「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

精神障害者の心をつかむ 説得術 (1)

2006年12月16日 18時07分47秒 | 車椅子社長/無意識の彷徨/コンビンサー
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/43269747.html からの続き)

 押川氏は タイミングを計って、いよいよ 精神障害者本人と直接会い、

 説得する作業が始まる。

 彼は一人の人間として、精神障害者と対等の立場で 友達になっていく。

 誰にも物おじせず近づける、彼ならではの 率直で巧みな話術。

「いま 助けに行きますからね。

 ちょっと待っててくださいね」

 部屋に引きこもって 誰も入れない若い患者に、押川氏は声をかける。

 寄ってたかって 病院へ行けと言われる 患者に対しては、

「助けにいく」 という言葉が 一番心に届く。

「お前ら、殺してやる!」

 獣のような形相で ナイフを突きつける 患者に対しても、

 押川氏は 少しもひるまない。

「いいから ちょっと座ろうよ。

 私たちは あなたを捕まえようとしてる わけじゃありません。

 あなたの話も きちんと聞きます」

 彼が 床に腰を下ろして 患者の眼を見つめると、

 相手も 気持ちが落ち着いてくる。

 時には 猥談に花を咲かせて、患者の心に 入っていくこともある。

「皆 あんたのことが 好きなんだよ!

本気で心配してるんだよ!」

 押川氏は必死で 自分の想いをぶつけるのだ。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/43326786.html
 
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