心子は 僕の部屋で食事をしたあと、
「ひやかして」 と言うことがありました。
「飯なんか食いやがって、 ひゅー、ひゅー!」
いえいえ、そうではありません (^^; )。
汚れた食器を 水に浸しておくことを
心子は 「ひやかす」 と言ったのです。
彼女は それが珍しい言い方だという 自覚もありませんでしたが、
僕は 初めて聞きました。
心子と同じ東京出身の 僕の親父も、聞いたことがないと 言っていました。
心子は足立区の育ちですが、局地的な方言なのだろうか とも思い、
長年の “謎” でした (^^; )。
そこで ネットで調べてみました。
すると、富山, 新潟, 長野などで
この「ひやかす」 という言い方がされているのが 分かりました。
心子は 富山に親しい友人がいる と言っていましたが、
それで 知らないうちに覚えたのでしょうか?
「水に浸ける」 という意味での 「かす」 という言葉は、
「淅す」 「浸す」 「漬す」 として 古語辞典に載っているとのこと。
水に浸すから 「冷やかす」?
でも お湯に浸けるのも 「ひやかす」 と言うそうです (^^; )。
お米を 水に浸しておくのも 「ひやかす」 と言う人もいました。
ちなみに 愛媛では 「かしとく」,
北海道では 「うるかす」,
津軽では 「うるがす」 と言うとか。
方言の不思議を 改めて感じますが、
心子がどうして 自覚もなく 「ひやかす」 を覚えたのか、
いまだに “謎” です (^^; )。