南京(中国)での国際学会の話題です。
これは開会式の写真です。壇上に7人の席と演台がありますが、その後ろに縦3m、横20mくらいの映写幕があります。
これまでの学会発表の経験では、この後背は単に巨大なポスターだろうと思っていたのですが、
講演が始まると、発表者のスライドがこの様に後ろのポスターに映写されました!
しかも、縦横がぴったりのスライドのサイズではめ込まれています。
ええ、と思っって休憩時間にその「ポスター」の裏側を覗くと、なんと!
こんな電子装置がはめ込まれて、何十台も並んでいました。
表の表面のクローズアップは、これです。
実は、このスクリーンは全面にLEDが埋め込まれていて各々がカラー発光しています。
2,3年前に、六本木ヒルズでの商業的講演会に行ったのですが、その時は、スライドを天井に取り付けたプロジェクターで正面のスクリーンに投影していました。
なんと、中国の投資パワーはとんでもないくらいに急速に設備更新や技術の成長を遂げています。
これは、そのホテルの廊下にあったデジタルサイネージ(電子看板)です。このレベルならば最近は日本でも普及してきました。紙ポスターの張替え手間がいらないこと、時間とともに複数の内容を切り替えて表示できる利点があります。
会場ホテルの近くに、Appleストアがありました。
その店舗の上には、巨大なデジタルサイネージが光っていました。
明らかに、中国の都会では中産階級の人々の数が増えていて、若い人もどんどん世界の流行に敏感になっているようです。スターバックスの店もあって、コーヒー1杯が600円(相当)やそれ以上でも売れています。
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その一方で、もちろん紙のポスターも健在でした。
これは地下鉄駅の廊下にあったポスター。
親孝行の大切なことを、絵入りで訴えています。左のスローガンはどう読むのかわかりませんが、富が強くなって(増えて)、文明と民の皆が平和になるとでも意味しているのでしょうか。
中国が数十年前に、文化大革命の時期には「壁新聞」といって建物の外壁に政治的メッセージを手書きで書いて張り出していたことがよくニュースになっていました。中国で、漢字を簡略化した字体(簡体字)が作られたのもそんな時期だったと記憶します。ビラや壁新聞をたくさん作るのに、速記性が求められたのでしょう。
~~ 追記 ~~
簡体字は、文化大革命の時に紅衛兵が壁新聞やビラを書きなぐるために、適当に簡略化した漢字を「発明」したと思っていました。しかし、今回、少しググってみたら、違ってました。もっと前から国家として漢字簡略化のプロジェクトが進んでいたことがわかりました。例えば、ここにその歴史が書いてあります 簡体字。