6月15日(月)
以前勤めていた職場のOB会があり、昨日会場のある和光市へ出掛けた。そこには20代半ばから40代まで約18年間勤務していた。出世とは無縁で楽しい思い出ばかりじゃなかったから、以前はOB会など興味もなかったのだが、歳月を経るに従い懐かしさが増してきて最近は欠かさず参加するようになった。
今年の会場にM君の姿が見当たらない。彼は私の数年後輩で、良く言えば元気印、悪く言えば生意気で威勢のよい男だ。OB会の役員もやっており、いつも受付でへらず口を叩いていた。
そのM君が去年のOB会では、妙に元気なく椅子に座っていた。「悪酔いでもしたのかよ。」と声を掛けたら、「実はすい臓がんなんだよ。」と疲れた顔で答えた。すい臓がんは性質の良くないガンと知られている。「Mなら大丈夫だよ。」とあまり意味の無い励ましを言って別れたのだが、その言葉が気に懸っていた。
元私の上司でもあったOB会長の I さんに「Mは来ないんですか。」と訊ねたら、「そうなんだよ。去年の12月に亡くなったんだ。俺もビックリしたよ。」と嘆いた。
最近、私とさほど変らぬ年代の人が次々とあの世へ旅立っていく。自分の周囲を冷たい隙間風が吹くようで、寒々しい気持ちになる。M君の憎めぬへらず口と、ヘッヘッヘッとシュールに笑う姿を、もう見る事はできないのだと思うと一抹の淋しさが募る。