(前の記事からの続き)
○佐伯宅・ 淳一の部屋
光の中で 寝ている淳一 (サングラス)。
○東央大病院・ 第二内科・ 控室 (深夜)
美和子、 若林、 それぞれ 電話をかけてい
る。
若林 「(電話で) 麻酔科の山野先生も。 はい、
ご協力ありがとうございます」
美和子 「(電話で) ええ、 中央検査部と輸血
部にも そうお伝えください。 よろしくお願
いいたします」
美和子と若林、 受話器を置く。
小池が 組織適合検査の結果を持って 入っ
てくる。
小池 「リンパ球交差試験の 結果が出ました。
Tレギュラー、 Bウォーム、 Bコールド、
全部陰性 〔*〕 です」
〔*抗体がなく 移植可能ということ〕
若林 「そうですか、 ありがとうございます」
小池 「それで 淳一くん本人の気持ちは?」
美和子 「私が絶対に 同意させます」
小池 「他のレシピエントの 準備は進めていま
す。 時間に余裕はありません」
美和子 「分かっています」
(次の記事に続く)