「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

市民が量刑判断での 心の負担重く

2009年04月28日 20時30分42秒 | 死刑制度と癒し
 
 今日のニュース 「スーパーJチャンネル」 (TV朝日) で、

 裁判員制度検証の 特集をやっていました。

 裁判員が判決を下すときの 心理的な負担についてです。

 冤罪の疑いのある 有名な袴田事件で、

 審理に当たった 熊本典道・ 元裁判官は、

 3人の裁判官のうち一人だけ 無罪だと確信しましたが、 合議で死刑が決定。

 しかも判決文は、 熊本氏本人が 書かなければなりませんでした。

 熊本氏は7ヶ月後に 裁判官を辞職、 自殺を図ったが 失敗したといいます。

 職業裁判官でさえ、 これほどまでの重責と 重圧に苛まれるわけです。

 裁判員に精神的負担を 与えることに備えて 最高裁は、

 24時間体制の 心理カウンセリングを準備しています。

 しかし これには、

「救急体制を用意したから 崖から飛び下りてくれ」 と

 言うようなものだとの 批判もあります。

 裁判員制度では 多数決で有罪無罪が決められますが、

 そのあとの量刑判断には、 無罪を主張した人も 加わらなければなりません。

 その結果、 死刑判決になる場合も あり得ますが、

 裁判員には 守秘義務があるため、

 自分は無罪に手を挙げた ということを、 生涯 口にすることができません。

 にも拘らず、 今まで600回行なわれたという 模擬裁判では、

 死刑判決相当の模擬裁判を 一件も行なわれていないというのです。

 模擬裁判で死刑を選択させても 何の検証にもならないと言うのですが、

 裁判員の精神的負担が 表面に出る前に、

 制度を始めてしまおうというのではないかと 思われても仕方ありません。

 最近、 裁判員制度にも 大きな影響を与えそうな、

 注目の判決が 相次いでいます。

 被告の解離性健忘を認めた 一審を破棄して、

 完全責任能力を示した 秋田連続児童殺害事件,

 状況証拠だけで死刑が確定した 和歌山毒物カレー事件,

 本日高裁で一審を破棄し 懲役7年から12年になった

 渋谷妹殺害 (バラバラ) 事件。

 状況証拠しかない事件や、

 犯人の責任能力という 目に見えない問題を

( 裁判所でさえ 一審と二審で 判断が異なるような )、

 一般人が ごく短時間で 正しく見極められるのか、 大きな危惧が残ります。

 僕は 国民の司法参加は必要だし、

 裁判員制度に積極的に 参加したいと思っていますが、

 如何せん準備不足で 拙速だと、 当初から述べています。

 裁判員制度開始まで もう一ヶ月ですが、

 どのような問題が起きるのか、 期待よりも 心配が多い気がします。
 

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