「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

孤独

2008年12月29日 20時19分19秒 | 僕と「ジャン=クリストフ」
 
(前の記事からの続き)

(’84. 1/10)

「 孤独-- 本当の孤独を 味わったことのある 人間は少ない。

 自分を 理解してくれる人がいない。

 必要としてくれる人がいない。

 愛してくれる人がいない。

 一人もいない。

 世界の全ての人間は、 自分を嫌っている人間か、 無関心の人間か、

 二種類しかしない。

 最も恐ろしいのは 憎まれることではない。

 無視されることだ。

 それは どんなに人間を 卑しくすることだろう。

 就中、 最も理解してほしい人に 理解されないこと、

 それは人をして 地獄の苦しみに落とし入れる。 」


( 「ジャン・クリストフ」 )

「 一般に 人は不幸を 本能的に嫌悪する。

 あたかも 不幸が伝染しはすまいかと 恐れているかのようである。

 かりに 一歩譲っても、 不幸は人に 嫌気を起こさせる。

 人は 不幸から逃げだしてしまう。

 苦しむのを許してやる者は きわめて少ない。

 真に悲しめる者は 至って少ない。

 悲しんでると言われるものは 多いけれど、

 本当に 悲しみに沈んでる者は あまりない。

 彼は そのまれな一人だった。

 ある人間嫌いの男が 言ったように、

『 彼は虐待されるのを 喜んでいるかのようである。

 こういう不幸な人間の 役を演じたとて 何の利益もない。

 人から 忌み嫌われるばかりである。』 」

(次の記事に続く)
 
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