年も宜しく」と言って帰った直後の大出血だったようです。

信じられない思いで岡山まで行ってきました。そして今日はもう初七日です。

いまだ信じがたい思いでいます。老僧の四十九日の法要が終わって、忌明けの品が届いたので、先週の金曜日には電話で話したばかりでした。ただその時にお互いの葬儀のときに飾る写真の話をしたりしたのです。つくづく自分の死も実感しました。

本葬は2月6日午後1時からだそうです。法友の名は與木淳恵(法号文秀)先生です。梅花の特派として日本中を教えに伺っていましたから、このブログの読者の方もご存じの方がいらっしゃるのではないでしょうか。いまだ私の淳恵さんに対しての気持ちも整理がついていませんので、いろいろと書くことはできません。

マルちゃんはご詠歌の会の会長老師が引き取ってくださったそうです。それが一番法友の気がかりだったかもしれません。きっと、それを一番喜んでいるのではないでしょうか。それ以外のことは、まだやらなくてはならないことが、あれもこれもあるのに困っちゃった、と言っているように思います。

ご冥福を祈るばかりです。





あれから10年「世田谷一家4人強盗殺人事件」

2010-12-19 18:38:32 | Weblog
12月19日(日)曇り【あれから10年「世田谷一家4人強盗殺人事件」】

世田谷の静かな公園の一角で、悲惨な事件が起きてから、はや10年になります。今日は近所の上祖師谷まちづくりセンターで、会合が開かれました。

宮澤みきおさんのお父さんの宮澤良行さん(82)とお母さんの節子さん(79)もいらっしゃいました。おそらくこの10年の苦しい年月が、お二人をすっかり弱らせてしまったのではないかと拝察しました。

あのような事件さえなければ、二人のお孫さんに囲まれて楽しい人生をおくれたであろうお二人です。良行さんのお話も、楽しかった思い出、お孫さんたちと蟹を食べた思いでなどをお話になりました。お父さんは少し体調がお悪いようで、途中からお母さんが思いを書かれた文を代読なさいました。

お父さんがご自分でおっしゃっていたので、ここに書かせていただいてもと思いますが、病名はこのブログには書くのが忍びないです。しかし、会長を務めていらっしゃった「宙の会」の運動などで、今年の4月に時効廃止法案が成立しましたので、この事件も犯人が逮捕されるまで、警察の捜査は継続されます。

当時、成城警察署長だった土田前署長さんのお願いは、民間人としてできるご協力をしていただきたいということでした。例えば犯人着用であったトレーナーは、都内で10枚しか売れていないそうです。八王子で2着、聖蹟桜ヶ丘3着、荻窪3着、青戸2着の10着です。自分が持っているでも、我が家の息子が持っている、という情報を提供してくれれば、捜査範囲を絞ることも可能かもしれないということでしょう。

佐伯久吉さんという方の話で、印象に残ったのは、聞き込みの初動捜査がうまくいかなかったことをあげていました。個人主義の世の中になって、自分を守ることの方が強く、情報提供の協力があまり頂けなかったということは残念であった、ということでした。自分たちの地域を守るために、地域住民のご協力を頂きたい、ということでした。

昨日は、この近所の方々とこの事件について話したのですが、当時は該当年齢と血液型A型、靴のサイズ27.5(韓国サイズ28、靴は韓国でしか発売されていないスラセンジャーという会社製のスニーカー)くらいの息子さんを持つ家庭には、指紋採取にも警察は協力を求めたそうです。しかし、自分の息子の指紋を採られることは、拒否した親御さんもいたようですし、やはりそれは快くは思わなかったということでした。その親の思いも分からないわけではありませんが、警察友の会の会長さんの一句、
「身をもって 初めて知るや 被害者の声」
たしかこのようなことをおっしゃっていました。

自分が被害者の家族であればどうでしょう。本当に、なんとか真犯人を捕まえてもらいたいと願うでしょう。せめて家族の無念さを晴らしたいと願うでしょう。どんな些細な情報でも欲しいでしょう。

一日も早く、犯人が捕まり、年老いたご両親が、胸の支えを少しでもとることができますようにと願わずにはおれません。

バイクとの接触

2010-12-18 21:28:49 | Weblog
12月18日(土)晴【バイクと接触】

先週の日曜日に、川越のほうに法事で出かけました。その帰りのこと、新大宮バイパスで信号待ちをしていました。

信号が青になりました。左前隣に止まっていたバイクのエンジン音もしました。ちょっと見ると、バイクの青年が驚いたような顔で後ろを振り向きました。どうしたのだろうか、と私は思いながら、走っていました。次の信号待ちで停車していますと、そのバイクの青年が何か叫んでいます。窓を開けますと、「押しませんでしたか」と言っています。横に寄るように言われましたので、車を脇に寄せて止めました。

そのバイクは、マフラーが右に張り出してついているような形をしています。「押されたような気がしたのですが」と再び青年は言いました。私は「なぜ驚いた顔をなさったのかと思いました」と、言うくらいで、全く接触した感じがありませんでした。

青年は自分のバイクのマフラーをよく見ています。YAMAHAとバイクの後ろに書かれていて、とても大事に乗っているような感じがしました。少し、マフラーにこすったような跡がありました。「ここだろうか」と首をひねっています。また私の車のバンパーを眺めて、「ここだろうか」と少し傷があるところを見ています。一箇所バンパーの前の方にギザギザになっているところがありました。

ただ私には、音も聞こえませんでしたし、接触した感じがありませんので、修理工場に持って行ってみます、という青年に従うことにしました。「僕は、ごねて余分に修理代を取ろうなんてしませんから」と、青年は言いました。お互いに携帯番号を取り交わして別れました。

どうも私自身、接触した感じがなかったのですが、おそらくバイクのエンジン音が大きくて音には気がつかなかったし、マフラーをちょっとこすったという程度だったので、私には感じなかったのだと思います。バイクの方が停車していて、私の車の方が発進が早かったので、私の方が全面的に悪いようです。

また後になって、自分の車をよく見ましたら、バンパーの前のところではなく、横に傷がついていましたし、塗料も剥げていましたので、ここに接触したのだと納得しました。

こういう事は、保険会社にお任せした方がよい、とアドバイスしてくれる人がいましたので、保険会社に電話をしましたら、交渉はお任せ下さい、ということになりました。私の保険料が上がってしまうでしょうがそれよりも、バイクの青年は保険の方が、気兼ねなく修理できますので、やはりそのほうがよかったと思います。その青年は、バイクを大事に乗っているという感じがしましたので、きちんと直してもらいたいと思いました。

しかし、この程度のことでよかったですが、バイクは横にマフラーなどが張り出していますから、横に停まられたら要注意ですね。

これから年末にかけて、なにかとお互いに忙しい気持ちになりますから、車の運転には、よくよく注意を皆さんもなさって下さい。皆さんは、私のようなドジではないでしょうが。


ルナのダイエット作戦

2010-12-09 21:11:15 | Weblog
12月10日(金)晴【ルナのダイエット作戦】

我が家のルナは、多少太り気味ということで、ダイエットをしています。猫は太りすぎますと、いくつかの病気にかかるリスクがあるのだそうです。

猫の適正体重は、一歳の時の体重が基本で、15%までの増加はよいようです。6キロを超えている猫がいたら糖尿病の危険があるそうです。

今までの餌は、国産でこれがよいのではと、ペットショップで勧められた缶詰をあげていましたが、それはどうもルナには×のようです。ドライフードもいろいろと研究してあげていたつもりでしたが、栄養価が高すぎるようで、病院の医師専用の減量サポートと満腹感サポートに切り替えました。缶詰は味もついていないし、保存料も使っていない猫にとって健康的な餌だというSPECIFICという会社のにしましたが、これはどうもなかなか切り替えが難しいようです。病気になって苦しむのは可哀想ですから日頃の心がけは大事だと思います。ペットとはいいますが、こうして一緒に暮らしていますと、全く家族の一員ですね。飼い主には責任があります。

しかし、ダイエット効果が出ているようで、しばらく上っていないので安心して出しておいた衝立にまた上がるようになりました。


皆さんの中でダイエットに苦しんでいる人はいらっしゃいますか。ほどよく食べれば太らないでしょうし、栄養満点の肉食を減らしたり、甘いものを減らしたりすれば簡単ではないでしょうか。私は好きなだけ食べますが、肉や甘いものを食べませんので、痩せています。風が吹けば飛ばされそうです。それも困りますが、太りすぎも成人病のリスクがありますからお気を付けください。

枇杷の葉温灸

2010-12-04 18:22:06 | Weblog
12月4日(土)晴【枇杷の葉温灸】

枇杷の葉温灸は大変に効果のあるお灸です。何に効果があるかと言えば、体の不調全てによいといえるかもしれません。

我が家では、母の坐骨神経痛にも本人曰く「これをやるとめきめきとよくなる」というので、時々やります。私はあまり親孝行ではないので、あまり豆にはやりません。

しかし、先日出かける前に、母がしてほしいというので温灸をしました。もしかしたら匂いがつくか、と多少気にしましたが、その日は帰りが遅いことが分かっていましたから、仕様がありません。

服を着替えましたので、大丈夫だろうと思いました。

電車に乗りますと、女子高生の一団の隣が空いていましたので、座りました。
しばらくすると、「ねえ、この匂い、やばくない」と、私の隣の女子高生が前の席に座っている友人たちにも聞こえるように言いました。

私はすぐに自分の温灸の匂いかと思いましたので、「どんな匂い?」と聞きました。
女子高生は、私が声をかけたので、ちょっと驚いたような顔をしましたが、「なんだか焦げたような匂い」と言いました。

「それは私だわ、きっと、お灸をしてきたから」と言いますと、前の席の女子高生が「おきゅうってなんですか」と尋ねました。「お灸」を今の子は知らない子もいるのですね。
それで説明をすることになりました。はじめて知った、という顔をした前の席の少女は「私のところまでは全然匂わないから平気です」と言ってくれました。

どこの高校に行っているのか、などと話をしているうちに、5,6人の女子高生の一団は、次の駅で降りていきました。電車が出るまで、彼女たちは手を振って、私を見送ってくれたのです。

温灸の匂いから、思いがけない交流をしました。きっと、この頃はテロやいろんな事件がありますから、焦げ臭い匂いに敏感に反応もしましたし、素直ですから口にもだしたのでしょう。

これ以後、やはり温灸は夜するようにしましたが、ちょっと面白い経験でしたので、ご披露しました。この頃は、仏教関連の記事を書かないですみません。なかなか書く時間がありませんのでお許しを。

はや12月です。「いのちは光陰にうつされてしばらくもとどめがたし」(『正法眼蔵』「恁麼」巻、及び『修証義』「総序」)です。命は時の流れとともに、しばしの間もとどまることはありません。周りのことに振り回されないで、時を過ごしていきたいですね。しかし、あまり強迫観念に縛られずに、ひたすらに自分のなすべきことをコツコツとやりさえすれば、あとはのんびりと雲でも眺めていたいですね。
よく見ると、飛行機が左にぽつん徒見えます。

*枇杷の葉温灸:枇杷の葉を体に当てて、その上に何枚にも折った晒しと、特殊な紙をのせて、温灸の棒を当てて、熱さを感じるまで当てておきます。体の各所のツボに当てます。癌にさえ効果のあるとされるお灸です。参考になさって下さい。