「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

もう少し近くで 距離をおいて

2015年04月10日 20時26分02秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
○ 「こっちへ来て、 近づかないで」
 
 ボーダーの人は生き残るために、 親密さと愛情が必要だと 感じています。
 
 一方で無価値感を持ち、 見抜かれることを恐れています。
 
 人があまり近づいてくると、 飲み込まれるのではないかと感じます。
 
 見捨てられ恐怖は中心的な問題なので、 親密さへの欲求が発揮されますが、
 
 飲み込まれる恐怖が また忍び寄ります。
 
 回転するような感情のため、 相手の身になって見ることができないのです。
 
 あなたを必要とするときには、
 
 10分前に別れると言った事実は もう頭にありません。
 
【 ex . ケン
 
 ガールフレンドのエイミーは、 ある晩 素晴らしいセックスをしても、
 
 次の夜は 触れられることも耐えられないのです。
 
 電話で別れ話を持ち出し、 切るころには 翌晩のデートの計画をしています。
 
 繰り返し別れ、 繰り返し 元の鞘に収まっているのです。
 
 自分たちの位置が分かりません。
 
 自分のセリフが エイミーを激怒させるのが、 笑ってやり過ごすのか。】
 
□ A.
 
  できるときは一緒にいて、 エイミーが望まないときは それを受け入れるでしょう。
 
□ B.
 
  こういう人もいます。 打つ手はありません。
 
□ C.
 
  ケンがなぜ この関係を続けるのか分かりません。
 
  エイミーは狂っていて、 ケンをも狂わせようとしています。
 
□ D.
 
  エイミーの矛盾を記録し、 彼女に見せてやります。
 
  彼女は賢いので、 一度自覚したらやめるでしょう。
 
【 ex . マリアン
 
 10代の娘ヘザーは 気分屋で、 虐待的, 暴力的なので、
 
 家出したときは ほっとしました。
 
 ヘザーは 友達の家に行き着いて、 毎日 私の職場に電話してきました。
 
 私からの伝言に応えているのだと言い、
 
 どうして 私が彼女に電話してくるのか 知りたいと要求しました。
 
 でも私は 彼女に電話していなかったのです。】
 
□ A.
 
  私だったら、 ヘザーに電話しなかったことに 罪悪感を感じたでしょう。
 
  彼女が望む限り話をします。
 
□ B.
 
 「何故この子は こんなことをするのかしら? 
 
  娘が関心を求めるときに、 仕事なんてできない」 と考えるでしょう。
 
  ヘザーには、 態度を改めなければ 決して家には戻るな、 と言うでしょう。
 
□ C.
 
  ヘザーの行動は意味がありません。
 
  母親に価値がないのなら、 何故電話をかけてくるのでしょう。
 
  ヘザーが論理的でないと 言うべきです。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」 (星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
コメント
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