「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

リンパ球交差試験 …… 「生死命(いのち)の処方箋」 (26)

2010年09月04日 20時21分05秒 | 「生死命(いのち)の処方箋」
 
(前の記事からの続き)

○佐伯宅・ 淳一の部屋

  光の中で 寝ている淳一 (サングラス)。
 

○東央大病院・ 第二内科・ 控室 (深夜)

  美和子、 若林、 それぞれ 電話をかけてい

  る。

若林 「(電話で) 麻酔科の山野先生も。 はい、

 ご協力ありがとうございます」

美和子 「(電話で) ええ、 中央検査部と輸血

 部にも そうお伝えください。 よろしくお願

 いいたします」

  美和子と若林、 受話器を置く。

  小池が 組織適合検査の結果を持って 入っ

  てくる。

小池 「リンパ球交差試験の 結果が出ました。

 Tレギュラー、 Bウォーム、 Bコールド、

 全部陰性 〔*〕 です」

 〔*抗体がなく 移植可能ということ〕

若林 「そうですか、 ありがとうございます」

小池 「それで 淳一くん本人の気持ちは?」

美和子 「私が絶対に 同意させます」

小池 「他のレシピエントの 準備は進めていま

 す。 時間に余裕はありません」

美和子 「分かっています」

(次の記事に続く)
 
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