風月庵だより

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百歳の母の記憶 映画『誰も知らない』

2016-02-26 20:44:06 | Weblog

2月26日(金)晴れ【百歳の母の記憶 映画『誰も知らない』】

一昨日、ようやく今年出版予定の本の原稿を脱稿することができました。編集部の方々のアドバイスを頂き、何回か推敲をしましたので、かなり時間がかかりましたが、やはり最終原稿は自分にとって、随分学ぶことが多かったです。自分自身で自分自身の原稿から学んでいます。

そのようなことで、昨日と今日は少し休息日でした。いつも寝る場所からはみ出してしまい数日帰ってこない外猫ハッピーのために、小屋をつくったり、日頃きれいにできないところのお掃除などに精を出しました。

母ともゆっくり話しながら、3時のお茶も飲みました。そのときですが、「あんたにはあちこち旅行に連れて行ってもらったね」と言いまして「映画にもよく連れて行ってもらったけれど、誰も知らない、という映画にも行ったね」と突然、映画のタイトルを言いました。

たしかに『誰も知らない』という映画を観に行ったことがありました。しかし、母の記憶力は大したものだと思いますが、よくそのようなタイトルを覚えているものですね。

「あれは実際の話だったから、あの子たちはどうしているんだろうね」と心配している感じです。「たしか死んでしまった妹を飛行機が見えるところに埋めたね」と言います。よく覚えているものです。

私は正確なことは忘れていましたので、インターネットで調べてみました。封切されたのは、2004年(平成16年)ですから、今から12年くらい前のことです。私は曹洞宗総合研究センター宗学研究部門に入った年になりますから、駒澤公園の近くに住んでいた時のことです。きっと渋谷あたりの映画館に行ったのでしょう。

この話はたしかに実際にあった巣鴨子供置き去り事件をモチーフに、是枝裕和監督が撮られた映画で、子役の柳楽優弥さんは、国際的な映画祭で主演男優賞を頂いたりして話題になった映画でした。

母の記憶は実話をもとにしていたので、ドキュメンタリーとして混乱しているようで、実際置き去りにされた子供たちのことを心配しているわけです。少し混乱はしていますが、よく覚えているので感心しました。

現在も同じような目に遭っている子どもたちもいるかもしれませんし、親に虐待されている幼い子供たちも、多いようです。母も心配しているように、この置き去り事件のこどもたちも、今では大人になってそれぞれの人生を歩いていてくれることでしょう。

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2月も数日で終わりです。寒い日もまだまだあるでしょう。イ皆さん、ンフルエンザにご注意を。

(苦心の作です。しかし、どうもこの中に寝ていてくれる気配がありません。時の無駄遣いをしてしまったか。もう少し、様子を見てみます。結局は撤去になるでしょうか。意外と込み入っているのです。)

 

 

 


小学生のボクは 鬼のようなお母さんに ナスビを 売らされました を読んで

2016-02-18 16:33:44 | Weblog

2月18日(木)晴れ【小学生のボクは 鬼のようなお母さんに ナスビを 売らされました を読んで】

この本は児童書ですが、むしろ子育て中の親御さんたちにお読みいただきたい本のようです。

ある日から突然、それまで優しかったお母さんが、わずか10歳の息子にナスビを売りに行かせるようになりました。売れないと怒られるほどでしたが、息子さんは段々に勇気を出して、ナスビを売るようになります。そのうちナスビを売ることが楽しくさえなります。

間もなくお母さんは白血病でお亡くなりになってしまうのです。それを分かっていたお母さんは息子に生きることの大変さや、コツコツと努力することの大事なことを、幼い息子に植え付けていってくれたのです。それこそお母さんのまことの優しさでした。

今日は、百歳のおばあちゃまのご葬儀を務めさせていただきました。この方も、子どものころから農家の子どもとして、一生懸命農業を手伝い、お嫁にいらっしゃってからも、多くの苦労がありましたが、子どものころから培って身に付いた人一倍の働き者で、立派にお家を守った方です。現在のその家の繁栄があるのも、このおばあちゃまの働きによるところが大きいそうです。

最近は、小学生のころからお家の仕事を手伝うというようなことは、ほとんど「しなくなった」のではないでしょうか。いえ「させなくなった」のではないでしょうか。

簡単に言いますと「甘えさせている」ようになったのではないでしょうか。

それは子供にとって幸せなことでしょうか。

私事で恐縮ですが、私も中学一年生から三年まで、弟と兄二人の炊事・洗濯・掃除の3Sをやらされまして、本当に鍛えられました。ですから掃除洗濯掃除は少しも苦になりませんし、むしろ好きです。勉強よりも好きかもしれません。小さいころから包丁を握り、ご飯を炊き(電気釜のない時代です)、買い物に行って献立を考え……こうして書いていますと、わずか一二歳にしてよくやっていたと思います。ですから、洗濯にしても掃除にしても、働くことが自然に身についたのです。

「鉄は熱いうちに打て」という言葉もありますが、ナスビを売らせたお母さんのように、本当の子供への愛情とは、どのような育て方をすることか、あらためて考えたいと思います。

このような児童書こそ、今の時代に本当に必要な本であろうと感銘を受けた次第です。

付け足しですが、ご葬儀から帰ってきましたら、朝早かったので、洗う暇がなかった台所のお茶碗が、きれいに洗って洗い籠の中にあります。?

我が家の百歳の母が洗ってくれていたのです。常々「お母ちゃん、少しもボケていないね、すごいね」と言っています。多少ずれていることもありますが、年相応ですから、「百歳でも背筋を伸ばしてね、お腹にしっかりと力をいれて、しゃんとしてね」と厳しいことを言っている私ですが、母なりに頑張って百歳の日々を生きています。「少しでも役に立つかと思ってね」と言っていました。

たまにこんなしっかりした状態のときもある母です。

皆さん、お互いに、自分に与えられた時間を、それぞれ大事に生きてまいりましょう。寒いですから風邪にはお気を付けくださいませ。