2月25日(日)晴れ【迷信】
今日も一日疲れてしまって気力がでない。昨日と今日と、風がひどく吹く墓前でのお経だったので、少し風邪気味になったか、もしくは花粉症のせいか。皆さんはいかがですか。
今日のご法事で、お墓を前もって買うことは悪いでしょうか、と尋ねられた。どうしてですか、と私は聞き直した。すると、生きているのにお墓をつくると、途端に死んでしまうということが多いそうなので、と答えが返ってきた。
私がお伺いしたお家の何件か、そのようなケースがあったのはたしかである。しかしお墓を建てたから亡くなったわけではないだろう。たまたま時期が一致したまでの事ともいえるし、もしくは無意識に死期を感じて準備をしたともいえるかもしれない。
お墓を建てたから死ぬ、というようなものの考え方を迷信と呼んでよいだろう。お墓を生前に建てるもよし、マイナスになる迷信は信じない方がよいし、もしすぐに亡くなるようなことがあったとしたら、むしろ準備ができていたことを喜んだ方がよいと思う。
カツを受験前に食べると試験に合格する、などというのも最近流行っているそうだが、これも最近作の迷信?に近い。勿論勉強しなくては合格するはずはないのだが、良い結果を期待してなにかしたいというのは回りの者の願いである。
ということで、実は知り合いの受験生のためにトンカツを料理して、夕方宅急便で送った。私も迷信を信じる愚かなおばさんの一人である。しかし彼のお母さんが生きていたならきっとそうしたであろう。
プラスになる迷信は信じても害はないだろう。高校生の頃、四つ葉のクローバーを持っていると幸せになる、と言われて大事に持っていたのだが、今でも古い本のどこかに挟まっているかもしれない。
しかしその幸せは叶ったと言えよう。『ダンマパダ(法句経)』のなかに「人もし百年生きながらうるも 最上の真理を見ざれば 最上の真理を見る者の 一日生くるが よりまさる」とあるが、仏教を学ぶことのできたこの身は、最上の真理を垣間見ではあるが、見るチャンスに恵まれていることは最高の幸せといえよう。
考えてクヨクヨするような迷信は信じない方がよいし、実害の無いことは楽天的にとらえれば、結構面白いこともある。そんなまとまりのないことを考えた今日の締めくくりである。来週も生ある限り生きましょう。
*「寿陵」:(りょうさん『一顆の明珠』からのコメントでお教えいただいたので書き添えます。) 近頃、話題を集めているのが生前にお墓を建てる「寿陵」。歴史をひもとくと、道教の「不老長寿」を深く信仰した秦の始皇帝のお墓が「寿陵」のルーツだといわれています。その後、中国から日本へその風習が伝わり、有名な吉田兼好の『徒然草』には、聖徳太子が生前にお墓を建てた逸話も残っています。(「仏教豆知識」より転載。
今日も一日疲れてしまって気力がでない。昨日と今日と、風がひどく吹く墓前でのお経だったので、少し風邪気味になったか、もしくは花粉症のせいか。皆さんはいかがですか。
今日のご法事で、お墓を前もって買うことは悪いでしょうか、と尋ねられた。どうしてですか、と私は聞き直した。すると、生きているのにお墓をつくると、途端に死んでしまうということが多いそうなので、と答えが返ってきた。
私がお伺いしたお家の何件か、そのようなケースがあったのはたしかである。しかしお墓を建てたから亡くなったわけではないだろう。たまたま時期が一致したまでの事ともいえるし、もしくは無意識に死期を感じて準備をしたともいえるかもしれない。
お墓を建てたから死ぬ、というようなものの考え方を迷信と呼んでよいだろう。お墓を生前に建てるもよし、マイナスになる迷信は信じない方がよいし、もしすぐに亡くなるようなことがあったとしたら、むしろ準備ができていたことを喜んだ方がよいと思う。
カツを受験前に食べると試験に合格する、などというのも最近流行っているそうだが、これも最近作の迷信?に近い。勿論勉強しなくては合格するはずはないのだが、良い結果を期待してなにかしたいというのは回りの者の願いである。
ということで、実は知り合いの受験生のためにトンカツを料理して、夕方宅急便で送った。私も迷信を信じる愚かなおばさんの一人である。しかし彼のお母さんが生きていたならきっとそうしたであろう。
プラスになる迷信は信じても害はないだろう。高校生の頃、四つ葉のクローバーを持っていると幸せになる、と言われて大事に持っていたのだが、今でも古い本のどこかに挟まっているかもしれない。
しかしその幸せは叶ったと言えよう。『ダンマパダ(法句経)』のなかに「人もし百年生きながらうるも 最上の真理を見ざれば 最上の真理を見る者の 一日生くるが よりまさる」とあるが、仏教を学ぶことのできたこの身は、最上の真理を垣間見ではあるが、見るチャンスに恵まれていることは最高の幸せといえよう。
考えてクヨクヨするような迷信は信じない方がよいし、実害の無いことは楽天的にとらえれば、結構面白いこともある。そんなまとまりのないことを考えた今日の締めくくりである。来週も生ある限り生きましょう。
*「寿陵」:(りょうさん『一顆の明珠』からのコメントでお教えいただいたので書き添えます。) 近頃、話題を集めているのが生前にお墓を建てる「寿陵」。歴史をひもとくと、道教の「不老長寿」を深く信仰した秦の始皇帝のお墓が「寿陵」のルーツだといわれています。その後、中国から日本へその風習が伝わり、有名な吉田兼好の『徒然草』には、聖徳太子が生前にお墓を建てた逸話も残っています。(「仏教豆知識」より転載。