○ 「こっちへ来て、 近づかないで」
ボーダーの人は生き残るために、 親密さと愛情が必要だと 感じています。
一方で無価値感を持ち、 見抜かれることを恐れています。
人があまり近づいてくると、 飲み込まれるのではないかと感じます。
見捨てられ恐怖は中心的な問題なので、 親密さへの欲求が発揮されますが、
飲み込まれる恐怖が また忍び寄ります。
回転するような感情のため、 相手の身になって見ることができないのです。
あなたを必要とするときには、
10分前に別れると言った事実は もう頭にありません。
【 ex . ケン
ガールフレンドのエイミーは、 ある晩 素晴らしいセックスをしても、
次の夜は 触れられることも耐えられないのです。
電話で別れ話を持ち出し、 切るころには 翌晩のデートの計画をしています。
繰り返し別れ、 繰り返し 元の鞘に収まっているのです。
自分たちの位置が分かりません。
自分のセリフが エイミーを激怒させるのが、 笑ってやり過ごすのか。】
□ A.
できるときは一緒にいて、 エイミーが望まないときは それを受け入れるでしょう。
□ B.
こういう人もいます。 打つ手はありません。
□ C.
ケンがなぜ この関係を続けるのか分かりません。
エイミーは狂っていて、 ケンをも狂わせようとしています。
□ D.
エイミーの矛盾を記録し、 彼女に見せてやります。
彼女は賢いので、 一度自覚したらやめるでしょう。
【 ex . マリアン
10代の娘ヘザーは 気分屋で、 虐待的, 暴力的なので、
家出したときは ほっとしました。
ヘザーは 友達の家に行き着いて、 毎日 私の職場に電話してきました。
私からの伝言に応えているのだと言い、
どうして 私が彼女に電話してくるのか 知りたいと要求しました。
でも私は 彼女に電話していなかったのです。】
□ A.
私だったら、 ヘザーに電話しなかったことに 罪悪感を感じたでしょう。
彼女が望む限り話をします。
□ B.
「何故この子は こんなことをするのかしら?
娘が関心を求めるときに、 仕事なんてできない」 と考えるでしょう。
ヘザーには、 態度を改めなければ 決して家には戻るな、 と言うでしょう。
□ C.
ヘザーの行動は意味がありません。
母親に価値がないのなら、 何故電話をかけてくるのでしょう。
ヘザーが論理的でないと 言うべきです。
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」 (星和書店)
〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕