情動のコントロール不全は、 この障害の 基本症状のひとつで、
気分が変動しやすいことと、 傷つきやすいことがあります。
程度が強い場合は、 薬で緩和することが望まれます。
軽度の場合は、 生活習慣を整え、 安心できる環境で 過ごすようにします。
次々に 新しい人と出会ったり、 人間関係が濃厚になると 刺激を受けやすいので、
淡白で単純な 生活を心がけましょう。
親子関係が落ち着いていない場合、 ほどよく距離を置いて、
たまに顔を合わせるほうが よいこともあります。
逆に べったり依存している場合は、
徐々に 自分だけで過ごせる時間を 増やしていきます。
〔 「境界性パーソナリティ障害」 岡田尊司 (幻冬舎) より 〕
心子は 数種類の薬を処方されていました。
現在では 多剤多用は禁物とされていますが、 心子は 腰痛の湿布や痛み止め、
胃薬なども含めると、 通院の度に 袋一杯の薬を 持ち帰っていました。
対人関係は、 当初 会社の苛めで 尋常でない日々を過ごしていましたが、
その後は、 社会的な人間関係で苦しむことは 差程なかったと思います。
母親との関係は、 価値観も感性も 全く異なり、
揉め事が絶えないと、 生前は聞いていました。
でも実は、 母親は心子を気にかけて 心子の部屋にやって来ては、
ひとつのベッドで 寝たりしていたということです。
愛情が深い分だけ、 傷つくことも多かったのでしょう。
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