11月17日(火) 天気=晴れ
06:05美濃戸口→ 06:46~55美濃戸→ 07:56慰霊碑→ 08:52~09:03行者小屋→ 09:57~10:09地蔵ノ頭→ 1040~1128赤岳→ 11:53中山分岐→ 12:40~55行者小屋→ 13:39慰霊碑→ 14:33~41美濃戸→ 15:15美濃戸口
今年は3千m前後の高い山へは出掛けていない。それは新型コロナの影響もあるけれど、去年暮れから続く膝痛が一番の要因だ。その膝痛も最近は治まった感じなので、どれくらい歩けるかテストのつもりで八ヶ岳最高峰の赤岳を登る事にした。
今朝方未明に車中泊地の双葉サービスエリアを出発し、朝方6時前に登山口の美濃戸口駐車場へ着いた。駐車場には5~6台の車が停まっており、これから登ろうとする人も数名いた。
美濃戸口の駐車場(下山時)
登山口の現在気温は氷点下、身の凍るような寒さだが歩く分には程よい寒さかも知れない。美濃戸口から何度も通った林道を足慣らしのように40分ほど歩いて数軒の山小屋が点在する美濃戸に着き、人気の無い美濃戸山荘の前のベンチで一息いれる。
美濃戸山荘
ここからコースは北沢と南沢コースに分かれ、南沢コースに入る。行者小屋へ向かう南沢コースは、沢沿いや高巻き、樹林帯など変化に飛んだ道が続く。大雨の影響なのか以前に比べると沢は荒れてるような感じで、仮設の橋が随分増えている気がする。
南沢コース入口
沢沿いの道
7~8か所ある仮設の橋
高巻き道の大岩
寒さで沢水が凍っている
美濃戸から歩いて1時間ほどの距離に小さな慰霊碑が立てられていた。今回初めて気づいたが八ヶ岳で遭難した人であろうか。やがて前方高く横岳の岩峰が見えてくると行者小屋は遠くない。美濃戸から約2時間で、静まり返った行者小屋に着いた。
中間地点にある小さな慰霊碑
人気の無い行者小屋
小屋は営業しておらずテントが2張設営されていた、山影が陽射しを遮っているので気温が低く、休憩すると途端に身体が冷えてくる。ここから地蔵の頭へダイレクトに登る地蔵尾根を登って行く。登山道は上部へ行くほど急峻で、ハシゴ階段や鎖場が連続して続く。道端の小さな地蔵様に出合ったら稜線も間近で、行者小屋から50分ほどで地蔵の頭へ着いた。
地蔵尾根コース入口
急な地蔵尾根コース
ハシゴ段の連続
小さな地蔵さんまで来ると稜線間近
遮るものの無い稜線は燦燦と陽射しが照り、先程までの寒さが嘘のように暖かい。地蔵の頭は展望が良く、赤岳や横岳迫力ある眺めが素晴らしい。誰もいない赤岳展望荘の前を通り、赤岳へ向かう急峻な道を登って行く。
地蔵の頭から横岳方面
同、赤岳方面
同、阿弥陀岳方面
同、地蔵尾根を見下ろす(赤屋根の小さな建物が行者小屋)
無人の赤岳展望荘
ジグザグに続く急登の所々には先日降った雪が凍り付いているが、持参した軽アイゼンを使うまでも無い。地蔵の頭から30分ほどで、赤岳山頂(2899m)に着いた。
登山道の氷雪
赤岳山頂
山頂からは360度の大展望、本州の名立たる名峰が見渡せる素晴らしい眺めだ。二人の登山者が先着していたが、私と入れ替わるように下山したので、山頂はしばし私の貸切状態となった。こんな秋の好日に山頂を独占できる何て、何という贅沢なひと時であろうか。お湯を沸かしてコーヒーを飲みつつ眺望を堪能する。
山頂から阿弥陀岳
同、権現岳方面
同、富士山方面
閉鎖している赤岳頂上山荘
50分ほどの滞在で山頂を後に、文三郎尾根を降って行く。美濃戸から赤岳への登路として、地蔵尾根より文三郎尾根の方が距離の長い分だけ傾斜が緩く降りに適しているように思う。
文三郎尾根コースの権現岳分岐
急な文三郎尾根コース上部
中山分岐まで降ると赤岳西壁が迫力ある眺めだ。昔山岳会の正月山行でここを登攀した時、有名な登山家の故長谷川恒夫さんグループと偶然一緒になった事があった。
中山分岐
分岐から赤岳西壁
同、阿弥陀岳方面(手前の小さなピークが中岳)
山頂から1時間10分ほどで行者小屋に降り立つと、小屋は秋の明るい陽射しを浴びていた。行者小屋から南沢コースを降って行くが、登りの時と少し道の様子が違う。
行者小屋に戻って来た
南沢コース上部
慰霊碑の所まで降って初めて気づいたが、このコースを登る場合、慰霊碑を過ぎた最初の仮設橋の所で道が左右に分岐する。私が登りで歩いた左手の沢沿いコースは道が荒れているので歩き難く、右手の樹林帯コースの方がかなり歩き易いので、右手のコースの方が無難だ。
一面苔に覆われた樹林帯のコース
疲れのせいか南沢コースの下りがやけに長く感じられ、ようやくという感じで美濃戸山荘へ降り立った。此処まで来れば後は楽な林道歩きだけなので着いたも同然、山荘前で一息入れる。
単調な林道を35分ほど歩いて登山口の美濃戸口へ戻って来た。登山口の宿、八ヶ岳山荘で、日帰りの駐車料金500円を支払い、車に乗ると山麓の玉宮温泉望岳の湯で山の疲れと埃を流す。
美濃戸口へ向かう林道
登山口の八ヶ岳山荘
今日の山行に不安な思いも無いでは無かったが、最後まで私の膝は持ち堪えて標高差1400mの赤岳山頂を日帰りで登る事ができ、私にとっては少なからぬ自信というか希望になった。後しばらくは山歩きを楽しむ事ができそうだ。
温泉を出たら今夜も双葉サービスエリアで楽しい車中泊をして、明日は南アルプス前衛の冨士見山~御殿山を登るつもりです。