3月12日(土)
東北大震災から5年の節目を迎えた。テレビや新聞は特集を組んで被災地の現状を報道し、多くの著名な方々が心あるコメントを寄せていた。再び映像を観ると、あの大地震が想像を絶する悲惨な災害であった事を改めて思い知らされる。
地震発生時、私は近在のショッピングセンターにいたのだが、あまりの激震に屋根が崩落するのではと恐れ慌てて屋外へ避難した。幸い我が家は一部の物が散乱したくらいでさほどの被害は無かったが、傍を走る鉄道は丸二日間停止し、給油所にガソリンは無くスーパーから主だった食品が消えてしまった。更に追い打ちを掛けるように放射能汚染が関東一円に広まった時は、このまま日本が凋落してしまうのではと本気で心配した。
あれから5年、長いようで短い何とも言えぬ歳月だった。その後幾度かボランティアで東北の被災地へ足を運んだけれど、それも被災者を助ける義侠心と言うより、何もせずノウノウとしている己に罪悪感を覚え、居たたまれずに参加したというのが本音のところだった。
被災地を除き、5年の歳月で街並みの雰囲気はすっかり大震災前に戻った感がある。あれ程叫ばれていた節電の声も今は遠のいた。東北大震災は甚大なる犠牲のうえに多くの課題と教訓を我々に投げ掛けたが、今の日本はその多くを活かせぬまま、現状復帰のリセットボタンを押しているようにしか見えないのだが・・