「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

フラッシュバックは どう扱うのか

2010年04月28日 21時47分13秒 | 「境界性パーソナリティ障害」より
 
 境界性パーソナリティ障害の人は、 PTSDを抱えていることが 少なくありません。

 治療を受けて 安定した上で、 過去の出来事に 向かい合う治療が 有効です。

 どんな出来事も きちんと言葉にし、 適切な対処を学ぶことで、

 乗り越えていくことができます。

 向き合わずに 心の中に押し込めているほうが、 害が大きいのです。

 回復に手間取ることもありますが、 問題を抱えながらも、

 時間をかけて、 バランスを壊さないことが 大切です。

〔 「境界性パーソナリティ障害」 岡田尊司 (幻冬舎) より 〕
 

 心子も フラッシュバックを起こしました。

 子供の人格に戻って 父親が急死したときの出来事、

 前夫が首を吊ったシーン、

 もう一人のパートナー・清志が 自殺を図ろうとしたシーンなど。

 悪夢を見て 飛び起きたことも 何回かありました。

 残念ながら、 その治療を始めるところまでは 行きませんでした。

 ただ心子の場合は、 実際の事実が フラッシュバックするのではなく、

 心の中にでき上がった 心的事実が 再現されることが多かったようです。

 しかし それは心子の中では、 客観的に起こった出来事と 全く変わりがなく、

 間違いなく存在した 事実だったのです。

 フラッシュバックは 単なる夢や記憶と異なり、

 明らかに いま目の前で起きている 現実として体験され、

 その衝撃や苦しみは 経験しない者には 想像し難いといいます。
 

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