「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

自己否定への転落

2008年12月11日 21時48分14秒 | 僕と「ジャン=クリストフ」
 
(前の記事からの続き)

 僕もジャン・クリストフと 同じ過ちをしてきました。

 マンガ同人誌での活動は 2年ほど続きました。

 そして メンバーのそれぞれの事情で、

 同人誌はしばらく 休刊することになりました。

 僕が軋轢を起こしたことも 理由のひとつだったでしょう。

 心を寄せた女性の 気持ちが離れていきました。

 誤解や嫌悪が 増していきます。

 初めはお互い 同じものを求め、 敬愛してくれていたと、

 僕は思っていました。

 それが 辛辣な非難をするようになり、

 嘲笑さえ されるようになってしまいました。

 また、 彼女の書いたものは 皆の人気を集め、

 僕の作品は 理解されませんでした。

 僕は日増しに 自己否定に陥っていきます。

 それまで 外に向かっていた 僕の批判精神は、

 自分自身に向かうように なっていきました。

 それは今まで以上に 強烈な自己批判でした。

 この頃に 僕は 「ジャン・クリストフ」 に出会ったのです。

 むさぼるように 本にすがったと思います。

 僕は 苦しみから逃れようと、 死に物狂いでもがいていました。

 当時の僕の日記から 抜粋していきます。

( '83.1/20)

「 ああ、 僕は………

 けなされても、 嫌われても、 笑われても、 辱められても、 捨てられても、

 どんなに理解されなくても、 それでも 歩いていけるだけのものを、

 それでも 人を愛していけるだけの、 僕にとってほんとうのものを、

 つかみたい……!! 」

(次の記事に続く)
 
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